YELL FORデザインよもやま話〜メインビジュアル・ロゴマーク編〜
鳥取県でデザイン・アート×教育・支援・対話を軸に活動しているクラタです。YELL FORというプロジェクトに参画してから約1年が経ちました。WEBサイトのリニューアルに併せて、1年間デザイン併走した軌跡を数回に渡って綴っていきます。
初回は、メインビジュアル・ロゴマーク編です。
YELL FORについて
YELL FORは、「仕事がめぐる、前へすすむ」をサービスコンセプトに、企業の広報・事務などの業務をアウトソーシング出来るサービスです。子育て中の女性をはじめ鳥取県を中心としたメンバーで「リモートチーム」を組み、離れていても近くにいるかのような絶妙な距離感で、お客様の事業・組織の前進をサポートしています。代行業務の99%をリモートで対応することで、仕事のやり取りを通して社内のデジタル化が着実に進んでいきます。
2022年3月31日にサービスサイトをリニューアルしましたので、下記URLより是非ご覧ください。
参画のきっかけ
2021年3月ごろ、YELL FOR運営団体であるNPO法人bankup代表の中川玄洋さん(以下、玄洋さん)にお声がけいただいたのがきっかけでした。当時の私は、前職を任期満了退職することが決まっており、次年度からの身の振り方を決めかねていたのです。前職で携わっていたアートマネジメントやこれまで生きていく中で培ってきたデザインを軸にしたい気持ちを抱きながら、心身が本調子ではなく、仕事や生き方をどうしていくべきかと。
そんな話を玄洋さんとしながら「YELL FORというプロジェクトをよりよくしたい。“仕事がめぐる、前へすすむ。”がこのプロジェクトの軸でもあるので、関わっていく中でクラちゃんが前へすすめるきっかけになると嬉しい」といったようなことを言っていただきました。「いっぱい失敗してきた自分だからこそ伝えられる何かがあるかもしれない。声をかけていただいた嬉しさをしっかり表現したいな」と思い、YELL FOR事業責任者の藤吉航介さん(以下、藤吉さん)との面談を経て、メインビジュアル・ロゴマークやWEBサイト(リニューアルに伴い閉鎖)を皮切りとしたYELL FORデザインの併走を担うことになりました。
きっかけとしては前述した通りですが、bankup玄洋さんと藤吉さんの人柄や話しやすさであったり、お二人それぞれの仕事の仕方、コーディネーター的な役割を自分自身がしっかり会得したい思いもあり、やりとりする中で自分がレベルアップするかもしれないぞ!刺激を受け続けたい!とワクワクさせるものがbankupやYELL FORから滲み出ていたのが決め手だったな、と振り返って改めて感じているところです。(また、私の大学同期から、藤吉さんが鳥取に来られる前に勤めていた職場で一緒だったと話を聞いてたこともあり、事前のやりとりは少なかったものの藤吉さんに対して安心感を抱いていたのも決め手の一つでした笑)
手探りの中で生まれたアイデア
そもそものYELL FOR原点は、新型コロナウイルス感染症の影響です。「経済的な影響を受ける学生・若者が増えつつある状況で“学生人材バンク”(現:NPO法人bankup)として何かしよう」と考えた玄洋さんと藤吉さんが立ち上げたのが2020年8月のこと。それ以降から現在に至るまで、まだまだ「働きづらい」状況が続いていたり、YELL FORプロジェクトを続けるための道筋がみえたこともあり、「メインビジュアル・ロゴマークやWEBサイトを作り、このプロジェクトに参画してくれるメンバー(アルバイト雇用)を募集しよう」という中で私が参画することになったのです。
立ち上がって半年ほどYELL FORはまだまだ手探りの中で進めているプロジェクト。デザイン制作を進めるため藤吉さんから「YELL FORはどんなイメージなのか」と言語化やイメージ図を用意していただき、それを元に対話を重ねていきました。
現在のYELL FORカラーとしても使用している「東雲色(しののめいろ)」は当初から大切にしていきたい核として存在しました。「夜が明け始めた明るい黄赤色をメインカラーとしたい」ということは対話を通して藤吉さんと私の共通認識となりました。それ以外に「めぐる」という言葉が私の中で大切にしていきたいキーワードだと考え、それを表現出来ないかと手を動かしてみることに。
「YELL FORの“L”って小文字・筆記体にすると“めぐる”に繋がるかも?!」というアイデアが今のロゴマークへの着想です。繋いで描くことで循環をイメージしていましたが、キャラクターの顔にも見えてくるし、2人並び互いにガッツポーズをとっているようにも見えてくる。他のアイデアもありましたが、早い段階からこの案でロゴマークが詰めれると良いな、という気持ちを持ちながら制作を進めていきました。
メインビジュアル・ロゴマークへ落とし込む
素案やアイデアを藤吉さんに伝え対話を重ねながら、メインビジュアルに「東雲色」を使用し、ロゴマークは「東雲色」がなくてもYELL FORだと認識出来るものとするため先述した“L”小文字・筆記体を含むシンプルかつ単色で表現されたものを作ることになりました。noteカバー画像にもなっているのでご存知の方もいるかと思いますが最終的な完成形がこちらです。
じんわりにじんだ温かみのある背景に白いロゴマークを乗せたこのメインビジュアル。背景は「東雲色」とYELL FORサブカラーとして使用した黄色と「東雲色」に赤みを足したようなピンク色を水彩のように混ぜて表現してみました。温かな空気や人体、血が通った巡りを表現したいな、ということを意識しながら手を動かして出来上がったものです。
また、ロゴマークについては、プロジェクト内部で使用することを想定し、以下の資料を作成しました。左にロゴマーク、右にYELL FORで使って欲しい3色を配置したものです。
ロゴマークは、アイデアを清書し細かい調整を加えた上で現在の形となりました。お気付きの方も多いかと思いますが、ロゴマークは非対称で、半分に折り畳んだとしても重なることはありません。これはアイデア部分で「2人並び互いにガッツポーズをとっているようにも見えてくる」ということを取り上げましたが、この並んだ2人というのは互いに個性があり、プロジェクトを通して同じ方向を共に見て、共に進むパートナーだと考えたためです。「対称性のあるものではなく、傾けたり繋がりを癖のある形にして個性を表現したい」という思いを込めました。
YELL FORカラーパターンについては、メインビジュアル背景で使用した3色を並べています。表現をする中で決めた3色ですが「YELL FORの軸である“仕事がめぐる、前へすすむ。”という言葉を表すために寒色は使わず暖色でまとめたい」という考えが当初からあり、意識的にパレットから色を選んでいきました。
この資料を活用しながら、1年間でさまざまな制作物が生まれました。意図を組んで表現していただいたYELL FORメンバーやパートナーデザイナーの皆さまに感謝です。
嬉しい広がり巡る思い
こういった過程を経て出来上がったメインビジュアル・ロゴマークは、WEBサイトやnoteバナーでお披露目されつつ、YELL FOR内部でも活用されていきました。コミュニケーションツールとして使用しているSlackのアイコンやプレゼンテーションでの資料。他にはこんなものも。
当初は手探りの中で制作していたこともあり、生み出したものがYELL FORというプロジェクトを通してメンバーに浸透し、愛されていることを目の当たりし、熱く込み上げるものがありました。表現の礎を築いた身としては、大変嬉しく感じています。温かな空気感がYELL FORに関わった皆さまにも伝わっていれば幸いです。
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