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みどりのゆび

green thumb とは、ガーデニングの才能に長けていること イギリスはgreen fingers かしら? どちらも、園芸の達人のことですね。
今日は、夏の読書感想文ってところ…

『みどりのゆび』モーリス・ドリュオン作 のことを教えてくださったのはnote記事に嬉しいコメントをくださる re-chanさん💕

re-chanさんは、ご自身の記事の中でもたくさんの本を紹介していらっしゃいます!どんどん読みたい本が出てくるのですが、直接、私の記事にコメントくださった『みどりのゆび』を最優先しました💦


この本、どうして今まで読んでなかったの?私、って思いました。
植物のパワーが、戦争をも止められること…今こそ世界中で読みたい本です。

主人公のチトは、自分にみどりのおやゆびがあることを知り、植物を茂らせ花を咲かせ、街中の問題を次々と解決していきます。
チトは、とても賢くて、本質を見抜く力が素晴らしいです。

「かなしい心には、ぼくなんかたいして役に立たない、ってことを勉強しました。病気がよくなるためには、生きるのぞみをもつことがたいせつだって、わかったんです。先生、希望をもたせるくすりって、ないの?」
モディベール先生は、こんなに小さな少年が、こんなにかしこいのを知って、びっくりしました。
「きみは医者が知らなくてはならないいちばんたいせつなことを、ひとりきりで学んだんだ。」

「みどりのゆび」モーリス・ドリュオン作 安東次男訳

裕福な家に育つチトは、8歳までに母親から読み書きや割り算までの算数を教わります。その後、学校へ通うのですが、なんと3日で退学させられるのです。そこで、父親が実社会での学びをする新たな教育法を選択します。
そして、庭の勉強をする中、自分のおやゆびのことを知ると共に、チトの運命を決める庭師のムスターシュと出会います。

8歳くらいの子供が、大人達の解決できない問題を解決していくお話は爽快です。
子供の方が、純粋で行動力があるのは…お話の中だけのことではない気がします。


私が幼稚園に入る前だったと思います、嫁姑問題なんて理解できない子供の時でした。おばあちゃんがどうして二人いるか、一緒に住むおばあちゃん時々しか会えないおばあちゃんの違いが分かりませんでした。
ある日、祖母の前で母が泣いていた(ように記憶しています)…咄嗟に、私は祖母に甘えるふりをして抱っこをせがみました。
抱っこして欲しかったのではありません。母を泣かせているのが祖母だと分かったから、祖母の気をそらすにはどうしたら良いのか 考えての行動です。
一瞬、母が寂しい顔になったのもの見逃しませんでした。母にとってみたら、自分の味方をしない娘だと感じたかもしれません。
でも、私はここで自分が母にしがみついて祖母を睨みつけでもしたら…もっと母がいじめられてしまうと判断したのです。
祖母は、母の洗濯物だけ残して皆の洗濯物を取り込むような意地の悪い人でした。幼くても、私は見て知っていました。
そうです、子供でも観察して、物事を正しく判断できるのです。社会のことを知らないような小さな子でも。
だから、主人公のチトが社会問題を解決する姿を作り話のようには感じませんでした。

この本は、そんな幼い頃の自分を思い出すことも出来ましたし、植物のパワーは人類を助ける力があると思える素敵な本でした。
re-chanさんに感謝です!本当にありがとうございました。

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