沖縄的味表現「味くーたー」の意味を知ると、料理がもっとおいしく楽しくなる。
沖縄の味の表現で「味くーたー(あじくーたー)」という言葉があります。
最近では「こってりした味・濃い味」という風に使われることが多いのですが、そうではないのです。
これが本来の意味。
沖縄の伝統的な料理が出汁によるうま味を生かした料理であることを象徴する言葉です。
調理法としては 「出汁のうま味を凝縮させて、素材に染み込ませる」 という工程になります。
沖縄の料理は「だし」が命であることは、以前noteにも書きました。
鰹と豚の出汁を基本に、昆布や乾燥椎茸などのうま味素材を組み合わせ、「味くーたー」な沖縄らしい料理が完成します。
「味くーたー」は色んな料理にあてはまる
ところで「味くーたー」って、あらゆる料理に共通する考え方でもありますよね。
肉系でも魚系でも、薄味でも出汁がよく効いたスープなんかを食べると「あぁ、おいしい…」って心からの言葉が口をついて出る。
うま味が足りないと「なんか味が足りないんだよな…」なんて思いながら、どんどん調味料を足していっちゃう。
つまりは うま味素材を知っているほど、うま味の出し方を知っているほど、料理はおいしくなるし実験みたいで楽しい、と思うのです。
味くーたー料理、沖縄ごはん部門の代表
ごはん部門の代表といえば、炊き込みごはん「ジューシー」でしょう。
豚と鰹のうま味、そこに干し椎茸が加わる。米や具材にうま味が染み込む、その相乗効果たるや。
おにぎりは沖縄のコンビニではロングランのレギュラー商品で、まさしく県民熱愛グルメです。
ジューシーを作る時はちょっと面倒でも、削り節を使って引いた鰹出汁を使うことをお勧めします。
何とも滋味深い、味くーたーな料理になりますから。
今日のうつわ
ジューシー・・・育陶園
そうめんかき玉汁・・・陶眞窯
かまぼこ・・・読谷山焼北窯・宮城正享工房
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