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ぼくらとサシコギャルズ

こんにちは。藤原です。
4ヶ月ぶりのnoteです。
怒涛の4ヶ月でしたが、遂に皆さまにご報告ができます!!

人を突き動かすのは、いつだって”想い”だとぼくは思っています。
アパレルをはじめて12年、法律との二足の草鞋も10年続けばどちらも本職。
だからマーケティングやPR、最近ならオンラインストアの分析とか。
それなりに理解も活用もできるようになったと思います。
だからこそ、最後に人を動かすのは、人の想いだと思っています。

今回のnoteはこの10年の集大成と、これから100年続くはじめの一歩。

本日からクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」にてプロジェクトを立ち上げました。今はプレオープン中で、実際にご支援いただけるのは3月11日からです。
できれば、このnoteを最後まで読む前に、いったんキャンプファイヤーをご一読いただけると嬉しいです。

それではのちほど!

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いかがでしたでしょうか!!

キャンプファイヤーでは「サシコギャルズ」中心の語りになっていますが、こちらはKUON公式noteなので、KUONとしての立場から書いてみたいと思います。


【KUONとサシコギャルズ】

キャンプファイヤーでも述べていますが、ぼくと大槌刺し子の取り組みも12年目です。KUONでは立ち上げ以来8年続いています。
元々は漁師さんの奥さんなどであったお母さんたちが、震災をきっかけに刺し子をはじめて13年。今では刺し子職人として日本屈指の実力を持つまでに成長しました最近では上手くなりすぎて機械刺し子と区別つかなくて「もう少しウマ下手でお願い」と言うことも。

そんな彼女たちですが、近年は色々な課題を抱えていました。

これまでも「こうした方が良いのでは?」など、その時々で相談に乗ることはありましたが、じっくり腰を据えて話したのが、昨年4月にKUONのお店で開催したワークショップでした。

これからの大槌刺し子のこと、刺し子さんたちの生活、刺し子という技術の未来、などについてたくさん話し合いました。
ぼくは12年間、ずっと、大槌刺し子には可能性しか感じていなかったので、この時”やるぞ”と心に決めました。

そこから東奔西走し、ようやくこうして皆さんにご報告できるところまで来ました。

今、ぼくはKUONを立ち上げた時以来のワクワク感でいっぱいです!

刺し子さんたちを前に想いを語ってしまいました

KUONの思い描く理想の姿は「メゾン」になること。
企画、開発からPR、マーケティング、販売までファッションに関わる仕事をできる限り社内に内包していること。

その中には「職人」も含まれます。

個人的(世の中的に正しいのかは分からないのですが)に特定のデザイナーに紐づくのがブランド、理念に紐づくのがメゾンだと思っています。

例えば、エルメスやシャネル、ルイヴィトンなどには革職人をはじめさまざまな職人が在籍をしています。
職人はこれらのブランドの骨格であり、理念を体現する人たち。

KUONは2016年のブランド立ち上げに際して、積極的に日本古来の古布や技術を「今」のファッションにアップデートして表現することに挑戦してきました。

そんなぼくたちが、最初にイメージをする職人は「刺し子」

12年目にしてそれがガチッとハマったのです。

職人を起源とするブランドではないKUONにとって、両者の想いが一致する機会を得ることは少ないのです。
これは、素人だったお母さんたちと10年以上取り組み続けた信頼関係があればこそだと思います。

ぼくたちが世界を目指し、今よりも、もっともっと登っていく。伝統と革新を融合させて、ファッションの素晴らしさを世界に発信する。

その過程において、KUONの中に、KUONならではの職人がいる、
というのは必須であり、当たり前であり、素敵なことだと思うのです。
日本の「ものづくり」、「職人へのリスペクト」は世界中から注目されています。
しかし、実際はファッションの世界においてそれを体現しているブランドは少なく。それがKUONだったら素敵じゃないですか。
そのためのプロジェクトのスタートが今回のクラファンでもあります。

デザイナーの石橋と刺し子さんたち(2017年)

サシコギャルズという名前が先行して少しややこしいのですが、
彼女たちはKUON、というかぼくたちの会社、MOONSHOTの刺し子職人集団の屋号みたいな存在です。

サシコギャルズは「ものをつくって売る」ことを主目的としてはいません。

“刺し子”という技術や理念の可能性を広げるのが使命だと思います。

【サシコギャルズの目的】

1、刺し子の可能性を広げる

刺し子は日本に伝わる伝統技術で世界的も愛好家が増えています。
この素晴らしい伝統をこの先も伝えていく。
一方でその可能性を広げていく。布だけでない、洋服だけでない。
だからクラファンのリターンには刺し子カスタムの「スニーカー」や「ぬいぐるみ」なのです。
従来の刺し子のイメージを広げていきたい。
そこに挑戦するのがサシコギャルズでありたい。

サシコギャルズは「ものをつくって売る」ことを主目的としてはいません。
“刺し子”という技術や理念の可能性を広げるのが使命だと思います。

2、地方創生と時給1,000円を目指す

刺し子は職人だけのものではない、元々は庶民のものです。
針と糸があれば誰でもできるのです。
しかも、メンタルヘルスにとても良いのです。個人的には禅やヨガに似てると思います。自分の中に凪をつくる。
被災した刺し子さんの言葉で今でも忘れないのが「これやってるときは、嫌なこと忘れる」でした。
シニア層にとっては手先を動かす作業は老化防止にもなります。
大槌町は日本の多くの地方の町と同じで過疎化が進み、若い人が地元で就職することができません。
サシコギャルズはきっと、上手くいきます。
目標は来年までにサシコギャルズ事業を黒字化させることです。
そして刺し子さんたちの時給1,000円を目指します。
大槌町で時給1,000円はなかなかありません。
地元の若者が就職先にサシコギャルズを選び、それが町の活性化につながり、これをモデルケースとして三陸沿岸、東北地方、日本全土に広めていく。
しかも世界からリスペクトされている。

3、復興のその先を示す

大槌刺し子は東日本大震災をきっかけに発足しました。
ぼくも当時、南相馬市、南三陸町、大槌町といくつかのプロジェクトを起こしたり、関わったりしました。
今現在、残っているプロジェクトはわずかです。
その多くは、時間の経過とともに、役割を終えたのがほとんどで、それは悪いことではないと思います。
ただ、その中にはとても素晴らしいアイデアだったり、プロジェクトもありましたが、色々な理由により終了してしまいました。
復興というのは、その「時」はとても注目をされますが、継続化は難しいです。
しかし、繰り返しますが「素晴らしいプロジェクトの芽」がたくさんあります。
このサシコギャルズでは、その素晴らしい芽が、きちんと育つことを証明したい。
災害の多いこの国で、それを示すことはとても大事だと思います。
語彙力が乏しいのが悔しいのですが「元気を、勇気を、育てたい」のです。
ぼくらには少なくとも10年継続してきたノウハウがあります。

「ファッションビジネスで社会的課題に取り組む」
これはぼくがこの会社を起業した目的です。

【プロダクトと技術】

先述しましたが、サシコギャルズは「ものをつくって売ること」は主目的ではないです。この素敵で素晴らしい刺し子の技術をどうやって世界に発信するか。

ぼくたちはファッションの会社なので、それを分かりやすく表現する方法として今回は「スニーカー」や「ぬいぐるみ」を使いました。

これらのサンプル、ぼくがその場でだいたいのイメージ伝えたら1発で上げてきました。10年以上の付き合いと、KUONというベースがあったから、めちゃくちゃすごいセンスです。

ピカチュウのぬいぐるみの目やほっぺの部分は大槌町で近年問題になっている「鹿」問題に取り組む「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」からいただいた鹿革を使用しています。

10年一緒にやってきて、彼女たちのセンスとそれを実行する技術を持ち合わせていることは分かっていたので、サシコギャルズでそれを爆発させるのです。

このぬいぐるみは岩手県のキャラクター"そばっち"、岩手県内の市役所の窓口に置いてあったら素敵じゃないですか?
先日のニューヨーク出張では「アンビリーバブル!」「アメージング」を連日、連発でいただきました。

このリターンの良いと思うところは「新しくなにかをつくることを目指していない」ことです。
お客様のスニーカーやぬいぐるみを「お預かりして」刺し子のカスタムをするところです。
例えば、子供が成長したけど捨てられない「ぬいぐるみ」を新しい価値をもったアートに生まれ変わらせる。

「あるもの」と「あるもの」を組み合わせることで「新しい価値を生み出す」

刺し子だけに限らず、いま、このムーブメントは日本中で起きています。
今はまだ、作家さんやアーティストの人たちの個別の活動が多いですが、サシコギャルズのように集団であったり、どんどんつながっていけば良いと思います。

【命名!サシコギャルズ】


取材などを受ける際に必ず聞かれるのが、サシコギャルズという名前の理由。
たしかに違和感を持つ人も多いと思います。
ぼくがこの名前に決めたのは、
刺し子の可能性を広げたかったから。従来の刺し子のイメージとは異なる名前にしたかった。

・ギャルは世間的なイメージは賛否があるかもしれませんが、元気、前向き、肯定的で、誰にも偏見をもたない。
これは私たちの目的である、「復興のその先を示す」には最適だと思います。

・刺し子のお母さんたちが集まると、みんなでお菓子を持ち寄ったり、ワイワイしながら元気に楽しそうなんです。その様子は放課後にワイワイしてるのと同じに見えて、年齢に関係なく間違いなくギャルだと思いました。

こんなにポップでシビれるプロダクトを手がける人たちなんです。
ぼくにはこれ以上の言葉が見つかりません。

今の日本に前向きになる元気を与えるにはこれだと!と思いました。

最後に


ここまでぼくの想いを長々と書いてきてしまいましたが、

ただ単に、「このスニーカーめちゃくちゃヤバくない?」
が、世界中に発信されて、それを70歳のギャルが刺し子している。
それが最高にかっこいい。それだけなんだと思います。

ぼくはこのプロジェクトをもっともっと多くの人に知ってもらいたいです。
もっともっと多くの仲間が欲しいです。

ご支援、拡散のご協力、何卒よろしくお願いいたします!
刺し子しようぜ!

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