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"くらしてみたあとに" ハギワラさん/岩手県陸前高田

katoottoです。岩手県陸前高田でくらすハギワラさんにインタビューをしながら感じたことを書きたいと思います。

学童保育、焼きいも屋さん、スノーボードのインストラクター、猟師、・・・

職業はなんですか?
いつものインタビューと同じ質問をしたところ、それに対しての答えが、想定していたものを超えて多すぎる。

普通、副業をしているにしても、2つか3つなのだけど・・・
しかも、それぞれの職業がバラバラで、脈絡がなさそう・・・

よくわからないないまま、
そんなに色々やっていて、ゆっくりする時間とかありますか?疲れませんか?
と聞いてみた。

けれど、それがピントが外れている質問だったことにあとで気が付いた。

"休みがない=疲れる"ではない働き方

ハギワラさんは、東京で民間企業に勤めたあと、地方創生に関わりたいという思いで、新潟の行政職員となった。しかしそこでは、母体の大きい行政というのもあり、自分がダイレクトにまちづくりに関わっているいう感覚が得られずに、別の地方への移住を考えた。いくつかの候補のうち、選んだのが陸前高田だったということだ。
そして彼は今、やりたいことを精一杯やって、充実した日々を過ごしている。

"休みなく働くというよりは、ずっと遊んでいるような感覚なんですよね。"

"たしかに東京で民間企業にいた頃は、早く帰りたいって思って仕事してましたけど、いまは好きなことを自分でやっているんで、休みなく動いていても、疲れるというのとは、少し違うと思います。"

話を聞いていて胸をグサグサと刺された気分になった。僕は、仕事=嫌なものと無意識に前提していたということだ。僕は少なからず、早く帰りたいと思いながら、仕事をしている。僕もしっかりとサラリーマンなんだなと、思い知らされた。

街の未来をどのスパンで描くか
さらに、話しを聞いているうちに、彼の考えていることが徐々にわかってきた。
"この街の子供たちが大きくなった頃に"とか、そういう言葉がよく出てくる。それに気付いて、ようやく腑に落ちた。つまり、彼はまちづくりをかなり長いスパンで考えているということ。自分の活動が街に住んでいる人の喜びになり、それが回りまわって、将来のまちの活性化につながる。

まちづくりは、50〜100年後のことを考えてやらなければとよく聞くが、ハギワラさんの活動はまさにそれを体現している。
感心すると同時に、背筋が伸びる思いがした。

昨今の地方創生ブームのなかで建築やデザインの人達の地方での活動が盛んだけど、数年で目に見える結果を求めてしまいがちだと思う。
だけど本当は、彼のような地道な活動が、ゆっくりと大きな力で、地域を動かしていくんだろう、そう思った。

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