「働く」という価値
また東京では、週明けから緊急事態宣言になりそうですね。ここ数日、天気も不安定で九州地方での大雨での特別警報や、静岡県の土砂災害など、コロナ以外でも日常生活を脅かされる状況が続いていますが、気だけはしっかりと持っておきましょうね。
前回のまちづくりFACTFULNESSでもお話しましたように、恐怖本能が芽生えると正しい情報が耳に入らないことも多いので、注意しましょう!
さて、今回のnoteですが、日常生活とは切っても切れないもの、「働く」をテーマに書かせいただきます。
◆ひとつのブログとの出会い
バリュー・リノベーションズ・さの(VRS)では、大学生に向けた、まちづくりインターンシップに取り組んでいますが、この事業を担当している学生メンバーが、社会人経験がない中でも、インターシップに参加していただいている学生に何かをつかんでもらうことをテーマを考えていただいています。
こちらが求めているゴールは、まず希薄になってきている「働く」という意義を知っていただくこと、次に社会に出る前にまちづくりインターンシップに参加してよかったと感じてもらうこと、最後に、「働く」ということを自分の既定の概念の中にあるイメージから外してもらうこと、をゴールとして設定しました。
そのゴールを設定するに当り、VRSメンバーの学生たちに、まず「働く」ということを理解してもらわければと考え、いろんなサイトを探していると、一つのブログを見つけました。そこには、このように書かれていました。
1日のはじまりを想像してみてください。みなさん朝起きたら顔を洗いますよね。安全な水で顔を洗うことができるのは、水道局の人が水質を管理してくれているからです。 今朝は何を食べましたか?例えば、トーストに目玉焼きに牛乳だとします。パンはパン屋さんが作ったもの、たまごは養鶏場の人が育てたニワトリが産んだもの、牛乳は牧場の人が世話をしている牛から採れたものです。 このようにわたしたちの生活は、誰かの仕事によって支えられています。 パンを作って、ニワトリや牛も育ててなんて、自分の力だけではできないですよね。(ラヴィ・学びと成長のプラットフォーム「【小学生でもわかる】人はなぜ働くのか。働く意味・理由ってなに」より引用)
私たちは日常生活において、あらゆるモノに触れています。その一つひとつのモノには、様々な人の仕事によって成り立っている、言われてみれば「確かに」と思いますが、人って「日常」だと、往々にしてぞんざいに扱いがちですよね。
◆日常の大切さ
例えば、旅に出たとしましょう。その旅先では、日常にはない風景や体験が味わえ、気も大きくなり、ついついお財布もゆるくなってしまいがちですよね。
でも
日常だと、毎日のことだからと言って、お財布のひもが硬くなり、1円でも安い店へと時間をかけて買い物に行ったりしませんか?
ついつい「当たり前」のことを、自分も含めて人っておろそかにしがちですよね。例えば、見慣れた風景、家族との時間、仕事をしていること・・・
でもその「当たり前」が急に無くなくなってしまうと、違和感を感じて、時にはストレスを抱えたりしますよね・・・
人には環境適応能力があるので、たいていの人は時が過ぎれば、新しい環境に慣れていきますが、そうでない人も中にはいます。
無くなって初めて気づく、当たり前の「日常」の大切さ。時間って無情なもので、戻りたくてもゲームなどのようにリセット(後戻り)ができないのが現状です。
◆「働く」という価値
話を戻して、では、なぜ「働く」のか・・・
働く目的として一般的に言われているのが次の10個です。
①生活や自立(生きるため) ②やりたいことの実現
③楽しみ ④将来の不安の解消 ⑤社会的地位の獲得 ⑥自己成長 ⑦人や社会との関わりを持つ ⑧社会貢献 ⑨理想のライフスタイルの実現 ⑩経験を積み重ねる
特に①が働く目的として挙げられる方が多いのではないでしょうか。 ただ①の目的だけで「働く」となると、「働く」意義を見つけなければ、自分の存在価値を見失ったりして、仕事が嫌になり、違う仕事を探したり、仕事をしないという選択も出てくる場合もあります。
先ほど紹介したブログの中に、このようなことが書かれていました。
医師は誰かの病気を治してくれて、消防士は火事のときにすぐ駆けつけてくれます。このように「誰かの役に立っている」と感じやすい仕事もあれば、そうでない仕事もあります。 例えば、会社員などがそうです。会社員は会社(チーム)の一員として、仕事を役割分担しています。なので、一人ひとりの仕事だけをみると、役に立っているかどうかなかなか見えにくい場合があるのです。 でもどんな仕事も必ず誰かの役に立っています。なぜなら、会社(チーム)全体で生み出した商品やサービスに、お金を払ってくれる人たちがいるから。(ラヴィ・学びと成長のプラットフォーム「【小学生でもわかる】人はなぜ働くのか。働く意味・理由ってなに」より引用)
「働く」ことを単にお金儲けのツールと思うだけでなく、自分の「働き」で誰かの役にたっていると思うと、その「働き」に意義を感じ、「働く」モチベーションが上がったりしませんか?
◆まちの衰退
まちの衰退は、人口減少化や高齢化だけが問題ではなく、まちに出て活躍しようとする人材が減った、そのことが大きな原因だと考えています。
しかし、地方で働くには人件費が安いだけでなく、労働環境も整備されていないのが現状です。下の表を見ていただくとわかるように、20年ほど人件費は抑えられたままです。
しかも、企業貯蓄と家計貯蓄のGDP比では企業側が30%を維持している反面、家計は年々減少し、30年前と比べると半減しています。
これは2019年のデータなので、コロナ禍ではこの格差はもっと広がっているものと思われます。
地方都市と都市部での最低賃金の格差などを考えると、働く環境が整った場所で働きたいと思い、東京一極集中になるのも当然の流れと思いますが・・・
◆新たなステージへの挑戦
VRSは、泉佐野市の中心市街地の再生事業を行うため、2年前に活動を始めました。初年度は「ひとづくり」、昨年4月から今年3月までは「しかけづくり」、そしてこの4月からは「まちづくり」を方針として、活動をしています。
まちづくりとは、色々な意味合いがあり、施設整備などに使われるものや、ソフト面での意味に使われたりしますが、VRSでは、どちらかというとソフト面でのまちづくりを重視しています。それは、まちづくりプレイヤーがいなければ、活動場所を開拓する必要がないからです。
一過性のイベントをするために、活動場所を開拓するとなると、簡単なリノベーションであっても費用は発生するわけですし、そのイベントにも費用がかかることから、リノベーション費用とイベント費用の両方に費用が発生し、イベントだと収入だけで賄えないことや、今後の維持管理にも費用が発生するなど採算度外視で行わなければならないからです。だからVRSでは、需要と供給のバランスを重要視しています。
そういう観点から、まちの衰退にストップをかけるためにも、まちに出て活躍しようと思っていただく人材が必要となります。
今回、VRSでは、女性層をターゲットとした新規事業に取り組むため、新たにメンバーを募集しています。ただ、誰でもいいというわけではありません。VRSの方針や取り組みを理解しつつ、自分のスキルもあげていこうと思われる方を募集しています。VRSの志(CREDO)は下の画像の通りです。
今回のミッションは、泉佐野市で、「働く」環境の中で女性が活躍できるきっかけを作り、その人たちと共に、まちの課題に挑み、エリアの価値を上げ、女性がイキイキと活躍できるサポートをしていくことです。
いわゆる「まちづくり」の経験は一切問いませんが、さまざまなキャリアを積んできた人材と、この仕事をやり遂げる「やる気」が必要です。
詳しい内容や条件については、VRSのHP(下記)でご確認ください。
◆何気ない日常の価値
時は過ぎ、街並みも変わり、人々が暮らす日常は知らない間に変わりつつありますが、気が付いたときには、昔の日常が返ってこないことが多々あります。13日に開催のバリュー・リノベーションズ・さの設立2周年記念講演会「さの町場DIVER」は、そんな何気ない日常を気が付いたときにでも大切にしていただきたいというメッセージを込めた講演会にしたいと思います。
まだお申込みが終わられていない方は、VRSのHPよりお申込みください。遠方などで会場参加ができない方にもYouTubeで配信していますので、そちらもご利用ください。
◆最後に
前回のnoteでご案内しました、まちづくりビジネス専用noteをアップしていますので、またご覧いただきますよう、よろしくお願いします。
このnoteを書いている時間帯は、長かった梅雨もそろそろ明ける予感がする、少し暑さが体に応える昼下がりです。皆さんも体調を崩さないようにしてくださいね。
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