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出雲神話2~国生み神話~

イザナギ・イザナミよりも少し前の時代。
地球は幾度も氷河期と間氷期を繰り返し、そのたびに人々は大移動を繰り返します。別々の土地で暮らすことになった人類には、様々な種族がいました。

ホモエレクトス、クロマニヨンジン、ネアンデルタール。。。しかしそれらの人類は3万年前くらいまでには滅んでいき、我々の祖先ホモサピエンスが生き残っていったのでした。

そして今から1万3千年前くらいには氷河期が終了。地球はさらに温暖化し、大事件が起こります。海水面が大規模に上昇し、ついに日本は大陸から独立していったのでした。

その大変化に、大陸側に残ろうとするもの、そして日本という島国へ行こうとするものに分かれて行ったのです。

古事記に見える日本国土形成

国生み神話
 イザナギとイザナミは男女の性の力を用いて子を成す秘術を編み出しました。この時、世界にはまだ大地はなく、ドロドロとした液状の世界が広がっているばかりでした。まずイザナギとイザナミは天上界から天沼矛(あめのぬほこ)という槍を、下界に下ろし「こおろこおろ」とかき混ぜました。
 すると、天沼矛から一雫滴り落ちた水滴が、見る見るうちに固まり島となりました。自ら凝り固まったので、自凝島(おのころじま)と名付けました。イザナギとイザナミはこの自凝島に降り立ち、この島を拠点として次々に国土を産み出します。国生みの始まりです!
 まず最初に産まれた島は手足がなく不完全な体をしていた為、船に乗せて流されました。この島は蛭子(ひるこ)と名付けられました。
 そして次から日本国土が産み出されます。
淡路島→四国→隠岐の島→九州→壱岐島→対馬→佐渡島→本州
この順に産み出された八つの島は大八洲(おおやしま)と呼ぶのです。

槍で国土を生み出すというのはもちろん比喩表現でしょうが、大陸と陸続きだった日本が、海水の侵入により徐々に島国として独立していく様を表しているのでしょう。
1万6千年前の物と判定される土器が青森から出土している事から考えると、氷河期の段階で人々の生活があり、土器を造る技術・文明があったと考えられます。

日本の大八洲が誕生した順番というのは、物理的な形成が進んだ順番ではないかもしれません。もしかするとイザナギ・イザナミの統治が進んだ順かもしれません。

その根拠として大八洲には神様としての名前がついているのです。


大八洲の御神名

本州の名前
大日本豐秋津洲(おおやまととよあきつしま)
天御虚空豊秋津根別(あまつみそらとよあきつねわけ)

本州は2つの名前を持っているのですが、アキツシマという部分は共通しています。

四国の胴体の名前
伊予之二名島(いよのふたなのしま)

四つの顔の名前

愛比売(えひめ):伊予国
飯依比古(いひよりひこ):讃岐国
大宜都比売(おほげつひめ):阿波国
建依別(たけよりわけ):土佐国

四国は胴体が1つで、顔が4つあるという。それぞれの顔に名前が付いて記述だけ見るとまるでキメラの扱いですよね。

九州の胴体の名前
筑紫島(つくしのしま)

九州の4つの顔の名前
白日別(しらひわけ):筑紫国
豊日別(とよひわけ):豊国
建日向日豊久士比泥別(たけひむかひとよじひねわけ):肥国
建日別(たけひわけ):熊曽国

九州も胴体が1つで、顔が4つあるという。それぞれの顔に名前が付いており、筑紫というのは主に北九州、豊国は東部、肥国は中部、熊曽は南部とされています。

九州の体を熊曽のあたりを足とすると筑紫のあたりが胸や肩となるため「宗像(むなかた)」と呼ばれます。

その他の島々の名前
壱岐島:天比登都柱(あめひとつばしら)
対馬:天之狭手依比売(あめのさでよりひめ)
隠岐の島:天之忍許呂別(あめのおしころわけ)
岡山の児島半島:建日方別(たけひかたわけ)
瀬戸内海の小豆島:大野手比売(おほのでひめ)
山口の屋代島:大多麻流別(おほたまるわけ)
大分の姫島:天一根(あめひとつね)
長崎の五島列島:天之忍男(あめのおしを)
長崎の男女群島:天両屋(あめふたや)


国生み神話とは何だったのか!?

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国土を生み出したのはもちろん氷河期の終了と海洋の動きによる、日本国土形成です。奈良時代くらいの人々が書いた古事記は、当時の宗教観・死生観がふんだんに盛り込まれているでしょう。しかしそれは、奈良時代以前から口伝えで継承してきたストーリーを含んでるに違いありません。

もしかするとこの国生み神話にて並べられた御神名というのは、その土地を統治する人間を任命し、統治者としての名前を与えた事に寄るのかもしれません。

そして国を生んだイザナギ・イザナミは次に神を生みだしていきます。神生み神話と呼ばれています。

それはまた次のお話で。

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