おでん

ある朝、くしゃみと耳抜きをきっかけに外リンパ瘻を発症。発症から数日で重度の難聴になる。片耳が突然聞こえなくなった日のこと、治療の日々、その後のことをシェア。大音量の耳鳴りが止むことなないが、聴力は回復。

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ある朝、くしゃみと耳抜きをきっかけに外リンパ瘻を発症。発症から数日で重度の難聴になる。片耳が突然聞こえなくなった日のこと、治療の日々、その後のことをシェア。大音量の耳鳴りが止むことなないが、聴力は回復。

最近の記事

18. 突発性難聴12日間の入院。 入院費用の話。医療保険給付金の話。(外リンパ瘻「手術なし」のケース)

右耳の高度難聴を発症し、入院の日々や治療については当時の日記を見ながらnoteに記載してきた。半年前の記憶を頼りに...というわけではなく当時の症状や状況についてはかなり正確に書いてきたつもりでいる。 退院してから日記をつけるのをやめてしまった(3日坊主タイプのため)。 ここからは、いくつか残っているものを参照して書いていこうと思う。 外リンパ瘻の入院中に私が不安に思っていたことは、入院費の支払いだった。大学院の学生生活で、収入源は限られている(貯金の切り崩し+仕事掛け持

    • 17. 急な難聴を発症。ネット検索して困ったこと。「すぐに受診して!」が知りたいのに「聞こえのしくみ」を読むしくみ。

      ある日突然、自分の耳が聞こえなくなるとは予想もしてなかった。突然の難聴は誰に起こるかわからないし、誰にだって起こりうる。 私は発症してから色んな情報を探したが、欲しい情報になかなかたどり着けなかった。 “突然の難聴”について検索すると… 上から順にサイトを見ていくと補聴器の宣伝や聞こえのしくみ、疾患の概要、原因、症状、診断方法、診断基準や治療法などの項目が並ぶ。「ある耳鼻科医」「どこかのクリニック」など個人で書かれたサイトが多い。 「急な聴力低下に気づいたら、緊急事態な

      • 16. 外リンパ瘻 高度難聴と回復の経過。発症からの半年間についてまとめ。

        発症から1ヶ月ほどで右耳は聴力が戻った。 耳鳴りは24時間ずっとキーンと高く、けっこうな音量で)鳴り続いているけれども。仕事にも戻れたし、以前と変わらない生活ができている。 退院後約1ヶ月間はずっと家でぼんやりと過ごした。 家のことは在宅勤務中のパートナーが全てしてくれた。もし自分一人だったらどうなっていたことか。 耳の様子を見ながら少しずつ外にも出はじめた。最初のうちは少しの散歩でも、疲労なのか目眩なのか、10分ほど歩いてはクラクラして家に帰る、15分歩いては休むとい

        • 15. 高度難聴 発症から聴力回復まで15日間のまとめ。 外リンパ瘻治療と入院中の過ごし方。

          症状の程度や治療の方針、過ごし方、予後は個人差があります。以下、個人的な体験をもとに記載しております。 発症当日 ある朝、鼻かみとくしゃみから突然難聴発症。 「そのうち治る」と期待して耳鼻科には行かず。 発症2日目(耳鼻科受診。ステロイド内服開始) 耳鼻科を受診。右耳は急性 感音性難聴(中等度難聴)の診断。ステロイドを内服して様子をみることに。 発症3日目(自宅安静+ステロイド内服2日目) 右耳は ほぼ完全に音が聞こえなくなる。めまいはない。耳鳴りと閉塞感がかなりきつい

        • 18. 突発性難聴12日間の入院。 入院費用の話。医療保険給付金の話。(外リンパ瘻「手術なし」のケース)

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        • 16. 外リンパ瘻 高度難聴と回復の経過。発症からの半年間についてまとめ。

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        • 外リンパ瘻の体験を記録に残そう
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        記事

          14. 急上昇の聴力回復。耳の音量調整機能が戻ってきた。再発悪化の不安も急上昇。 (外リンパ瘻 発症13日目)

          昨日の右耳は音量が調整できない壊れたラジオ越しに聞くように、超大音量の音(音というより雑音)を感知していた。 だから昨日はほぼ一日中、手で右耳を覆って過ごしていた。先生と話す時も、看護師さんや誰かが話してる声が聞こえる時も、右耳を塞いでいた。 2日前に先生が耳栓として小さな綿球をくれたが、綿球でしのげるほど気軽な音量でもなかった。 今日は耳を塞がなくても良い音量で聞こえる。 昨日までの「ジジッ」という機械的な雑音ではなく、より原音に近い音が聞こえる。 トイレに行き換気

          14. 急上昇の聴力回復。耳の音量調整機能が戻ってきた。再発悪化の不安も急上昇。 (外リンパ瘻 発症13日目)

          13. 治療タイムリミットの壁。聴力回復は厳しい見通し (外リンパ瘻 発症12日目)

          外リンパ瘻を発症して今日で12日目。 絶対安静の入院治療は9日目をむかえた。 右耳は昨日よりもよく聞こえる気がする。 実際に音が聞こえるというより、音の振動が右耳に響く。 看護師さんから大きな声で「お熱、何度ですか?」と聞かれると、右耳から「ジジッ ジジジッ」と大きな振動音がした。人の声色とは程遠い、機械的な音質の振動音が脳に響く。右耳だけで聴くと隣で話す看護師さんが何を言っているのかは聞き取れない。 昨日の聴覚検査結果は中等度〜高度難聴だった。 今日は2人の耳鼻科医師

          13. 治療タイムリミットの壁。聴力回復は厳しい見通し (外リンパ瘻 発症12日目)

          12. 突然始まる回復の予兆。聞こえすぎる恐怖。スリリングな大音量との戦い (外リンパ瘻 発症11日目)

          毎朝6時に看護師さんが検温に来る。看護師さんに声をかけられて目が覚めた。 「窓、少し開けましょうか」 「体温何度でした?」 看護師さんの声が電波の悪いラジオから聞こえるように「ジジッジジッ」と振動となって右耳に響く。 今日で難聴発症から11日目。 この朝、初めて右耳が音を感知した。 音というより振動をキャッチした。 看護師さんがベッド周りのカーテンを勢いよく開けると「ジジッジッ」とカーテンレールの音が機械的な振動音として右耳に響く。 携帯のプラスチックケースを爪でコツ

          12. 突然始まる回復の予兆。聞こえすぎる恐怖。スリリングな大音量との戦い (外リンパ瘻 発症11日目)

          11. 右耳が聞こえない自分への喪失感、不安、焦り。 (外リンパ瘻 発症10日目)

          今日で入院7日目。 朝起きると、いつものように右耳の近くのベッド柵ををカチカチを爪で叩いてみた。 右耳からかすかに何か聞こえたような気がした。 もう一度叩いてみる。 聞こえない…か? 携帯のプラスチックケースやルービックキューブをカチカチと爪で叩いてみる。病室は自分1人だけだから多少は叩ける。 はっきりとした音ではないが、何かが聞こえそうなかすかに振動のような響きがした。 気のせいかもしれない。 願望から空耳なのかもしれない。 この耳がもし治らなかったら仕事はどうするか

          11. 右耳が聞こえない自分への喪失感、不安、焦り。 (外リンパ瘻 発症10日目)

          10. 入院費用の支払いに備えて。医療保険、限度額適用認定証を準備する (外リンパ瘻 発症9日目)

          入院6日目。右耳は相変わらず何も聞こえない。 ずっと鳴り止まないキーンとつんざくような耳鳴りに心がじわりじわりと疲れてくる。 今日は心が穏やかではない。自分にイライラしてしまう。些細なことに胸が苦しくなる。 箸が落ちただけで悲しくなる。 今後の生活、仕事、支払い、収入、どれを見ても危うい状況だと言える。幸いパートナーと暮らしているからいざとなれば助けてくれるとは思うが。パートナーとの生活は約10年。財布は完全に分けて生活している。家計簿は1円単位できっちり割り勘にしている

          10. 入院費用の支払いに備えて。医療保険、限度額適用認定証を準備する (外リンパ瘻 発症9日目)

          9. 難聴治療の説明と同意について考える(外リンパ瘻 発症8日目)

          難聴治療、入院5日目。今日の聴力検査によると、右耳はごくわずかに回復していたらしい。 でも高度難聴には変わりない。 右耳が聞こえなくなって今日で8日目。 検査結果を見ながら担当の先生が言葉を選びながらいつものように丁寧に説明してくれた。白髪混じりの女性の先生はいつも穏やかな優しいトーンで話す。 はっきり言われたわけではないが、回復の見通しは厳しい雰囲気が漂う。今後の見通しについて、治療について、予後について、これまでも幾度となく先生から説明を受けた。 入院中に先生と話し

          9. 難聴治療の説明と同意について考える(外リンパ瘻 発症8日目)

          8. あまり深く考え込まず。あくび禁止の安静入院(外リンパ瘻 発症7日目)

          難聴治療、入院4日目。 朝はたいてい5時くらいに自然に目が覚める(21時に寝てるから)。大部屋には自分一人がポツンと寝てるため、1日は無音で始まる。毎朝起きると、聴覚が戻っているかも…と期待が脳内を駆け回る。 ベッド柵をカチカチと爪で軽く叩く。何も聞こえない。携帯のケースを耳元でコツコツと指で打ち鳴らしてみる。 何も聞こえない。 昨日と何も変わらない。右耳から首にかけてぎっしりと詰まった閉塞感も変わらない。 入院して、いつからか目眩もでてきた。 めまいというと貧血の

          8. あまり深く考え込まず。あくび禁止の安静入院(外リンパ瘻 発症7日目)

          7. 難聴の入院治療 1日の過ごし方→寝てるだけ。(難聴発症6日目)

          難聴治療 入院3日目。 朝起きるとすぐに右耳の聞こえを試す。耳元で指を鳴らしてみたり、右耳を塞いで「あー」と言ってみたりする。今日も何も聞こえない。 右耳から首筋にかけて蒸したさつまいもをギッチリと詰めたような閉塞感も変わらない。 一人だけの入院部屋は1日中ほぼ無音で、時間が静かに過ぎていく。 ときどき右耳の奥にツーンと痛みを感じる。 担当の先生に伝えてみると、通常は痛みを伴うことはないとのこと。それでも、この痛みは発症以来ときどきある。 病院の規定上、入院中の面会は

          7. 難聴の入院治療 1日の過ごし方→寝てるだけ。(難聴発症6日目)

          6. 片耳の聴覚を失うと世界が違って見えた (難聴発症5日目)

          今日も右耳からは何も聞こえない。 入院中は1日寝て過ごすことが治療になる。 唯一ごはんの時だけは起き上がって食べる。 ぼんやりとご飯を食べながら、ぼんやりと病室の窓から外を歩く人たちを眺めた。おしゃべりしながら歩いている大学生らしき人たち。携帯で話しながら速足であるくスーツの人。 心底うらやましい。 数日前までは聞こえていることが普通だと思って生きていた。普通のことすら思ってなかった。聞こえることについて意識もしてなかった。 片耳の機能を無くして、耳の凄さに気づいた。 耳

          6. 片耳の聴覚を失うと世界が違って見えた (難聴発症5日目)

          5. 難聴治療。絶対安静の入院スタート。 (難聴発症4日目)

          月曜日、朝起きると右耳は全く何も聞こえないのは明らかだった。ヘッドフォンで音量MAXにしても右耳からはもう何も聞こえなかった。 予約していた耳鼻科に向かう。 朝一で予約を入れてたので、クリニックに着くなり担当の先生が待ってましたとばかりに勢いよく診察室から出てきてくれた。 先生に自分の右耳はおそらくほぼ聞こえていないことを伝えると「すぐに検査しよ」と検査室へ案内してくれた。 検査結果の紙を見ながら先生が険しい表情する。 急性感音性難聴について説明してくれるが、私の頭が反

          5. 難聴治療。絶対安静の入院スタート。 (難聴発症4日目)

          4. ある日、急激に聴力が低下。症状をさらに悪化させた日のこと。(難聴発症3日目)

          朝4時に自然に目がさめて、すぐに気づいた。 右耳の閉塞感がすごい。右耳から首筋にかけて重苦しい閉塞感がある。粘土を右耳からギッチリとと詰め込まれたような閉塞感がはっきりとわかる。 右耳のそばで指を鳴らしてみたり、耳を塞いで「あー」と言ってみるが、右耳は音が全く聞こえない。左耳はいつも通りに聞こえている。 びっくりするくらい聞こえない。 寝起きで頭が働かない。 「なんで?なんだ?難聴が悪化してる?」 右耳にヘッドフォンを当て携帯から音楽を流してみた。 ぜんぜん聞こえない。

          4. ある日、急激に聴力が低下。症状をさらに悪化させた日のこと。(難聴発症3日目)

          3. 突然の難聴で耳鼻科を受診。検査内容と先生から聞かれたこと(難聴発症2日目)

          【前回の続き】右耳の閉塞感と聞こえの不調が突然始まる→丸1日家で様子みる→起きたら治ると期待して寝る→翌朝(ここからの話) 朝起きると右耳の閉塞感は確実に悪化していた。 右耳から聞こえる音は、電波の悪いラジオで聴いてるようなプツプツとした雑音が混ざって聞こえる。 今日すぐに診てもらえる耳鼻科に予約を入れた。 土曜のクリニックはかなり混んでいて待ち合い室は満席だった。受付行くとスタッフの方が何かを説明してくれるけども聞き取れない。 左耳を傾けて「もう一度お願いします」と伝

          3. 突然の難聴で耳鼻科を受診。検査内容と先生から聞かれたこと(難聴発症2日目)