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外リンパ瘻の体験を記録に残そう

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#片耳難聴

10. 入院費用の支払いに備えて。医療保険、限度額適用認定証を準備する (外リンパ瘻 発症9日目)

10. 入院費用の支払いに備えて。医療保険、限度額適用認定証を準備する (外リンパ瘻 発症9日目)

入院6日目。右耳は相変わらず何も聞こえない。
ずっと鳴り止まないキーンとつんざくような耳鳴りに心がじわりじわりと疲れてくる。

今日は心が穏やかではない。自分にイライラしてしまう。些細なことに胸が苦しくなる。
箸が落ちただけで悲しくなる。

今後の生活、仕事、支払い、収入、どれを見ても危うい状況だと言える。幸いパートナーと暮らしているからいざとなれば助けてくれるとは思うが。パートナーとの生活は約1

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13. 治療タイムリミットの壁。聴力回復は厳しい見通し (外リンパ瘻 発症12日目)

13. 治療タイムリミットの壁。聴力回復は厳しい見通し (外リンパ瘻 発症12日目)

外リンパ瘻を発症して今日で12日目。
絶対安静の入院治療は9日目をむかえた。
右耳は昨日よりもよく聞こえる気がする。
実際に音が聞こえるというより、音の振動が右耳に響く。

看護師さんから大きな声で「お熱、何度ですか?」と聞かれると、右耳から「ジジッ ジジジッ」と大きな振動音がした。人の声色とは程遠い、機械的な音質の振動音が脳に響く。右耳だけで聴くと隣で話す看護師さんが何を言っているのかは聞き取れ

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14. 急上昇の聴力回復。耳の音量調整機能が戻ってきた。再発悪化の不安も急上昇。 (外リンパ瘻 発症13日目)

14. 急上昇の聴力回復。耳の音量調整機能が戻ってきた。再発悪化の不安も急上昇。 (外リンパ瘻 発症13日目)

昨日の右耳は音量が調整できない壊れたラジオ越しに聞くように、超大音量の音(音というより雑音)を感知していた。

だから昨日はほぼ一日中、手で右耳を覆って過ごしていた。先生と話す時も、看護師さんや誰かが話してる声が聞こえる時も、右耳を塞いでいた。

2日前に先生が耳栓として小さな綿球をくれたが、綿球でしのげるほど気軽な音量でもなかった。

今日は耳を塞がなくても良い音量で聞こえる。
昨日までの「ジジ

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15. 高度難聴 発症から聴力回復まで15日間のまとめ。 外リンパ瘻治療と入院中の過ごし方。

15. 高度難聴 発症から聴力回復まで15日間のまとめ。 外リンパ瘻治療と入院中の過ごし方。

症状の程度や治療の方針、過ごし方、予後は個人差があります。以下、個人的な体験をもとに記載しております。

発症当日
ある朝、鼻かみとくしゃみから突然難聴発症。
「そのうち治る」と期待して耳鼻科には行かず。

発症2日目(耳鼻科受診。ステロイド内服開始)
耳鼻科を受診。右耳は急性 感音性難聴(中等度難聴)の診断。ステロイドを内服して様子をみることに。

発症3日目(自宅安静+ステロイド内服2日目)

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8. あまり深く考え込まず。あくび禁止の安静入院(外リンパ瘻 発症7日目)

8. あまり深く考え込まず。あくび禁止の安静入院(外リンパ瘻 発症7日目)

難聴治療、入院4日目。

朝はたいてい5時くらいに自然に目が覚める(21時に寝てるから)。大部屋には自分一人がポツンと寝てるため、1日は無音で始まる。毎朝起きると、聴覚が戻っているかも…と期待が脳内を駆け回る。

ベッド柵をカチカチと爪で軽く叩く。何も聞こえない。携帯のケースを耳元でコツコツと指で打ち鳴らしてみる。

何も聞こえない。

昨日と何も変わらない。右耳から首にかけてぎっしりと詰まった閉

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9. 難聴治療の説明と同意について考える(外リンパ瘻 発症8日目)

9. 難聴治療の説明と同意について考える(外リンパ瘻 発症8日目)

難聴治療、入院5日目。今日の聴力検査によると、右耳はごくわずかに回復していたらしい。
でも高度難聴には変わりない。
右耳が聞こえなくなって今日で8日目。

検査結果を見ながら担当の先生が言葉を選びながらいつものように丁寧に説明してくれた。白髪混じりの女性の先生はいつも穏やかな優しいトーンで話す。

はっきり言われたわけではないが、回復の見通しは厳しい雰囲気が漂う。今後の見通しについて、治療について

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12. 突然始まる回復の予兆。聞こえすぎる恐怖。スリリングな大音量との戦い (外リンパ瘻 発症11日目)

12. 突然始まる回復の予兆。聞こえすぎる恐怖。スリリングな大音量との戦い (外リンパ瘻 発症11日目)

毎朝6時に看護師さんが検温に来る。看護師さんに声をかけられて目が覚めた。

「窓、少し開けましょうか」
「体温何度でした?」
看護師さんの声が電波の悪いラジオから聞こえるように「ジジッジジッ」と振動となって右耳に響く。

今日で難聴発症から11日目。
この朝、初めて右耳が音を感知した。
音というより振動をキャッチした。

看護師さんがベッド周りのカーテンを勢いよく開けると「ジジッジッ」とカーテンレ

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5. 難聴治療。絶対安静の入院スタート。 (難聴発症4日目)

5. 難聴治療。絶対安静の入院スタート。 (難聴発症4日目)

月曜日、朝起きると右耳は全く何も聞こえないのは明らかだった。ヘッドフォンで音量MAXにしても右耳からはもう何も聞こえなかった。

予約していた耳鼻科に向かう。
朝一で予約を入れてたので、クリニックに着くなり担当の先生が待ってましたとばかりに勢いよく診察室から出てきてくれた。

先生に自分の右耳はおそらくほぼ聞こえていないことを伝えると「すぐに検査しよ」と検査室へ案内してくれた。

検査結果の紙を見

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4. ある日、急激に聴力が低下。症状をさらに悪化させた日のこと。(難聴発症3日目)

4. ある日、急激に聴力が低下。症状をさらに悪化させた日のこと。(難聴発症3日目)

朝4時に自然に目がさめて、すぐに気づいた。
右耳の閉塞感がすごい。右耳から首筋にかけて重苦しい閉塞感がある。粘土を右耳からギッチリとと詰め込まれたような閉塞感がはっきりとわかる。

右耳のそばで指を鳴らしてみたり、耳を塞いで「あー」と言ってみるが、右耳は音が全く聞こえない。左耳はいつも通りに聞こえている。

びっくりするくらい聞こえない。
寝起きで頭が働かない。
「なんで?なんだ?難聴が悪化してる

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2. 外リンパ瘻(with 高度難聴)はびっくりするくらい突然始まる。耳のバランスはふとしたきっかけでぶっ壊れる。

2. 外リンパ瘻(with 高度難聴)はびっくりするくらい突然始まる。耳のバランスはふとしたきっかけでぶっ壊れる。

外リンパ瘻を発症した私の体験です。私は耳鼻科専門家ではなくド素人です。難聴にはいろいろな原因があり、経過には個人差があります。
より正確な情報は耳鼻科医に確認されることをお勧めします。

私の場合、朝起きて鼻がつまっていたから鼻をかんで、くしゃみを数回したら耳の不調が始まった。
いつもの鼻かみ、いつものくしゃみでまさかこんなことになるとは思いもしなかった。耳の閉塞感が気になって、耳抜きなどを何度も

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1. 突然の難聴  相手の声が聞こえづらいのは電波のせいだと思っていた(外リンパ瘻 発症当日)

1. 突然の難聴  相手の声が聞こえづらいのは電波のせいだと思っていた(外リンパ瘻 発症当日)

難聴は突然始まった朝、鼻が詰まっていた。くしゃみが止まらない。鼻をかんで、クシャミをしてたら右耳に違和感が。トンネルで耳抜きがうまくできない時の嫌な不快感がある。何度も耳抜きをしてみたり鼻をかんだりするが一向に治らない。耳に水が入ったような感じまでする。

そのうち治ると思い、ほおっておくことにした。

午前中のZoomミーティングで、相手の声が聞こえづらい。相手の声にプツプツと雑音が混じる。ネッ

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