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レビュー「米津玄師/vivi」灰になった僕とdioramaの意味は?
(※このレビューはあくまでも個人の感想(および妄想含む)です。)
見れば見るほど、味わい深く謎も深まります。
※ハンプティダンプティみたいな「僕」のことを、ここでは便宜上「ロボ」として書いています。
ちぐはぐさ、違和感
MVを凝視していると(怖い…!?)、いろいろ気づくことがある。
でも、これが何を意味しているのか、、、わからない。
個人的な推測をすると、欠乏、不完全さ、矛盾、無力感などを表しているのかなと思う。
音符
過去記事でも書いたが、前奏や間奏で流れるメロディの16部音符のうち一つだけはみ出している感じがする。
ロボの洋服のボタンの数
4つにあったものが3つになったり、消えたりする。
女の子viviの手指の本数
笑顔で手を振る場面で、一瞬だけ5本指が4本指になる。
このときの目は瞳孔が開いているようにも見える(=死?)。
ロボの手指の本数
5本指のときもあれば、4本指のときもある。
ロボが空中を落ちるシーンのイラスト
4枚構成の繰り返しイラストだが、1枚だけ薄くて違和感がある。
花がチカチカと点滅
過去記事でも書いたが、冒頭の花がチカチカと点滅する。
また、はじめは4輪だった花。時間の経過とともに花びらの数が少なくなり、本数も3本に減る。
灰になった僕
花火のように空に咲いて、散って、落ちて、黒焦げになるロボ。
黒焦げ=灰になったのかもしれない。
灰(hai)になってまでも、愛があるロボ。
鯰絵との共通点!?
このviviが収録されているアルバム「diorama」のジャケットに描かれているナマズは鯰絵を踏襲しているという。
「去年の3月に地震があったじゃないですか? それが、色濃く出てますよね。最初は震災を意識して作ってなかったんですよ。普通の街を作ろうと思ってました。でも、去年街が壊れていく映像を目の当たりにして、もうそれ以前には戻れないなと思いました。ナマズは、江戸時代のナマズ絵を踏襲してます。江戸時代にもすごい地震があったみたいなんですよ。でも、メッセージ性とか特に考えてはいないです。それこそ、子供の頃に絵を書いてたり、ゲームをやっていた延長線上にいまの自分があると思っています」
ウィキペディアで鯰絵を検索すると、こんな一文がある。
国立歴史民俗博物館による調査によれば、鯰絵は赤・藍・黄・灰色の4色を基本とし、これを混ぜた中間色を含めると5色から8色で製作されたものが多い[37]。
この推測はこじつけかもしれないけれど、鯰絵の色も隠されているのかも。
赤:viviの赤らめた頬
藍:「愛(藍)してるよ」
黃:「溶け出した琥珀(黄)の色」
灰:「灰になりそうなまどろむ街」
音の流れの美しさ
改めて楽譜で音の流れを見てみると(Naoki Pianoさんのチャンネル)、滑らかな音の連なりがあり、山の稜線のような形をしている。
見方によっては波にも見えるし、もしかしたらviviの形を表しているのかもしれない。
耳で聞いても、目で見ても、美しくて切ない。
diorama(ジオラマ)に込められた意味は?
このアルバムのタイトル。
diorama= dorama の中に(i=愛)があるから、愛のあるドラマという意味があったりして。
ちなみに、ドラマ(drama; drame)の語源は…
ギリシア語のドラン (行動する) に由来し,一般に戯曲の意味に用いられるが,演劇学上の概念としては,悲劇や喜劇のいずれのジャンルにも属さない劇をいう。
愛を持って行動する、そういう意味もあるかもしれない。
・・・
この曲に限らずだけど、米津さんの楽曲は聴く人によって見方や解釈が変わるから面白い。
楽曲を通して米津さんの一面を覗き、知らなかった自分を発見し、他の人の考え方に新鮮味を感じる。
ありがとうございます、米津さん!!
他のレビューはこちら。
https://note.com/kuno_q/n/n3ff47b9fee59
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