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沼をさらに楽しむ。人生何が起こるかわからない。いや、ほんとに。

昨年の11月に綴ったコラムで、私(くらしアトリエ代表)がうっかりシンリンオオカミ沼にハマった、という話を書きました。

そもそも旭山動物園のカバの赤ちゃんに癒やされ、そこから動物園で飼育されている動物に興味を持ち始め、シンリンオオカミに惹かれて今日に至る…みたいなコラムだったのですが(どんな話だ…)、今週の「時々、コラム」はその続編です。少々暴走しますが、お許しください。

実はいま私、「ホッキョクグマ沼」にハマっているのです…!

もちろん、シンリンオオカミも変わらず日々ウォッチしていますが、自分の中でここ半年もっとも熱いのがホッキョクグマ。前回コラムを書いたときには、まさか自分がホッキョクグマ沼に落ちるとは思っていませんでしたよ…いやあ、まさに「人生何が起こるかわからない」っていうやつです。

なぜそんな沼に落ちたたのかというと、昨年の11月から12月にかけて、ホッキョクグマの赤ちゃんが産まれたことがきっかけでした。

11月25日には大阪の天王寺動物園で。
そして、12月26日に秋田の男鹿水族館GAOで、それぞれ出産があったのです。

男鹿水族館GAOでは、出産直後から監視カメラの映像を使って、赤ちゃんのようすを配信され始めました。
※お母さんクマは真っ暗な産室で静かに出産をするため、人間は立ち入れないのです。

この発信はけっこうリスキーというか、ホッキョクグマは出産後48時間の死亡率がすごく高いのです。産まれても、無事に育つのはわずか。だから、いま観ているこの赤ちゃんも、すぐに亡くなってしまうかもしれないわけです。実際、天王寺動物園では2頭の出産があったのですが、1頭は残念ながら亡くなってしまいました。

そして、そもそも動物園・水族館でのホッキョクグマの出産自体がとても難しく、2014年以降は赤ちゃんが育っていない、ということを知ってからは、とにかくこの赤ちゃんが無事に育ってほしい、と1日1日、手に汗握りながらエールを送り続けました。そういう人が、国内外にたくさんいらっしゃったのです。

少しずつ大きくなっていく赤ちゃんをモニター越しに観ながら、今日も元気だった、とホッとする日々。いつしかまるで親のような気持ちで…いや、親戚のおばちゃんみたいな気持ちで、「ユキっ子~」「ちびまんじゅう~」と呼び掛けるように。(注:いずれも赤ちゃんの愛称です)

そして赤ちゃんクマはすくすく成長し、性別はオスと判明。お母さんと2人きりで過ごした産室を出て、少しずつ放飼場での生活に慣らし始めます。

こうなってくるとファンの間で「名前はいつ決まるんですか?」という質問が交わされるようになり、名前の一次募集が始まりました。

そこで私、生まれて初めて「お名前募集」に応募してみました!

自分なりにいろいろ考えて、これでどうだ!という会心の作をGoogleフォームで送り、わくわくしながら一次発表を待っていたのですが、最終候補に残った7つの名前の中に、私が応募した名前はありませんでした…。地味に落ち込みました…。

とはいえ、残った7つの名前はどれも素晴らしく、来館者の投票によって先日正式に名前が決定。
秋田県知事が定例記者会見で「平成おじさん」みたいに名前の書かれた額を持って発表する、というのをリアルタイムで視聴。

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まさか島根に暮らす自分が、秋田の知事の記者会見を見ることになるとは思わなかったです…。これもまた、「人生何が起きるかわからない」っていうやつですね。


かくして、小熊ちゃんに名付けられたのは「フブキ」くん。

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お父さんが「豪太」・お母さんが「ユキ」 → 豪雪 ≒ 吹雪 → フブキ。

なんて素敵な名前なんでしょう!考えた人すごいな!私の考えたやつなんて、もうどうでもいいです!

まさに親戚のおばちゃん状態で、「いい名前もらったねえ~」と涙目でYouTubeを観る私。
冷静に見るとちょっと引きますが、コロナ禍での癒やしを求めた2020年4月から1年ちょっと、自分にこんな「大切なもの」ができたことが、嬉しくもあります。

ちなみにくらしアトリエの別のスタッフは野生動物には興味があるので、「ワイルドライフ」みたいなドキュメンタリーは好きだけど、動物園・水族館で飼育されている動物にはあまり興味がない…とのこと。

私はその逆で、いわゆる「名前がついている動物」に対する「かわいいよ~、いとしいよ~」という気持ちが止まらず、野生動物にはそれほど興味がありません。これも、不思議なことです。

動物を「飼育する」ということに対して批判する方もいらっしゃることは重々承知しています。
でも、日本中のいろんなところに自分と同じように「動物園・水族館の生き物たちが大好きです」という方々がたくさんいらっしゃって、園を応援されている、ということは、やっぱり素晴らしいことだと思うんですよね。

生き物が園の中で生きるってどういうことだろう。動物と人間はどこまで信頼し合えるのか。園にいる生き物たちが、私たちにどんなものをもたらしてくれるのか。…なかなかひと言では言えませんが、とにかく私はホッキョクグマをはじめ、ライオンもトラもユキヒョウもジャガーもハイエナも…園にいるすべての生き物が大好きなんだ!ということを、高らかに宣言したいです。


…と、私がホッキョクグマのことをあまりにも愛でるので、最近はオットもYouTubeを楽しみにするようになりました。

こうなったら男鹿水族館、行っちゃう~?と思ったけれど、やはりこのご時世、なかなか遠出は難しい。動物の赤ちゃんはすぐに成長するので、いま、この瞬間のフブキくんは二度と観ることができないんだよなあ…と思うと、やっぱり行きたいなあ、という気持ちもありますが、我が家にも生き物(犬)がいるので、違う意味でも遠出はやはり難しく(男鹿水族館が遠すぎる、というのもあります)、公式の動画や来園された皆さんの写真などを見せていただくのが、日々の活力です。

一時は「秋田いいな~」といろいろ思いを馳せていたので、どんな施設があるのかとか、おいしい食べ物とか、いろいろ調べて妄想旅行をしていました(何でも水族館の中のレストランのごはんがレベルが高いらしい)。

曲げわっぱ、角館の武家屋敷通り、いぶりがっこ、稲庭うどん、きりたんぽ、なまはげ…。いぶりがっこと稲庭うどんは大好物なので、いつか秋田に行くぞ!
生ホッキョクグマを堪能するぞ!と、妄想を膨らませています。
なまはげも最初は「なまはげかあ…」と思っていたけれど、調べすぎてなんだか親しみがわき、会いたくなってきました。

コロナ禍で旅行もちょっと…という感じで、気持ちがしょんぼりしていた1年でしたが、いつか行きたいな…という場所がほかにもたくさん増えました。

旭川、札幌、横浜…主にホッキョクグマとシンリンオオカミがいるところなんですが、思いっきり動物園・水族館を楽しみたいなあ、というのがいまの夢です。

そして、コロナ禍で休園を余儀なくされた国内の動物園や水族館たちの困難な状況に、皆さんも少し目を向けていただき、生き物たちやスタッフの皆さんたちへ応援をしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

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人生の沼はいろんなところに用意されていて、うっかり落ちてしまったらそれまでとはまったく違う人生が待っている。

沼も楽しみつつ、わくわくしながら日々を生きていきたい!と思う日々です。





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