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来週から雪が降るということで、冬の憂鬱を語らせてほしい。

どうやら来週から本格的な冬に突入するらしい。

雪が、降るらしい。

幼い頃、雪が降ると大喜びで庭に出ては雪だるまを作ったりしたものですが、大人になって久しい今、来週火曜日からずーっと続く天気予報の雪マークに、どんよりした気持ちになっています。

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雪の降らない地域にお住まいの方にはこの「どんより」が理解しにくいかと思いますが、私たち雪が降る地域の大人たちは、ぶっちゃけ「雪なんてもう嫌なんだ!冬なんて大嫌い!」という心の叫びを、「ストーブの上でコトコトスープを作る」「冬はシチューがおいしいですね」みたいな「ふわっとした冬の暮らしの楽しみ方」というヴェールで必死に覆っているのです。
なので、ふとした瞬間に心の声が漏れ出てしまう。

今日はそんなコラムだと思ってください。

山陰に暮らしている私が感じる「雪が降ってうんざりすること」。雪が降る中山間地への移住を考えている方もぜひ、ご覧ください。

※随所にちりばめてある銀世界の写真はとっても美しいので、それもお楽しみくださいね。


◎車をめぐる憂鬱

まず雪が降ると「…車動くかな」という心配をします。

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山陰に暮らしていると、車なしではなかなか生活できません。
もちろん、幹線道路は早朝から除雪車が動いてくださり、公共交通機関もなるべく遅れないように頑張ってくださっているのですが、「幹線道路から駐車場のうちの車まで」は除雪してくれないので、あらかじめ早起きをしてえっちらおっちら、雪かきをすることになります。
つもりたての雪はふわふわで、最初は「雪かき楽しい!」と思うのですが、まあ3分くらいですかね…道路までの果てしない白銀の道のりを見ながら「…全然進んでないじゃん」「あーしんどい」と思いつつひたすら無言で雪かきです。

我が家では、朝はオットがやってくれる雪かきも、日中積もれば何度もやらなければならず、大雪が降ったときにはきりがないので車を出すこと自体を諦める場合も多いです(=家に閉じ込められる)。

運よく駐車場から出られても、道路は大渋滞しているし、目的地に時間通りに着くのはかなり困難。スリップしたりスタックしたりする不安と闘いながらの運転は、本当に疲れる…。

一番やっかいなのが、スタッドレスタイヤで走った後のタイヤの跡がそのまま凍ってガタガタになっている道路!「インディジョーンズか…!」と自分にツッコミを入れながら、正直イチかバチかで運転しています。横転したら恥ずかしいだろうな~迷惑かけたくないな~と思いつつ、とにかくハンドルをしっかり握って、「うわああああ」と叫びながら…。

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免許を取ってから今まで、何度か「あ、ヤバイ」という状況に陥っているし、雪の塊に車ごと突っ込んだことも。
峠越えで同乗していた車がスリップし、必死でサイドブレーキを引いた経験もあります。
こういう怖い体験をしていると、雪道の運転が慎重になりますが、中には平常時と変わらない運転をされる方もいて、「お願いだから事故らないで…渋滞になったら立ち往生するから…!」と祈るばかり。


◎はたひよどりは異世界

でも、私が暮らしているのはあくまでも市街地で、そんなの山間部の人にとってみたら楽なものなのかもしれません。活動をしている雲南市大東町の「はたひよどり」は、ガチでめっちゃ積もるし、一度積もったらなかなか融けません。

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驚くのが、自宅を出た時にはまったく、1ミリも積もっていないのに、玉造温泉を過ぎ、県道を山へと上がっていくと、ある地点から急に「え?別の国?」くらいの勢いで雪が積もっていること。

あまりの雪の量に車が埋まりそうになり、事務所へ行くのを断念したこともありました。

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↑ 積もってなくても、一度降り始めると30分もしないうちにこんな感じになる、の図。

また、事務所で作業をしているうちにどんどん積もってきて「これはヤバイ」と慌てて帰り支度をし、車の屋根に10センチくらい雪を積んだ状態で帰路につくと、玉造温泉へ出るころにはやはり1ミリも積もってなくて「…夢だったんだろうか」と思うことも。
「いやあ、やっぱりはたひよどりって別世界だね(いろんな意味で)」というのは、スタッフでよく話をします。

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ちなみに、「実は中山間地のほうが除雪への対応が迅速かつ除雪が上手なので、市街地より運転しやすい」というのがあるあるです。

さらに、古い空き家を拠点にしているため、冬場は水道管の破裂を気に病まなくてはいけません。実は過去に2度、水抜きをし忘れて管が破裂し、修繕していただいたことが…。湯沸かし器も一度破損しています。氷点下、恐るべし(と、こうして書いている間に「しまった、水抜きして帰るの忘れた」と思っている私…)。


◎灯油をめぐるUI(使い勝手)への不満

家に帰ると暖房をつけるのですが、灯油を入れるのがもう、本当にうんざりする…。

灯油をタンクに入れる行為に対するUI(使い勝手)が低すぎませんか?

「うちエアコンしかないんで」という方もいらっしゃるかもしれませんが、こっちでガソリンスタンドの灯油コーナーに行くと、軽トラに灯油缶を10個くらい並べて延々と給油してる人がざらにいます。

各部屋にファンヒーター、という家庭も多く、灯油をタンクに入れるたびに、あの「しゅぽしゅぽ」の管から落ちる灯油のしずく(うちでは「てきてき」と呼んでいる)と闘わなくてはなりません。灯油をこぼさずに元の位置に戻すのは至難の業です。

※モーターで自動で給油してくれる上位種もあるのですが、私は一度その「自動しゅぽしゅぽ機」を使っていて大量の灯油を畳にばらまいた経験があり、以来「機械は信用せん!!」と、頑固に手動しゅぽしゅぽを続けています。

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灯油が手についてしまったらもう大変です。「私これから料理をするんですけど!野菜を切らないといけないんですけど~!」と泣きながらひたすら手を洗いますが、においがなかなかとれないですよね…。
最近は「みかんの皮でこするとにおいがとれる」というのを聞いて、食べたみかんの皮をキープしておくようになりました。


…と、冬の憂鬱をいろいろと書き連ねてみました。雪と縁のない地域の方や、灯油を買う習慣のない方にはピンと来ないかもしれませんが、もし移住を考えている方がいらっしゃったら、ぜひ雪が積もっている冬の時期に一度お越しになることをおすすめします。


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ところで…山陰に限らず雪深いところでは同じかもしれませんが、毎年夏の終わりくらいから「今年は雪が降るだろうか談義」があちこちで交わされます。その時の判断材料が「カメムシが多いか」と「カマキリの卵」。

「今年はカメムシが多いですねえ…大雪だろうか」

「カマキリがこんなに高いところに卵を産んでた!大雪だ!」

という会話が、割と普通にあちこちで繰り広げられます。

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「カメムシ予報」「カマキリ予報」に果たして信頼性があるのかどうかは分からないのですが、こういう会話をしながらみんなで冬を迎える「心の準備」をする、ということが重要なんだと思います。共通話題でもあり、大切なコミュニケーションのひとつなんですよね。


さて、今年は私の肌感で言うと「カメムシ、ほとんど見ませんでした!」となり、雪は降らない、という予報になるのですが、オットいわくカマキリの卵がめちゃくちゃ高いところに産み付けられていたそうです。ラニーニャ現象が発達していることもあり、「いよいよ今年は降るんじゃないか」というのがこのあたりの皆さんの声です。

思い起こせば10年前…2010年から11年にかけての年越しに島根で大雪が降りました。「平成23年豪雪」と名前がついている(らしい)この大雪で、我が家は新築で設置したばかりの物干しスペースが崩落。

引っ越したばかりだったし「なんでやねん」と思いましたが、この時にご近所さんで協力してお年寄りのお宅の前を雪かきしたりしたことで、なんとなく地域の実情が見えてきたのでした。その時の経験を踏まえて自治会内防災の新ルールができたのも、今となっては良いことだったなと思います。

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もうあんな大雪は勘弁だけど、やっぱり降るのかな…本当に平地でも積もるのかな…。ああ憂鬱です。もちろん、スキー場など雪があってなんぼ、みたいなところにはじゃんじゃか降ってほしいのですが、平地は…平地はやめてほしい…。

来週にはネットショップの発送準備もあるため、本当に雪が積もると大変なので、積もるのはほどほどにしてほしい!積もってもいいけどすぐに融けてほしい!と、切に願っています…!

来週からの本格的な寒波、皆さまもどうぞどうぞ、お気を付けくださいね。

サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。