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緑色の島風〜沖縄ライフありんくりん〜 vol.13|『長寿県はいまや幻!? 都道府県別平均寿命が発表されました』(2023年2月号)

オキナワをもうちょっと知りたくなるマガジン「ハイサイ!ウチナータイム!」に寄稿している原稿を転載しています。最新版はコチラからご覧ください。

2022年の年末、沖縄に激震が走りました。
厚生労働省が12月23日に都道府県別平均寿命を発表しましたが、おそらく「思った以上に更に順位が下がった」のではないでしょうか。
前回調査(2015年)に比べて男性が36位から43位、女性は7位から16位に後退しました。

沖縄県は同日会見を行い、玉城デニー知事の「結果を厳しく受け止めている」とのコメントを発表。(2022年12月24日 沖縄タイムス記事より)
県は「沖縄県健康増進計画」を掲げ「2040年に男女とも平均寿命日本一」を目標としているだけに、なかなかに辛い結果です。

とはいえ悲観してばかりもいられません。どこかに打開策はないのでしょうか?

別の見方をしてみましょう。ポイントは「平均余命」です。
平均余命とはある人が、その後何年生きられるかという期待値のこと。平均寿命が85歳だったとして、調査時点で0歳の赤ちゃんの平均余命は85年ということになります。
では平均余命ランキングはどうなっているか…?

はい、来ました!女性は65歳・75歳のゾーンで1位、男性は75歳のゾーンで1位という結果に。
つまりは年代が上がるほど長寿が期待でき、働き世代の平均余命とのギャップが平均寿命の延びを抑えているという状況が見てとれます。

もう少し深掘りしてこの年代の方々が生まれた当時の時代背景を見てみましょう。
調査年が2020年ですから75歳の方は概ね1945年生まれ、65歳の方は1955年生まれということになります。
1945年といえば終戦の年、1955年は米軍統治下真っ只中。
欧米の食文化が一気に入り込み、食生活を大きく変えるターニングポイントとなった時期で、65歳以上の方と若年層との平均余命のギャップと無関係とは言いきれなさそうです。
もう少し調査を進めないことには確証めいたことは言えませんが、食生活を含む沖縄の伝統的な暮らしには、健康でより良く生きるヒントがたくさん詰まっていたのだろうと、思わざるをえません。

昔ながらの暮らしをそのまま踏襲することは難しくとも、そのエッセンスを取り出し今の生活に生かせるならば、とても有意義なことなのではないでしょうか。

では「エッセンス」とはー。
別のタイミングで、また改めて書きたいと思います。
まずは「平均余命にヒントあり」というポイントのシェアまで。

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