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おすすめの本(なんだかお腹がすいてくる本)エア「山の図書室」の本棚から。

今日のコラムはエア「山の図書室」の「おすすめ本」の第2弾です。

前回はエッセイ編でしたが、今日はちょっと目先を変えて「レシピ本ではないけれど、読むとなんだかお腹がすいてくる本」というチョイスで4冊ご紹介します。

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※お腹がすくかどうかは完全に私の主観です…。

ご自宅で過ごす時間が増えて、よしこの機会に本でも読んでみるか、という方も多いかと思います。そんな方のちょっとしたお手伝いができれば幸いです。

1冊目は、宮本輝著「にぎやかな天地」。

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宮本輝さんの本は、本当に食に対する探求心の深さというかこだわりが随所から伝わってきて、読み終わってしばらくすると書いてあった食べものの記憶が先に出てくるほどです。ご本人の体験とリンクしている部分も多いんだと思いますが、なんというか執着心というか追及する目線が独特で、すごく面白い。

くらしアトリエスタッフは2人とも宮本輝作品が好きで(フラットな気持ちでさくさく読み進められるから)、あらたか読んでいますが、この「にぎやかな天地」はテーマがズバリ「発酵」なので、酵母や醸造などに興味がある方は必読!だと思います。

ぬか漬けが作りたくなる…家にある調味料をもう一度見返したくなる…そんな、生活に変化を起こしてくれるという意味でも、おすすめの本です。

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宮本輝作品でもう1冊、「水のかたち」も素敵な小説です。人生の折り返し地点を迎えた女性の生き方…という視点でも得るものが多い(とても出会いに恵まれた女性ではありますが)のですが、こちらも主人公の食へのアプローチ、特にご主人の糖質制限についての描写は興味深いです。健康のあり方についてもちょっと考えさせられました。


2冊目は、村上春樹著「ダンス・ダンス・ダンス」。

村上春樹作品は好き嫌いがあると思います(ちなみにくらしアトリエスタッフIは受け付けないタイプ)。私は、物語の内容は受け入れられない部分もあるけれど、とにかく文体がすごく好きで、大学生の頃はめちゃくちゃハマって読んでいました。

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村上春樹の小説を読むと、目の前に1つ「村上春樹フィルター」ができるんですよね…アクション映画を観た後になんだか自分が強くなった気がするのと同じ現象だと思うのですが、スラスラと文章が書けてしまうような気になる。実際は全然書けないのですが…。

で、「ダンス・ダンス・ダンス」にもシンプルなパスタとかおつまみとか、いろんなお料理が出てきますが、材料もレシピも(おそらく)すごくシンプルで、そのシンプルさがまたカッコいいなあ…と思っていたのでした。

今読み返すとちょっとこそばゆくて照れてしまいそうですが、料理がおいしそうな本といえばやっぱり村上春樹。ジャズでも流しながら、Tシャツとデニムを着てお料理したくなりますね(笑)。


3冊目は、今年に入ってようやく読めた、柚木麻子著「BUTTER」です。

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「すごい本だ」と評判になっていて、ずっと読みたかった本。とある犯罪事件をモチーフに描かれている小説です。出てくる料理がどれもこれも、まあ濃い、重い。たらこスパゲティ、バター醤油ごはん、七面鳥のローストなどなど…。バターに執着する(決してマーガリンではない:ここが大事)登場人物と主人公の関係性の変化が、何というか粘っこくて、読み終わった後は謎の胸やけが起こりました。さらさらっとお茶漬けでも食べたくなる、逆の意味でお腹がすく本、と言えそうです。

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本を読む動機は人それぞれ。たまにはこんな不純な動機で本に手を伸ばすことがあってもいいんじゃないかな、と思い、選んでみました。

皆さんのおすすめ本も聞いてみたい!サークル「くらしの学校 オンライン」でも、本についての宿題を出してみようかと考えています。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。


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