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時々、コラム。

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1週間に一度程度更新していきます。 島根で活動するNPO・くらしアトリエが考える「未来を見据えた暮らし方」。 明るく、時に凛として未来に向かい、素敵に歳を重ねられる島根でありたい…
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#地域づくり

誰も頼んでない…のに勝手に応援シリーズ:津和野町「ざら茶」の魅力を紐解く!

くらしアトリエは今までも何度か「勝手に応援」と称し、何の見返りもないのに勝手に特定の商品や企業のPRをさせていただいたことがありました。 なぜなら「いいものがある」と思うだけで、この土地に暮らすのが楽しくなるんじゃないか、と思っているから。 あるときは山陰を代表する乳業メーカー、「白バラ牛乳」こと「大山乳業」さん。 またあるときは、島根県唯一の私鉄である「ばたでん」こと「一畑電車」。 そしてまたあるときは、あまりに浸透しすぎていてローカルフードだということを知らない人

「天国に一番近い里」から学ぶ「続ける」ということの意義。

今年も行ってきました、「天国に一番近い里」。 何のこと?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。「天国に一番近い里」とは、島根県邑南町口羽の川角(かいずみ)集落でこの季節に楽しめる、ハナモモと菜の花が咲き乱れるスポットのこと。 白・ピンク・赤のハナモモ2000本に、黄色い菜の花…まるで桃源郷のような風景が広がるため、「天国に一番近い里」と名付けられているのです。 くらしアトリエスタッフは、季節の花々を追いかけて山陰をあちこち動き回っているのですが、特にこのハナモモの風

地域づくりに「正解」はない。あるとすれば…

地域づくりに「正解」はない。あるとすれば、「住民の方たちが一生懸命考えた結果」が正解に一番近い形、なのではないでしょうか。 かつて活動していた「はたよどり」という地域に出会うまでは、「地域に賑わいを」が正解で、それが地域づくりや町おこしなのだと思っていました。 今日の「時々、コラム。」は、私たちの活動の原点であり、方向性に気づきを与えてくれた場所について綴ってみたいと思います。 今週、ふと思い立ってかつての事務所があった雲南市の「はたひよどり」へ出かけました。 2021

たとえそこにいなくなっても、花は咲いていてくれる。

先日、お天気の良かった日に、かつての事務所があった雲南市大東町の「はたひよどり」を訪ねました。 毎年春になると、地区内にある「畑展望公園」で早咲きの桜が咲いたり、オオイヌノフグリなどの野の花が咲き誇ったりして、「桃源郷」のような風景が広がります。 移転してからは、季節のうつろいを知る機会も減ってしまったのですが、どうやら今年は春が早く来そうだ、ということで、いつもよりも少し早めに出かけてみたのでした。 桜は見ごろをやや過ぎた感じではありましたが、まだまだきれいな濃いピン

発信も地域づくりも「消費型」でありたくない。(15回目の総会を終えて。)

先週末、NPO法人くらしアトリエの定期総会を開催しました。 昨年度行った事業や決算について報告し、また新年度の事業計画や予算について承認を得るための会議で、すべてのNPO法人に義務付けられているものです。 2007年に法人化しているくらしアトリエ、今回の定期総会が数えて15回目の、ちょっとした節目を迎えました。 15年前、スタッフの子どもたちもみんな幼く(当時はまだ生まれてない子もいる)、打ち合わせや制作には子連れが必須でした。大変でしたが、今思えばなんだかんだ言ってそっ

なぜNPO法人という道を選んだのか。

今日のタイトル、私たちにとても良く聞かれる質問なのです。 ショップも運営していて、「暮らしを楽しむ朝市」のようなイベントもやっていて、デザインの仕事もしている、それの主体がNPO法人だと分かると、びっくりされることも多々あります。 なので、今回のコラムでその経緯を書いてみたいと思います。 私たちくらしアトリエは、2005年3月にスタートし、さまざまな活動を経たのち、2007年11月に「地域づくり」の特定非営利活動法人(NPO法人)として新たなスタートを切りました。 ※法人

温度差があってもいい。結局、地域づくりは「自分ごと」が出発点だと思う。

先週のこと。 久しぶりに1日予定がなかったのですが、県外に暮らす娘から「食料を送ってほしいな」という連絡が来たので、どうせなら島根のおいしいものをいろいろ用意しよう!と思い立ちました。 まず、出雲市の「くるみ市」さんで新鮮な旬の野菜と、おいしいと評判を聞いた柑橘を購入。隣接する「パンと焼き菓子」さんで、オーナーさんに「県外に送るんですけど、このパンって日持ちしますか?」と相談しながら、これまたおいしそうなベーグルやパンを購入。 帰り道に斐川町の「鹿糠」さんの工房に伺い、塩

キラキラしてるって言われてびっくりして考えたこと。

先日開催したうつわイベントのマーケット、予約制でかなり余裕を持った人数設定をしていたため、時間帯によっては(距離をとったうえで)ゆっくりお客さまとお話する機会がありました。 施設に来てくださっていた方や、SNSではいつも見ていたけど実際にお会いするのは初めましての方など…直接、というのはこういう感じだったなあ、と遠い記憶がよみがえりました。 そのさなかに感じたことが、今日のコラム。 「くらしアトリエ」としていろんな方とお話をしていると、特に女性から「いろんなことをされて

ひとりで楽しむことの価値。

3月くらいから、自分たちならではの「ニューノーマル」のあり方をいろいろと考えてきましたが、そのうちのひとつが、より多様性が認められる社会になるのかも、という期待でした。 具体的には、「ひとりでいることが良しとされる社会になるのかな」という期待です。 「大勢で楽しむ」ことと「ひとりで楽しむ」ことは、これまで同じ価値を持ってなかったように感じていました。 すなわち「大勢で楽しんだほうがいいじゃん」という圧が、ひとりが楽しい人々に少しずつストレスを与えているんじゃないか、とい

「素敵なものは、素敵。自虐ではない伝え方で。」について考えていたら、もう一歩進みたくなりました。

2月21日に綴ったコラムについて、あらためて自分たちが思う島根の魅力、のようなことを書いたのですが、いろいろと反応をいただきありがとうございました。 この、「素敵なものは、素敵と言おう。自虐ではない伝え方で。」という考え方は私たちくらしアトリエの芯の部分にずっと息づいているものです。 私が子どもの頃、田舎は確実に都会より下に位置付けられていました。どこの出身なのか…すなわち「どこに属していたのか」はコミュニケーションをとるうえですごく大切なことで、東京がとにかく一番。ゆる

「いいこと」や「変化」を自ら取りに行く場所になりたい。〜「てこ」の役割

2018年の「シマシマしまね」のオープンも残りわずかとなりました。もちろん、12月1日以降も活動は続き、お楽しみ便を始め、冬の間も何か楽しいことを…!と考えています。でも、施設がクローズとなるのはやっぱり、寂しいですね。 先日この「シマシマしまね」の事例をもとに、地域づくりや社会活動をする人たちを対象とした「成果の導きだし方ワークショップ」が行われました。 そのようすはこちらからご覧いただけます。 「成果」と一言で言ってもいろんな切り口があって、それを知っておくだけでも

静かなる熱を持った人たちへ。

世の中には、よく目を凝らさないとそこにいるかどうかわからない人、というのが確かに存在しているのだ、ということを、活動を通して感じるようになりました。   いわゆる「地域づくり」的な活動をしていると、さまざまなジャンルの方に出会いますが、多くは何らかの意志を持って自ら行動している人たちです。いわば、「初めから見えている人」。 デザインのお仕事を介してお会いする人たちも、SNSでつながっている方も、皆さん初めからどこにいるかちゃんと見えている人たちです。   でも、活動を続け