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人間関係が悪いとき、悪いのは関係であって、人間ではない

長年、会社や団体をやっていると、人間関係の悪い人の話を聞きます。
本来は深入りしても仕方がないのですが、それを避けてみんなが組織を動かすと、動けるパスがどんどん減ってきてしまい、いずれは組織が崩壊します。
交通ネットワークで例えると、少し通行止めの道があっても、通行は迂回しながらできますが、そこら中で通行止めで発生すると、どんどん移動しにくくなり、行きすぎると酷い渋滞になり、最終的には移動できなくなります。
会社に置き換えると、本来はこのように進めれば便利なのに、そこの人間関係が悪いので回避すると言うことが起こり、多くの人が余計な工数を抱え、どんどん企業の判断が遅くなるわけです。

ただ、悪い人間関係を改善するのは簡単ではありません。
なぜなら、当人たちは相手が悪いと思っているからです。
ここで重要なのは、人間関係が悪いと言う言葉の中で、悪いのはどこかと言うことであり、それは「人間」にかかってるわけではなく、「関係」にかかっていると言う事です。
要は、当人たちは、相手が悪い(人間が悪い)と思っているわけですが、実際にはその間にある関係に問題があるわけです。
想像してみていただくと、AさんとBさんの人間関係が悪いとしたときに、第三者のCさんがAさんBさんの両方と良い関係である可能性も十分考えられます。
私自身は、人間はなかなか変えられるものではないので、言うことを聞かせようとしても、表面上だけであり、人間は自分で「変わる」以外、他人が「変える」ことなど出来ないと思っています。
よく、人の話を聞いて変わったと言うエピソードがありますが、それは話が本人の変わろうと言うスイッチをたまたま押しただけであり、無理矢理変えさせたわけではないのです。

ただ、関係であれば変えられます。
人間関係の改善で、人間がメインでそれが変えられないとなると詰んでしまいますが、関係を変えるとなると試行錯誤のしようもあると言うものです。
関係の改善はいくつもの方法があると思います。
例えば無理矢理でも2人を誘って話をすると言うものであり、その際には自分が仲介役になるのも良いでしょう。
上司なら、2on1をやるというのも悪く無いと思います。
どちらかが、もしくはどちらもが、別々の部署に異動するというのも効果的でしょう。
人間が悪いとどうしようもないですが、関係が悪いだけなので、異動して新しい関係値が作られれば問題なくなります。
他にも人間関係の改善については、やり方はたくさんあると思いますが、ここで言いたかったのは、その手法ではなくて、「人間関係の改善は、人間ではなく、関係を変える事だ」、ということが伝えられれば、今困ってらっしゃる方の突破口になるかもしれないなと思ったわけです。

余談ですが、さくらインターネットにおいても、人間関係の悪い役員がいました。
困ったのは部下で、どうしてもその部署間での直接のやりとりは避けて考えるようになり、様々な物事の進みが悪くなりました。
その際には、その役員2人に1on1で話すよう促したり、私も含めて2on1をして食事行ったり、すごく時間をかけた結果、今ではちゃんと話ができるようになり、部下もすごくやりやすくなったと言っています。
それでも改善しなければ、管掌部門を変えるとか、ポジションから外れてもらうとかすればいいわけで、ただ多くのケースってそこまで行く事は少なかったです。
上司が部下同士の人間関係を良くする事に時間を使えば、その効果は計り知れないものになります。

今回は、人間関係が悪いままで、放置することで、起こる組織の崩壊を避けるために、人間と言う変えられない場所ではなく、関係と言う変えられる場所にどう取り組むかの話でした。

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