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探究を乗り切りたい先生のための「探究のカンペ!」

以前書いた記事「探究が面倒・何もできることがない先生たちへ」の続編です

とりあえず、これだけ手元にメモしておけば、汎用的に生徒へのフィードバックができるし、探究をまわせる先生になれます。お得です。有料級なのですが、今回も無料公開です。

基本的なコンセプトは、前回と同様で以下の通り。

「先生たちは何もしなくていいんです」
「考えるのは生徒がやればいいんです」
「生徒自身が自分で納得していればそれで充分です」

今回も4つのシーンについてピックアップしてみました。

シーン:グループワークの停滞

まずは至極普通のことを書きます。でも、これを対話でやることで、受け身でしかなかった指示に対して頭が働き始め、少し引き出せます。

  • (怒ってないよ~って口調で)今、何をするのかもう一回確認して!

  • 君はどう思う? どう考える? それ書いておいて!

  • 他の人!! 今の話について別の表現ないかな?

最後、別の意見を求めると反論になったり、違う観点を出さねばならないと思ったり、生徒の関係性によって意見を出しにくかったりします。
 そこで、表現だけ自分のものに変えてもらいます。ほんの少しだけ意見を出しやすくなりますし、自分のものになります。単なる同じ意見というのではなく、捉えなおしです。
 実はこれ、会議で面倒なタイプの人が、人の意見を横取りする厄介な技だったりもします。「つまり、こういうことだね・・」って、言い直してるだけじゃん!! でも、ここではそれでいいんです。


シーン:振り返りが定型文で、フィードバックも同じ言葉を書き続けて飽きてくる

これも同様で、受け身でしかなかった指示に対し、対話にすることで思考を促します

  • これをやるのに、最初はどうしたかった? どこまで行こうと思った?

  • 結果やってみてどこまで出来た? どこまで行けた?

  • 過去の自分にアドバイスするとしたら何を伝える?

振り返りを反省会と勘違いしている生徒が多いので、ポジティブになれない子が多い気がします。なので、まずは物事をポジティブに表現するよう言い換えをしてあげましょう。
 また、「思ってたよりも難しかったので出来なかった」って常套句が出てきてチェックする私たちが疲弊してしまいます。
 そこで、事実を確認する2ステップと、過去の自分へのカンニングペーパーを作らせる形に変換してあげます。結果、実質的な振り返りに昇華しています。


シーン:レポートに時間かけすぎ。とりあえず第1稿にたどり着いてほしい

(これは私の失敗をもとにしていますので、ちょっと解説も長めです)

ほぼ全員が、何を書けば良いのか迷い、手が止まるのは必至なレポート作成。背景目的→手順→結果→考察・・と大枠を示したところでそうなります。

私なら1コマあれば書けるような分量を、生徒は10コマくらいかけて書くことでしょう。もちろん経験値や語彙の問題の部分はあるとしても、どのように考えを巡らせればレポートになるかわからなければ当然です。

そこで、以下の投げかけです。

  • とりあえず、今までの出来事を目次として全部並べてみて

  • 説明するのに不要なものは線を引いて消して(見え消しで)

  • 手に入れたデータ、情報、トーク内容は全部入れて増量材にしちゃって

  • 盗作だけはマジ勘弁× 記事名と作者を書けば△~○

レポートの形式の方針はいろいろあると思いますが、どんな表現を最終的に求めているにしても、ポートフォリオとして、目の前に広げてもらわない限りサポートできないので出来事の目次はやってもらいましょう。

目次のなかで、関係なさそうなものを消していきます。関係あるものを拾うことにすると、あれもこれもと、頭の中がいっぱいいっぱいになってしまいます。(人が一度に頭に止めて置ける物事は、7+-2といいます(5~9個。マジカルナンバー7というやつです。)

分量が書けないことを悩む(書くことがないと言う)生徒も多いです。しかし、何の資料も使っていない、手に入れていない、ということはないでしょうから、ひとまず増量のためというずる賢さの提案に見せかけ、データを入れ込んでもらいます。
これは、関係資料が掲載されず、卒業してしまって永遠にその情報は消し去られてしまうというリスクを回避したい意図です。

また、参考資料のURLだけを掲載する生徒がほとんどです。定型文のようにフィードバックするのが苦痛なので、盗作というダメなことを意識させて、こればかりは正解の形を教えます。

これも、信ぴょう性の確保以前に、記録として有効にするためのリスク回避です。インタビュー相手など、かかわった人への謝辞は、将来的にも協力を仰げる可能性のあるリストとしての価値がありますので、同様に記録してもらいましょう。


シーン:教室でPCとにらめっこばかりでフィールドワークに行ってくれる気がしない

まずは、先生自身はアンテナが低くてもいいので、学校に来たチラシがなんか関係しそうだったら、生徒にとりあえず渡してみることです。大人に伝えるみたいな意義とか教育効果は横に置いておいてよいです。

でも、一番効くのは、外に出てうまくいった!楽しくなった!面白かった!というエピソードが話せる先輩の力を借りるのが手っ取り早い。上級生を呼び込んで、彼らに任せてみましょう。

その後の、見つける・紹介するは、大人の人脈を見せつけてやってください! いくら知り合いが少なくても、同級生にはいろんな進路や得意分野がある人がいたはず。なんなら、卒業生でもいいです。


いかがでしたでしょうか。
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