オワコンまちづくりアワード
世間ではお盆休みになりましたけど、みなさんのところでは長期休暇になってますでしょうか?
最近、特に北日本では集中豪雨が続いていますが、帰省の時期のタイミングに重なったので、帰省を見合わせる方もおられるかもしれません。
まぁ、どんなに技術が進歩したとしても、自然には勝てないということなんでしょうね•••
帰省する楽しみは、年に何回かしか会えないおじいちゃん、おばあちゃんや親戚と顔を合わせ楽しく話をすることや、自分たちが暮らす街並みと違った風景を楽しむことではないでしょうか?
都会で暮らす人たちにとって、山や川、海など自然に触れることが少ない人たちには貴重な経験となりますが、そういう貴重な経験ができる場所を宝物として大事にはせずに、どこの街にでもある高層ビルや商業ビルが建ち並ぶ再開発事業による都市開発をして結局は選ばれないまちになってしまうだけでなく、都市開発をしなくても、古民家だからカフェにでもしたらいいじゃんという安易な発想でどこにでもある街並みにしてしまいがちです。
今回のnoteは、古民家が人を呼び込める有力なコンテンツと思い込み過ぎて、他でもやっているようなカフェやゲストハウス、コワーキングスペースにして、自己満足で終わり、気がつけば人が訪れないといった、オワコンなまちづくりへの警鐘をテーマに書かせていただきます。
▼「オワコンまちづくり」とは
みなさん、「オワコン」ってご存知でしょうか?
私めは最近知ったのですが、どうもこういう意味らしいです💦
「オワコン」の意味を見ると、過剰供給により話題性が薄れてしまい、物珍しさもない普通のコンテンツとなってしまい、最後にはどこにでもあるから飽きられてしまうという構造なんでしょうね。
以前に、このアカウントと別のアカウントで連携して書かせていただいた「僕らのブルーオーシャン戦略」でも触れていますので、そちらもご覧ください。
冒頭でお話しましたように、バブル期に建築ラッシュとなった高層ビルなどの都市開発は失敗に終わり、ハード整備よりソフト整備ということで、15年くらい前から今ある物件をリノベーションして活用していく流れが新たに誕生してから、古民家活用ラッシュが起こり、今では古民家活用もいっときの勢いが影を潜めてきています。
古民家1軒だけをリノベーションして、人がその物件を目的に訪れることは、よほどのインパクトのあるコンテンツがなければ人は来ませんし、またインパクトのあるコンテンツがあったとしても、先行き不透明な状況では持続して人が訪れ続けることは非常に難しいと思われます。
つまり
古民家再生≠まち再生
なのです。
古民家を使ったとしても、単体では余程のインパクトがない限り、残念ながらまち再生に直結しないのが現状です。古民家だから活用すれば人が来るという勝手な妄想を追い続けている限り、「オワコンまちづくり」になってしまうのです。
▼ファイナンス度外視のヘリテージマネジメント
古民家などを保存活用する「地域歴史文化遺産保全活用推進員(ヘリテージマネージャー)」なる人がいるそうですが、歴史文化遺産を保全ってどういうことでしょうかね?
歴史的建造物をその建築当初のまま保全することを意味するのであれば、適切に管理されていない状態から、その使われていた頃の当時の状況まで回復させるとなるとかなりの補修費用がかかりますし、その回復後に歴史的建造物の外装のみならず、内装などの機能も当時のまま保全しながら活用するとなると、結構維持管理に費用がかかることに加え、その当時に建てられた物件は断熱効果がほぼ0のため、真夏や真冬などの暑さ寒さを凌ぐのに結構な光熱水費がかかったりします。
同じ古民家を活用して蕎麦店を開業した人の失敗事例が紹介されていますので、そちらもご覧ください。
とある物件の活用について、建築家らしき人が「残念な使い方」と酷評していたそうですが、その人が考える活用に必要となる改装費や維持費、それに見合う収益構造を聞かせてもらいたいですね。
たぶん、「歴史的価値があるのだから、行政がその維持費を負担すればいいんだよ」という答えしか返ってきなさそうですが、それは自分たちがリスクを背負わず行政に負担を強いるのは無責任ですし、またよほどの歴史的価値が古民家は保存するだけでは意味はなく、活用して維持できる以上の収益構造をあってこそ初めて価値があるわけです。
▼資産は保存するものではなく活用するもの
不動産だけでなくお金もそうですが、活用しなければ市中に出回るものではないため経済に貢献しません。活用することで人が動き、お金も動くわけで、そのことで経済も回り、最終的には税収につながってきたりするわけです。そういうスキームを構築していくことで、行政は古民家の活用にお金を出しやすくなるだけでなく、全国的な問題となっている「空き家問題」の解決にもつながるわけで、景観や治安の悪化や資産価値の低下の抑制にもつながります。
空き家などの遊休不動産をそのまま放置しておくと「負」の資産しかなりませんが、遊休不動産をうまく活用することで「富」の資産に変えていけるわけです。
▼リノベーションまちづくりプロジェクトに参加しよう!
一般社団法人バリュー・リノベーションズ・さの(VRS)は、泉佐野市から委託を受け、「リノベーションまちづくりプロジェクト」を進めています。
このプロジェクトは3つの柱で構成しておりまして、以下のようになっています。
こうした3つの柱を連携させていくことで、スムーズに遊休不動産やそこで活躍するプレイヤーの発掘から利活用につなげていこうとするものです。
まずは「リノベーション改装費用の補助」ですが、対象となる改装費用の2/3を補助する制度(上限250万円)となっています。詳細は下の画像をクリックしていただくとサイトに移動します。
次に遊休不動産オーナーに向けたセミナー&講演会ですが、こちらは来たる8月17日(水)18時から19時30分までオンラインで開催します。詳細は下の画像をクリックしてご確認お申込みをお願いします。
最後に、遊休不動産を使って新規事業を立ち上げるプレイヤーの発掘につなげる実践型ワークショップ「浜街道リノベーション実践塾」です。
こちらの方は日程だけ決まっていますが、講師陣は確定していませんので確定し次第ご報告しますので、今しばらくお待ちください。
▼オワコンまちづくりアワードをもらわないために
どこでもやっていることを、敢えてそこに古民家というコンテンツがあるからやるというだけは、特にその地域に訪れなくても他の地域でもいいわけで、ましては昔は繁盛していた業態がその地域では成り立たないから廃業したものを、「あればいいなあ」だけで事業採算性も鑑みず、話題性だけでは衰退に歯止めをかけるのではなく、延命措置をしているに他ならないのです。
ましてや、それを行政からの補助金をアテにして改装費や運営費の一部を賄うだけでなく、ひどい場合は行政に運営費を全額負担させる提案を平気でして、自分の手柄にしようとする、なんちゃってヘリテージマネジャーや、なんちゃってコンサルがいるのであれば、目を覆いたくなります。
そういう人たちには「オワコンまちづくりアワード」とその改修費などにかかった費用の請求書でも渡してあげたいですね笑
例え歴史的な価値がある物件であっても、物件も含めた敷地単体では価値なく、その物件を含めた周辺エリアとの相乗効果を考えて初めて価値につながるんですよね。いくら歴史的な価値がその物件にあったとしても、エリア全体で考えないと衰退は止まりませんよ、きっと。
対岸の火と思わずに、VRSは物件単体で考えず、物件周辺のエリアの活性化につなげていけるよう、これからもリノベーションまちづくりプロジェクトに邁進していきますので、よろしくお願いします!
サポートしていただけると、モチベーションをもってnoteに取り組めます!(笑)