「ファンをつくる」ことを目的にしてはならない
「ファンをつくりたいんです!」
そう言ってきた彼に違和感を感じた。
彼はすごく誠実で、自らの表現を大切にしている人。
そんな彼が「ファンをつくる」という。
いいじゃないか。是非応援したい。
と、思うのが普通じゃないか?
でも僕はそこに違和感を覚えてしまった。
・・・おそらく、「ファンをつくる」ことはどこまでいっても目的になれないのではないだろうか?
自分の表現を誰かに届けたい!
(わかる)
その結果、誰かが何かを得てくれたらすごく嬉しい!
(すごくわかる)
多分、それが目的。
その結果、ファンになってくれるのであればそんなに嬉しいことはないだろう。
だけど、「ファンをつくる」を目的にした途端、その「ファンをつくる」ために最適化された手段が生まれてしまう。
それは「媚び」につながるのかもしれないし、「卑しさ」につながるのかもしれない。
お金を払えばフォロワーが買える時代。
そんな時代に「ファンをつくる」ことを目的にすれば、それはきっとお金を払うだけで達成できてしまう。
そんなことで手に入る「ファン」がほしかったんだろうか?
一方で、自分の表現を届けることでファンになってくれた人がいるのであれば、その人のために貢献することは素晴らしいと思う。
この場合のみ、「ファンのために」は成立する。
順番を間違えちゃダメだ。
目的を見誤ったときから、本当に欲しいものが手に入らなくなる。
と、そんなことは多分全部わかった上で彼は、「ファンをつくりたい」って言ってたのかもしれない。
きっとそうだ。
信じなくてどうする。
だって僕は彼のファンになったんだから。
おあとがよろしいようで。
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