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今後のくらしアトリエ/シマシマしまねについて(大切なお知らせ)

おはようございます。
今日はNPO法人くらしアトリエから皆さまに大切なお知らせです。

私たち「NPO法人くらしアトリエ」は、2008年から活動拠点としてきた雲南市大東町畑鵯(はたひよどり)の事務所を今年度中に移転し、新たな場所で活動を始める方向で現在協議を進めています。

移転については昨年度から少しずつ考えてきたことではありますが、はっきりと方向性が定まるまで皆さまにお知らせすることができずにいました。もろもろの協議はまだ始まったばかりで、具体的な時期もまだ未定です。

どのタイミングでお知らせするかも迷っていたのですが、先日の「出張シマシマしまね」の際にもたくさん「オープンしたらまた伺いますね」という声をいただいたので、一度皆さまに経過をお知らせしておこう、ということになりました。
結果的にお知らせが遅くなってしまい、申し訳ございません。


1. 移転を決めるまでの経緯

昨年3月末に、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から施設のオープンを延期します、というお知らせをしました。その後感染状況を見定めつつ、6月後半から2週間ほど予約制で「原さんの竹かご販売会」を行い、9月くらいから本格的に施設を再オープンしよう、という考えで進めていました。

そんな折、梅雨の長雨により施設の裏手で土砂崩れが起きるというトラブルがありました。幸い建物に大きな被害はありませんでしたが、崩れた土砂が外壁に押し寄せ、ちょうどガスボンベの設置場所に近かったことから、危険だということでガスを撤去する、という事態になりました。(現在は土砂は撤去され、事務所での仕事は滞りなく行えていますが、ガスは止めています。)

もともとあまり良いコンディションの土地や建物ではないため、少しずつ修繕を繰り返しながら使用してきた拠点だったのですが、この一件以降、「この場所に、コロナ禍以降もお客さまを変わらずお招きすることができるんだろうか」という疑問が生まれ、そこから半年以上をかけ、スタッフ間で話し合いを進めてきました。昨年7月以降はスタッフ以外誰も建物に入らず(外部との打ち合わせ等もすべて外で行っています)、今に至っています。

土砂崩れが起きた場所はキッチンの正面にあたり、例えば今後ワークショップをするとしても、「絶対に安全です」という保証はありません。応急処置はしていただきましたが、施設の裏手は全面的に崖になっており、別の場所が崩れる可能性もゼロではない、とのことでした。

ガスはまた設置すれば良いのですが、このような状況下で、雨が降るたびに「大丈夫かな」と心配し、雪が積もればまた不安が増して…ということを考えると、スタッフが絶対の自信を持って「どうぞお越しください」と言えないまま施設を開けることは、やはり難しいのではないかという思いが強くなりました。
時には地域の方々に手伝っていただきながら、少しずつ直してきた建物ですが、冬場には母屋隣の納屋が雪の重みでつぶれたりもしていて、なかなかシビアな状況…。これ以上大規模な修繕をすることは、経済的にも難しいものがあります。


さらに、コロナ禍以降、「この山の中にたくさんの人をお招きする」ということの意義について、あらためて問い直す機会が増えました。

今まで「田舎でのんびりした時間を過ごしてもらう」「わざわざこの土地に来ていただく」というところが「シマシマしまね」のオリジナリティだったわけですが、果たしてそこを今後もアピールしていくべきなんだろうか?

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決して日々大いに賑わうわけではありませんでしたが、それでも活動をしていく以上、「人を集める」ということはある程度避けられません。

一方で、この1年でみんな「大勢で集まって賑やかにすることの意味」を問い直してきたわけで、あえてわざわざ山の中に「密」の状態を作ることを、今後も行っていくべきなのか?そんな自問自答もずっとずっと、行ってきました。

それは突き詰めていけば、「今後自分たちはどうしていきたいのか」という活動の根幹の部分を問い直すことにほかならず、 ぐるぐると思考が回ってしまって前に進めない状態の時もありましたが、立ち上げからおよそ15年が経った今、ひとつの節目として次のステップに進むべき時なのかも、という考えに至りました。

以上のような経緯があり、中心スタッフで悩みに悩んだ末、「新たな場所を探す」というひとつの結論を出しました。その後、その方向性をスタッフ間で共有すべく、先日開催した定期総会で協議し、まず一歩めを踏み出した、というところです。

土砂崩れという出来事が重要な契機であり、「人を呼べない」というのが決定的な理由なのですが、これからのくらしアトリエの活動のあり方を見つめ直し、そのビジョンにあった場所を新たに考えていきたい、という思いも生まれています。

正式にはまた臨時総会を設けて承認を得たのちに、いろいろな手続きを踏んだうえでの移転となります。
時期についてはまた追ってお知らせいたしますが、そういった事情ですので、「はたひよどり」での施設オープンは今後も予定しておりません。楽しみにされていた方には申し訳ない気持ちですが、どうぞご了承ください。

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法人としてこの「はたひよどり」という素晴らしい土地でずっと活動していきたい、という気持ちはずっと持ち続けており、離れがたい気持ちもたくさんあるのですが、進化・変化をしていくためのひとつの決断として、ご理解いただければ幸いです。


2.移転先と今後の活動について


法人の移転先ですが、出雲市斐川町の「オープンスペース.美南」さんを予定しています。昨年のうつわイベントや、先日の「出張シマシマしまね」でお世話になった場所です。

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この広い古民家は、オーナーさんご夫妻が営む建築事務所と、レンタルスペースからなる空間です。まだ私たちがどんな形で移転するかは明確に決まっていませんが、空間の一部を事務所として常時お借りし、活動をしていくことになろうかと思います。オーナーのお2人には私たちの活動目的やビジョンにご理解を頂いたうえで、定期的に話し合いをしつつ、形を決めていっているところです。

※私たちが移転した後も「オープンスペース.美南」さんの活動は変わりません。通常のレンタルスペースは今まで同様にお使いいただけますので、どうぞご安心ください。

面積としては今の拠点よりも狭くなりますが、新たな場所で自分たちのできること・やりたいことをどうやって表現するかを、いろいろと考えています。


はたひよどりの施設で3年間「シマシマしまね」をやってきて、一番に感じたのは、「物を売ることよりも、思いを伝えたり応援したりすることが、自分たちが真にやりたいことなんだ」ということ。

そう言ってしまうと「じゃあもうお店はやらないの?」となりますが、もちろん、作り手を応援する手段として一番有効なのは「商品を売ること」なので、物販も変わらずに行っていきます

良いものを開拓してお伝えすることは、皆さんのシビックプライドを高めるひとつのきっかけになりますし、「島根っていいところだね」と思っていただける一番の近道だと思っています。場所が変わっても、島根の作り手を応援し、その思いを発信することは変わりません。

そのうえで、活動の芯の部分である「地域と暮らしをつなげる」「シビックプライドの醸成」というところをもっとクリアに打ち出せるよう、オンラインでの活動(このnoteでのコラム執筆や、サークル「くらしの学校」など)とオフラインの活動(新拠点でのリアルな共感の場の創出、シマシマキャラバンなど各地に出向いての活動)のほか、プロダクトデザインや新しい事業にも取り組んでいきたい、と考えています。

地域の課題や、未来について能動的に考えることができる人というのは、常に学びを意識している人だと思います。

好奇心を持って、年齢や立場などを超え、「吸収したい」「もっと良くしたい」という気持ちを強く持てば、日々楽しく、未来志向で暮らしていける。

そんな人たちがひとりでも多くなり、みんなが「住んでいる地域を誇りに思う」という心持ちで生活していけるように、法人としてこれからも微力ながら力を尽くしたいと思います。

もちろん、楽しいこと、わくわくすることもたくさん企画したいですね。知的好奇心を刺激するような場所(編集室、図書スペースなど)も妄想しています。

少ない人数での運営ですので、大きな渦は起こせませんが、「確かに」伝えること、「確かに」共感することを大切に…ひそやかに、でも志は熱く、これからもNPOとして一歩一歩進んでいけたら、と考えています。「オープンスペース.美南」さんの持つおおらかな空間の一部で自分たちがこれからどんな風に変化していけるのか、不安もありますが楽しみも大きいです。

移転についての具体的なことが決まりましたら、また各所でお知らせいたします。それまではオンラインでの活動が主となりますので、変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


くらしアトリエの活動2021

最後に、現時点でスタッフ間で考えている活動内容を図式化したものを添えておきます。活動の芯の部分と、それを実現するためにどういった方法をとるのか、という点についてまとめたものです。すべては表現しきれていませんが、今後の法人の活動にご理解をいただければ幸いです。

            NPO法人くらしアトリエ スタッフ一同


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