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旅先の後悔から学ぶ~山陰のおすすめスポットを添えて。

あすから3連休、という方も多いのではないでしょうか。夏休みもそろそろ始まり、旅行の計画を立てていらっしゃる方もおられると思います。

私自身は、老犬を飼っていることもあって近年はなかなか遠出ができないのですが、旅行自体は大好き。

旅行好きなスタッフもいるのですが、旅先の話を聞いたりお土産をもらったりするのも、醍醐味ですよね。お土産を考えるのは私も大好き!自分のものを買うよりもわくわくします。

「旅の思い出」で今でもよく思い出すのが、「奈良の木の実のタルト事件」です。事件って言うほどのものでもありませんが…。

今から8年前、2016年にくらしアトリエスタッフ4名で「奈良研修旅行」に行ったときのことです。

当時、「シマシマしまね(2017年オープン)」のような「地域を楽しむための施設」を作ってみたいという思いがあり、私たちの憧れでもあった奈良の「くるみの木」「鹿の舟」を訪れるため、勇んで出かけたのでした。オーナーの石村由起子さんが、「地域」をとても素敵にプロデュースしておられるので、お店のコンセプトや実際の商品たちを、直接見てみたかったのです。

「くるみの木」で念願のランチをいただき(研修ではあるけれど、しっかり旅を楽しむことももちろん、忘れません)、そのきめ細やかさやおいしさに感動した私たちは、このままの勢いでケーキも食べるかどうか、迷っていました。カフェのショーケースにおいしそうなケーキがたくさん、並んでいたのです。

中でも「木の実のタルト」と名付けられたケーキがすごくおいしそうで、「くるみの木に来て木の実のタルトを食べるなんて素敵すぎる!」と大いに盛り上がったのですが、ランチですでにけっこうお腹いっぱいになっていた私たち。しかも、その日は当時石村さんが経営されていた「秋篠の森」のホテルに宿泊し、コースのディナーをいただくことになっていたため、「いま食べ過ぎたら晩ごはんが食べられなくなるんじゃないか」という不安がよぎってしまったのです。

4人で「どうする?」と悩んでいるうちに、いつの間にか「木の実のタルト」はショーケースからなくなってしまっていました。もたもたしてるうちに完売してしまったのです。

激しく後悔した私たち(というか、私)は、翌日に「鹿の舟」のカフェでタルトをリベンジしました。

すごくおいしかった!

すごくおいしかったのですが、「くるみの木」で見たタルトとは違う種類のお菓子で、「あの時のあのタルトには、もう出会えないんだな…」と思うと、悔しいやら悲しいやら。

以来わたしは、ケーキ屋さんやカフェで「木の実のタルト」という名前を見るたびに、反射的にオーダーしてしまうのです。そして、タルトと対面して思うのです。「…わたし、実はそんなにナッツ類好きなわけじゃないんだよなあ」と。

あの時は「くるみの木」さんで「木の実のタルト」を食べる、という「コト」に思いを馳せていたのですよね…。

そしてそれは、別のお店のタルトでは叶えられないことだったのです。この悔しさ、分かっていただけるかどうか微妙なのですが…。

タルトひとつにそんな執着しなくても…と思われるかもしれませんが、あの時、頑張れば全然食べられたのに、自分に制限をかけ、躊躇してしまったことが忘れられない。なんで思い切って食べなかったんだろう。

「秋篠の森」の朝食のひと皿。

夕食のことは夕食の時に考えればよかったじゃないか。めったに来られない土地のカフェで、胃袋の心配なんかして…(いや、お腹を壊したら元も子もないのですが)私ったらなんてもったいないことを!と、あの時の自分の所業をずーっと後悔しているのでした。もはや、トラウマですね…。

旅の後悔ナンバーワンはダントツでその「木の実のタルト事件」なわけですが、他にも、主に食べ物関係でしょんぼりした経験はいくつかあります。

ちゃんと事前に調べなかったために、思うようにランチのお店が見つからず、結局ファストフード店で食べてしまった時の虚しさとか。
あるいは、おいしい朝食が食べたかったのに、結局ホテルのぱさぱさのパンとうっすいコーヒーを食べる羽目になってしまった時の虚無感とか。分かっていただけるでしょうか。

旅先でしか食べられないものや、人気のお店、というのももちろんなのですが、「自分が好きなにおい」みたいなのをまとっているお店がどの地域にも必ずあって、そんなお店を事前に見つけておくと後悔が少ない、というのは、SNSが発達してから特に感じることです。

Instagramを見れば「行列ができるお店」とかはすぐに探せるけれど、そうではなく、自分が「好ましい」と思う、アンテナに引っ掛かるポイントがいくつかあるのです。

具体的に言うと…たとえば、

・シンプルなインテリア
・清潔感ある店内
・流行りものではなく考え抜かれたお店のロゴ(おしゃれ、とはまたちょっと違う)
・見ための美しさだけではなく、「おいしそう!」がちゃんと伝わる料理
・お店の方の対応がちょうど良い
・できるならその地域のお野菜や果物を使った料理があって、地元のうつわが使ってあったりとか

……つまり、そこ「ならでは」を感じられることを、やっぱりすごく重要視します(細かすぎ!)。

流行の食べ物や、その時舌で「うまい!」と感じられることも大切ですが、お店のたたずまいそのものから「いいなあ」を感じられる、そういう「自分の好きに近い場所」を旅先で見つけられたら、本当に幸せですよね。

スタッフのひとりは、出かけた先の金沢で偶然そういうお店に出会い、2回も通ったのだそうです。分かる!
お気に入りのお店を旅先で偶然見つけたら、嬉しくて通っちゃいますよね。

今は情報が溢れすぎていて、逆に探すのが難しくなっている気がしますが、島根・鳥取のおいしいものだったら、私たちのInstagramやnoteでご紹介しているお店はどこもおいしくておすすめ。以下の記事を参考にしてみてください。

記事は以前のものになりますので、メニューや営業日など、再度ご確認くださいね。どこも、きちんとおいしくて、お店のたたずまいが本当に素敵で、かつ、ちゃんとくつろげる、そんなお店たちです。

それから…先日出かけて、まだご紹介出来ていなかったのが、鳥取県琴浦町の「鳴り石の浜」にあるカフェ「jifukel」さん

青い海、青い空を眺めながら、おいしいコーヒーやプリンなどのスイーツをいただくことができます。素敵でしょ?
この「鳴り石の浜」というのが、海岸線にまーるい石がごろごろと積み重なっていて、浜に波が打ち寄せるとカラコロときれいな音がする、という、とても珍しい場所。

実は、私のふるさとでもあります!

「鳴り石の浜」は少し前から地域資源として地元の方々が磨き上げてきたスポットなのですが、ここに素敵なカフェが一軒できたことで、より多くの人々が訪れるようになったんじゃないかなあと思います。

もともとは写真館だった建物を、少しリノベーションしてあるのですが、主役は海!とばかりに、大きな窓からきれいな海が見えます。窓辺の席はまさに、特等席。
コーヒーもこだわりの味で、どんな産地なのか、特徴などもていねいに説明してくださいます。

この建物の下に、「鳴り石の浜」があります。この日はすごく暑かったのですが、時おり風も吹いていて、気持ちの良い空気が流れていました。

海岸線に降りるとこんな感じ。

もともと、ゴロタ石(礫石)と言われる楕円形の石が集積し、波の満ち引きに合わせて石がぶつかり合う、というスポットだったのですが、おそらくどなたかが石を積み始め、何個積み上げられるか、みたいな感じでたくさんの方が積み上げておられて…。

ちょっと、賽の河原みたいになっていました(涙)。いや、アートスポットと言ったほうがいいかな?
きれいな音がするのと、面白い石がたくさんあるのとで、スタッフは大感動していました!ふるさとの海を楽しんでもらえて、嬉しかったな。

この「鳴り石の浜」、7月14日にお祭りが予定されているそうなので、よかったら出かけてみてはいかがでしょうか。先ほどのjifukelさんも出店されるそうですよ。


もちろん、ほかにもおいしいお店、素敵な場所が島根・鳥取にはたくさんあります。私たちのように後悔することがないように、計画をしっかり立てつつ、偶然の出会いも楽しみながら、旅行を満喫していきたいですね。


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