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エッセイ集

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#人間関係

雨の日は気が沈まないといけないと考えたのは誰だろう

雨の日は気が沈まないといけないと考えたのは誰だろう

テンポの遅くなったピアノが音を奏でる。明るかった登場人物が、気分を落とし始める。シリアスなシーンが流れ始める。

これらすべて、雨が関わっている。

決まりきったかのように、登場人物の気持ちを天気が察したかのように、それはそれは当然に雨雲がやってくる。海水の温度が上がり、蒸発し、それが大気で冷却されるだけの行為に人々の心は動かされてしまう。

こうだから、こういう気持ちだという文化的慣習が成立して

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夜明け前という背徳感。

夜明け前という背徳感。

夜遊びしている人間は、人生を楽しんでいるというか、背徳感があるというか、何か後ろめたさを感じたくなることのイメージが常に付きまとう。一方、朝早く起き物事に着手している人はいかにも健全で真っ当な人生を送っているのだという偏見がある。

一つ言いたい。もっと早起きすることの背徳感を知ってほしい。皆が寝静まっている間、淡々とすべきことをするという狡猾さ。それはある種、許されざるフライングのようなものだろ

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