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陶磁器はCHINA

職業柄、行く先々で美味しそうな食事よりもその下のお皿が気になったりすることがよくあります。

わたくし

陶磁器を専攻、北欧に留学し、亜細亜 泰国 和洋食器工場勤務 二年。 肥前国で陶磁器意匠設計を17年やっておりました。

以下、偉そうに聞こえたらすみません。

美濃製、海外製の業務用食器:
サイズ感、価格、良く計画されてます。安価。衛生的で丈夫な磁器製がほとんど。安価な居酒屋、外食チェーンによく見られます。絵付けは印刷。

均一ショップの食器:
安価な飲食店に出現、案外大手チェーンでは見かけない。この価格でよくできてますが、誰か無理してなければよいが

飲食店オリジナル食器:
フチに消えかけの屋号や電話番号が泣けます。店主の想い、こだわり、わがまま満載。コストに対して見栄えが良くなる容量の工夫、卓上調味料の無駄使い軽減などの良い面も。店をオープンし続けるんだという希望と意志を感じます。

キャラクター食器 :
子供に向けて置きにきてる。

プレゼント、粗品など企業の販促品:
よくお祭りしてますね。もらってしまうのかなぁ。個人事業主のお店に出没

陶磁器産地問屋、卸問屋の企画品:
百貨店、量販店の食器コーナー。町の陶器店に並んでいる。売れない場合は店頭で叩き売られていたりもするが仕入値より高いはず。昔からの取引先のしがらみで掛け率での苦労が見え隠れ。最近はブランディングが成功しているものもある。こちらは先述と売り方は別。

大手量販店のOEM品:印のない良い品 や世界規模のスーパー、家具店の企画品。大きな工場で作っているのでクオリティはお墨付き。他で売れないので大量なB品の行き場に困る。

デッドストック:
メーカーのB級品、一昔前の割烹食器、企画物の売れ残り、廃業したお店のもの等、陶器市や催事等で販売。よく見ると少し難ありだったり。OEM品の場合、先方に迷惑がかからないように販売が必須。銘を後加工で消してあるものも

OEM:Original Equipment Manufacturing 他社の製品を下請けし、作ってあげること、製造元が勝手に直売する事は不可。

~焼と言われる国内産地の食器:
昨今、〜焼の概念が曖昧に。個人規模でも、大きい工場でも自己申告で名乗ればその枠に。最終加工地が産地と認定されているので裏では色々とあるかも…

新聞社の販促品でしょうか?湯呑みの形状が時代を感じさせます。陶器市にて

ライフスタイルショップ企画の食器:
そのお店の空気感が好きという方へ

アパレルブランド企画の食器:
そのブランドが好きな方に、ロゴ入れたもの多め

料理研究家の食器:
料理を作る方なので一理ある。機能がうるさい場合も

デザイナー、アーティストの食器:
エゴもありつつ、アノニマスなデザインもあったりですが工芸的な表現はあまり期待できません。完全に削ぎ落としたように見えますがどことなく意図を匂わせます。

陶芸家の器:
並んでも買えない作家も。飲食店主のこだわり店、その陶芸家の贔屓店、高級店に見られる。割りたくないなら手洗い必須。陶器なら水に浸けたり、乾燥もしっかりね、たまに残り香が

海外の民芸品:
特に海外料理店で見られる。現地の雰囲気出ますよね。食器用ではなく、飾り皿だったり低温焼成品もあるので綺麗な色過ぎるのは注意(鉛毒)

海外の工業製品:
イギリス、ドイツ、フランス、北欧、アメリカなど先進国の質実剛健な量生産メーカー品。オーブン、ナイフなどで出来たエイジングすらかっこいい

統制食器:
戦時中の食器。アンティークショップにて。食べ物を出されたことは未だないですが、たまに日本の勝利を煽る盃が居酒屋に。陶製手榴弾は花器にも

和、洋、中華食器(ディナーウェア):
日本、海外の洋食器メーカーが作ったサイズ刻みでプレート、ボウルが用意されている一式。洋食は白、居酒屋 焼肉屋は黒、中華は青磁、な印象。チェーン店、ホテルのビュッフェなどに使われていて、同形状で重なりも良いはずなので枚数多く使う所では収納や取り回しが楽そう。食器としては空気のような存在。

日本の有名和洋食器:
上記よりクオリティが良く繊細で高価です。とはいえピンからキリまであります。産地は日本  でないものもあるかも、よく見て買ってください。日本の企業のブランドと言うだけなので

有名海外製洋食器:
最上級のクオリティで高価です。たまに喫茶店で見かけます。産地はブランド本国でないものもあります。金継ぎされているものも、大事にされてます。

日本のブランディングに成功したメーカー:
デザイナー、クリエイター等外部からの知恵が入ったり、経営者が変わることによって、衰退する陶磁器産業であたまひとつ抜けた会社。周辺同業者からの僻み嫌がらせもあったはず。継続出来るかがこれからのみどころ

北欧の食器:
ブームもありましたが、根強い人気。元気だった頃の製品が未だ流通している。程よい手跡が残る量産品。私も好きです。現在廃業またはM&Aによって残っているところもありますが実際ほぼ本国では作っていないです。

民藝と言われる器:
作り手、配り手におっかない人たちが多いのであまり多言しません。買い手の私は良ければ買います。結構持っています。

国内外の骨董品:
上記の古いもの。外国のものは当時の原料、技法、考えもしない形状を眺め工程を想像するのが楽しいです。日本のものは時代で変わっていく原料、技法にロマンを感じます。ライフスタイルが変わったのでサイズ、皿の深さ等、古臭さは否めません。全体的に小さめ。思わぬところで出現すると裏を見たくなります。結構収集しています。

古物、思い入れの品を金継ぎした器:
店構えが既に してそう ですし、店主を見てしまいます。

食器では無いのに食器として使われている器:
かなりの手練れです。やはり店主を見ざるをえないでしょう。

自分で書きつつ ほんと器大国日本です。

漆をJAPANと呼び陶磁器をCHINAと呼ぶのが悔しいです!

土地柄、コスト面、お店のインテリアとして様々な背景で選ばれた食器たち。器で食べさせるという言葉もあるので同じコストでも探せば。ブラッシュアップ出来るのにと思ったりもしますが、結構な手間でしょうか。少し器に意識を移せば美味しさ倍増、バエるはず。

アジア圏 屋台のメラミン、金属器も取り回しや一皿の価格に見合っていて嫌いではありません。考えた末の結論かと

全てはバランスですね。

重複する部分もあると思いますが長々と記しておきました。間違いあればご指摘、ご教示ください。

器の裏を見なくても判別できます。盲牌のようにフチ裏、高台の触感でだいたいは

逆に私に裏を見られた器。大したもんです。

これは!と思った時でも食事中、皿を持ち上げ裏を覗き込むのは行儀が悪いのを知っていますので 基本、誰にも気づかれないようにやっています。

もしも現場を見かけた方ゴメンなさい。

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