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「信頼できる人の推すもの」に勝るものはない。

年齢を重ねて、身の回りのものの好みもおおよそ変わらないので、何かを買う時にはすごく時間をかけます。今年買った炭酸水メーカーは5年くらいずっと迷っていたし、ソファも買い換えたいけど…と言い始めてからもう3年くらい悩んでいます。

でも、たまに勢いでぱぱーっと買ってしまうこともあり、「男前だね」と言われることも。

先日、翻訳家の村井理子さんがTwitterでおすすめしていた「市場かご風洗えるバスケット」というのを衝動買いしてしまいました。

村井理子さん、翻訳家としてはもちろんなのですが、連載されているエッセイや大型犬との暮らしぶりが本当に大好きで、日々のツイートもいつもファン目線で楽しみにしています。

村井さんはお仕事が忙しい時に限って買い物熱が上がるみたいで、よくおすすめの商品や買いたいものをつぶやいてくださるのですが、私はファンなのでそれにいちいち反応し「欲しいな~」と思ってしまう。

ちなみに「市場かご風洗えるバスケット」はベル〇ゾンの商品だったのですが、そこで買い物をするのはかれこれ15年以上ぶり。おすすめされなかったら一生出会うことはなかったんじゃないかな。樹脂でできているかごも、今までなら「本物じゃないじゃん」と見下してしまっていたかもしれないけれど、村井さんが「すごく便利、キッチンで使っている」とコメントされていたから、「私も欲しい!そうだ畑で野菜を収穫して入れたらかわいいじゃん!洗えるし!」と脳内変換され、つぶやきを見た20分後には注文が完了していました…。

「この人が言うことなら間違いがない」という絶対的な信頼がないと、こういう買い物はできません。

皆さんにはそういう「信頼できる人」、いらっしゃいますか?
「この分野ならこの人に聞いてみよう」という人が、いらっしゃるのではないでしょうか。

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私の場合…例えば、「本が読みたいな」と思ったら先週の「時々、コラム」にも書いた「とらねこ図書室」のキシノさんにアドバイスを請います。

また、野菜をたくさんもらって「どうやって食べたらいいんだ」と思ったときには、お料理上手な年上の知り合いに相談します。

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ランチやお惣菜などの美味しい店をよくご存じの方がおられて、教えていただいたお店にいそいそと出かけ、食べてみたらやっぱりおいしくて、嬉しくなることも。

お酒を選ぶときにはお酒好きな身内に。お酒が呑めないので自分ではまったく分からないから、誰かに贈り物をする時などに「これお値打ちで、案外おいしいよ」というようなアドバイスはとっても助かります。

いくらネットショップで「おすすめ」と書かれていても、身の回りにいて日々お酒を楽しんでいる人の方が絶対的に信頼できる気がするんですよね。

買いものでは失敗したくないし、料理もおいしく作りたい。

情報は周りにあふれているけれど、やっぱり「信頼できる人の推すもの」に勝るものはない、と思うのです。

そういう意味で、くらしアトリエが「シマシマしまね」という施設で「島根」に特化した活動を4年間行ってきたことも、少しは「信頼」というところにつながっているのかな、と思うことが増えてきたように感じています。

遠方にお住まいの方が土地の情報をいろいろと質問してくださったり、販売しているものを「絶対おいしいはず!」と購入してくださったりすることが、少しずつ増えてきたように思うのです。
「移住を考えているけど、実際どうなんでしょうか」と聞かれたり、「島根の焼き物でこういうものがありますか?」と問い合わせがあったり。
情報を得たい、という時に私たちのことを思い出してくださったのか、と思うと、めちゃくちゃ嬉しくなります。

だって、ネットで検索したらぱっと出てくるような情報ではなく、「くらしアトリエさんに聞いたら何かわかるんじゃないか」と思ってくださる、っていうことなわけですよ!嬉しいに決まってます。

何しろ、5年前に「シマシマしまね」をオープンさせるにあたり、私たちが掲げていた目標のひとつが「県内の各種情報を吸い上げ、精査することでコンシェルジュ的役割を担う」ことだったのですから(事業計画書から抜粋)。

自治体や公的機関が提供する情報と、私たちくらしアトリエが日々WEBで発信している情報には明らかに違いがあります。

それは、「ある意味偏っている」ということ。

自分たちが実際に使ってみて、食べてみて、会ってみて「いいなあ、応援したいな」というものや人を紹介しているから、平等じゃないし、「暮らし」に焦点を当てることが多いから情報も偏るのですが、だからこそ見ている方と同じ目線で、同じ気持ちでモノや人に触れることができるんじゃないかなと思うのです。

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私たちが扱う情報は、自分たちが発掘してきたものもありますが、信頼している方から教えていただいたことも多く含まれます。
「これおいしいよ」「ここの風景がすごく良かった」というような情報をいただき、私たちが見ている方々と同じ気持ちでわくわくしながら体感し、時には失敗もしながら、本当にいい!と思うものを精査してお届けする。

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くらしアトリエの立ち上げから15年以上、その積み重ねが少しずつ、「コンシェルジュ」という存在に、そして「信頼」という言葉に近づいているとしたら、こんなに嬉しいことはありません。

今は施設がクローズ中で、直接お客さまと情報交換をしたり提案をしたりといったことができないのですが、イベントの時や、移転後にショップがオープンした際には、また前のようにいろんな話ができたらいいなあ、と考えています。

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まずは11月のイベント「しまねの秋の、お楽しみ」から。

島根の良いもの、そして暮らしを楽しむためのうつわたちに会いに、いらしてくださいね。


サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。