![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120641572/rectangle_large_type_2_5186ea50800579a61f3e47b647811893.jpeg?width=1200)
Back to the late 90’s 第31話 CLUB ItoI『Freakin' Time』③
『Freakin' Time』をカテゴライズすると、ALL BLACK MUSICと言うコンセプトで開催していたが、実質はHIPHOPイベントと呼べる内容だった。KOMA君、TOSHIBO君をはじめ出演しているDJ達は、皆HIPHOPを中心に選曲していたからだ。
ただ上記のコンセプトをベースにしていたので、HIPHOPを軸として、その元ネタとなるSOULやJAZZ、DANCE CLASSICS、R&Bはもちろん、HOUSEやREGGAEを選曲してもOKだった。
この辺りは『Freakin' Time』のレジデントDJだったKOMA君とTOSHIBO君が、HIPHOPだけにとらわれず、それに関連する音楽全般に対して幅広い見識、理解があるが故に、できたと言えよう。お二人ともDJとしての技量は、高くて、プレイを間近で見させてもらう度に「敵わないなあ」と痛感させられた。
![](https://assets.st-note.com/img/1698963686067-IRqymeVABb.jpg?width=1200)
2000年になったとは言え、まだまだ根本的に閉鎖的だった大阪のHIPHOP業界は、他のジャンルに対して寛容とは言い難く、とりわけDANCEHALL REGGAEをHIPHOPイベント内で選曲すると、あからさまに嫌がる反応を見せるHIPHOP DJやオーディエンスを度々見かけた。これは逆もありきで、REGGAEイベントでHIPHOPをプレイするのも、御法度だった。
当時大阪で、HIPHOPイベントにてREGGAEをかけて文句を言われなかったのは、KENSAWさんぐらい。またREGGAEイベントでHIPHOPやR&Bをかけても文句を言われなかったのはKILLASAN MOVEMENTの看板セレクターだったSOLDIERさんぐらいだ。ただこれらは、同業者やオーディエンスの内心をさぐると、KENSAWさんやSOLDIERさんの選曲に対して、物申せなかっただけだったと思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1698962172215-4HIlohmxGd.jpg?width=1200)
東京では、HIPHOPイベントでREGGAEを選曲に取り入れてる事がトレンドになり、ごく普通になってきて、それに対してオーディエンス達も良いリアクションを見せてきていた。一例として『BLAST』誌1999年1月号にDJ HASEBEさんが渋谷HARLEMで選曲したプレイ・リストが掲載されているが、それを見ると、途中でDANCEHALL REGGAEがしっかり選曲されているのがわかる。
![](https://assets.st-note.com/img/1698963086300-b3AnLwCLRg.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1698963213022-YzY1wqEPdp.jpg?width=1200)
話を『Freakin' Time』に出演していたDJ達の選曲に戻すと、KOMA君は、HIPHOPを中心にDANCE CLASSICSやHOUSE、それにHIPHOPの元ネタとなるSOULやJAZZなど、TOSHIBO君も基本的にKOMA君と似ていたが、KOMA君に比べHIPHOPの割合が多かった。BEATBANGは殆どHIPHOPのみで、それ以外は選曲しなかったが、当時の大阪HIPHOPシーンのDJ達の大半が、そうだった。DJ CHAN-UとDJ NAN-JYOもBEATBANGと同じだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1698964378781-5BRNH1WIPF.jpg?width=1200)
そして、私の選曲は?と言えば、他の出演者と違い、ごく稀にHIPHOPを織り混ぜたりはしたが、大半はR&Bだった。そしてGRAND Cafe『Lesson』でKOMA君直伝で学んだDANCE CLASSICSやHIPHOPの元ネタとなるSOULやJAZZに、私がその頃から既に得意としていたDANCEHALL REGGAEを選曲した。
当時、他のHIPHOPイベントで、私ごときレベルのDJが、KENSAWさんやHASEBEさんのようにHIPHOPイベントでDANCEHALL REGGAEを選曲すれば、他の出演者やオーディエンスから、間違いなく総スカンを喰らい、なかには怒り出す人もいただろう。実際に他のHIPHOPの現場で、そう言う場面にも何度か遭遇したが、『Freakin' Time』においては、全く記憶に残ってないので、なかったと言えよう。
つづく.......
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?