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旧端午、雨に濡れる青葉は活き活き

旧五月五日。旧暦の端午です。空を泳ぐ鯉のぼりも、和菓子屋さんの柏餅も、花屋さんの菖蒲の葉もありませんが、五節句の行事は旧暦でお祝いしましょう。

商店街で旧端午の目前、にわかに店先を賑わすものがありました。中国食材店では、半月ほど前から、粽を作るための葉が並び、扉には「粽予約受付中」の告知が貼り出されます。

上海で暮らしたことがあるため、こうした中国人向けの食材店の匂い好きで、よく買物をします。この時期になると、店それぞれに手作りの粽を売るようになります。やはり、出来合いのものより手作りのものが美味しいです。トップの写真は、4日前に新小岩で買った粽です。もちろん手作りで、棗入りと、豚肉と塩卵の黄身が入っています。大きさは握り拳くらいですが、餅米がぎっしり詰まっていて食べ応えがありました。

中国の端午節では、粽を食べる以外に、戸口に菖蒲や蓬の葉を飾り、邪気の侵入を防ぐ風習もあります。端午節が過ぎると、この葉を燃やし、殺虫効果が期待できる煙を家の中に送り込むところも見ました。衛生環境が悪くなる雨季に、無病息災を願ってきた伝統なのかもしれません。日本の菖蒲湯や、柏餅も、こうした風習が転じたものなのでしょう。

旧端午の今日、香菜(パクチー)、紫蘇、芹、三つ葉、蓬、ミントなど、香草を活用したメニューで邪気を祓ってみてはいかがでしょうか。

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