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アートギャラリーで会いましょう【元外交官のグローバルキャリア】

「アートギャラリーのオープニングにぶらりと行くのが好き」と東京に着任したばかりのアメリカの外交官が言った。お互い20代後半の部署が違う同僚で、現地職員の私には新鮮な響きだった。画廊でワインを傾けるなんて、40代の金持ちがすることじゃないのか。映画の中で見るだけの世界に身近な若い政府職員が顔を出すと知って脳内に「そのうち私もやる」ポストイットを貼った。それから20年が経過した。

6月7日にgallery shell 102 でワインを

6月7日(金)の18:00から、吉祥寺は末広通りの小さなギャラリーでそんなオープニングがある。アーティストとギャラリーオーナーに作品について素朴な疑問をぶつけてワインを傾ける。もう画廊もアーティストも怖くない。同年代のギャラリーオーナーは、アートとアーティストとそれを取り巻くものを分かりやすく説明してくれる。このギャラリーには造詣が深くないうちのアラ傘の長老たちもよく送り込んでいる。今回のアーティストはバリ島のウブドの雰囲気を感じ取ったらやはりインドネシアで活動しネカ美術館に展示されているそうだ。

シカゴで総領事館に勤務していたとき、画廊街に住んでいた。徒歩通勤でいつも通る道で定期的に地域の人たちの為のギャラリーウォークが開催される。コーヒーショップに集合して、案内人に連れられて画廊から画廊を回って、美術館に行くかのように作品を眺める。コミュニティに門戸が開放された日に怖いことはない。アートを買うひとでなくても良いという安心感があった。

今週は北品川でポップアートを

WHAT A WONDERFUL WORLD
2024年6月1日(土)~6月9日(日) 14:00-20:00 ※最終日は18:00まで

現代美術に触れる機会が少ない人こそ足を運んでカエルさんと話して欲しい。前回の「それでも世界は美しいのだ・・」同様、月乃カエルさんの現代社会を見る目は地に足が付いていて、芸術家目線ではない自分にすんなり入ってくる世界観だ。

カエルさんの作品は、私が通う歯医者さんの待合室に飾ってあった。村上隆を彷彿させるポップアートで、もっと作品を見たくなった。歯医者さんに聞いて、有楽町阪急のタグボートに見に行って、銀座の画廊までアーティストを追いかけた。今回も10年前の初の個展の場所、という品川の個展に大雨の中を訪ねて行った。カエルさんは56歳までシステムエンジニアの中間管理職だった、歯医者さんの高校の同級生だ。

現代美術と「美」をアーティストに聞いちゃう

ずっと国際政治を勉強してきた私は、ホノルルの総領事館に着任したときに文化担当となった。中学2年でアートのクラスを取って以来、美術や芸術に触れたことがない。入省して条約課に配属になった時以上の無縁な響きだった。
今はなきホノルル現代美術館のキュレーターから日本のアーティストとランチをするから、と招待された。何を話して良いやらわからない。単刀直入に若いアーティストに「美ってなんですか」と聞いた。彼は「タクシーに乗っていた時に、その車が自転車とぶつかって、人の顔が全面のガラスに押し付けられ、運転手さんがギョッとした表情を見せた時、それが美だと感じた」と真摯に応えてくれた。それが私の現代美術との付き合いの始まりだった。もちろん、彼が言った意味はわからなかった。

キュレーターが芸術を凡人に説明してくれる

在外公館の文化担当になると、美術館と付き合い、日本関連芸術の展示を助成したり、共同で行ったりする。浮世絵、ORIGAMI、キュレーターたちとも親しくなり、美術館の敷居がうんと低くなる。アーティストに工房に招かれたりもした。おどろおどろしい作品を描くアーティストはとても親切で優しい人だった。

自分と無縁だと思っていた世界に足を踏み入れて「わからない」を受け入れる。コンフォートゾーンを抜けるに一歩にはちょうど良い。「そのうち私もやる」ポストイットは現代美術館との付き合いを経て、10年後に達成された。

ぜひギャラリーを訪ねてみてください。金曜日のオープニングでお会いしましょう。

↓↓ 心理的安全領域のコンフォートゾーンを抜ける爽快さ ↓↓

↓↓ 金脈より人脈や新たな視点 ↓↓


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