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対話

2023/03教室だより

『私自身の学びの循環』

これまで数多くのご家族やお子さまと接する機会をいただいて、会話をするときに大切にする軸のようなものができました。
これは職業柄だと思うのですが、相手が悩んでいることの理由のようなものを察して、言葉を交わしながらアプローチしようとする力です。
これは対話力ともいうべきもの。もちろん、発展途上ではありますが、仕事をする上で大切にしていることです。

私自身が悩んだ時や、明確な答えが出ないとき等に、相談するのは、社員の担当さんです。
公文教室はほとんどがFC(フランチャイズ)なので、地区ごとに担当さんがいらっしゃいます。
この担当さんと積み重ねてきた対話は私にとっては宝物です。
私が気付いていないようなことを鋭い質問として問い直されることで、気付かせていただいたことも多いです。

ほとんどの悩みの原因は、私自身にあります。
そして、それは自分で気付かなければ、素直には受け止められない。自分で仮説を立てて、解決しようとする姿勢こそ、大切と思えるのです。
そういう気づきを今度は私が関わる方にも循環したいと考えています。

だから、私は答えだったり、こうすべきというような発言は一切しないように心がけています。
こうも考えられるし、こうかもしれない、的外れのこともあるかもしれないけど・・・どう思われますか?と問い直します。頼りないと思われるかもしれませんが、どのみち、完璧には分かりようがないのは仕方が無いことです。

いつも人は、誰かに答えを教えてもらいたがる生き物です。右向け右!と言われたら右を向く、そちらの方が楽ですよね。
でも、本当の解は自分の中にある。それは私も、保護者さまも、お子さまもそう。自分で道を見つけないといけないのです。

『子どもがお家で公文をしてくれない』

家で前向きに公文をしてくれない、そういうご相談が来た時、何に原因を求めますか?

教材の与え方(難しい、簡単)かもしれませんし、先生が怖いのかもしれない、ご家庭のルール不足かもしれませんし、生活リズムだったり、何が原因か等、具体的に調べてみないと分からないものです。

一概に公文が合わない、やりたがらないで片づけないことが大事です。

課題や解決方法は、自分が変えられるところに設定することが、課題解決の基本です。
これを何かのせいにしてしまっても、変えられませんので、意味がありません。
本当は何かのせいだとしても、何かのせいではないかも?と考え直すことです。

『悪いのは子どもではない』


それを公文式では『悪いのは子どもではない』という標語で語っています。子どものせいにすることなかれ、ましてや保護者のせいでもない、というのが、公文式指導者に求められている基本姿勢です。
そういう意識で関わる方と対話をさせていただいています。子どもを伸ばせなかったら、私自身に非があると思うことが大切と思っています。

だから、子どもにも、『やりなさい』とは、言わない教室です。

たまにお話が長い子がいて、そろそろ公文に取り掛かろうか?と言うことはありますが、『やりなさい』『静かにしなさい』というような学習を強制する雰囲気は教室にはありません。

気付くと、自分で必要な準備は全部して、学習を始め、良い顔をして帰る、そんな教室です。途中おしゃべりしても、気付くと自分の勉強に戻っている、そういう子たち。
でも、最初からそういう雰囲気だったわけではありません。
私やスタッフの先生の意識の変化が大きいと思っています。子どもがそこにいて、自分で頑張るように教室という環境を変えて行ったのです。

以前、教室には『静かに』という張り紙がありました。その張り紙があるということは、その当時『静かではなかった』。
200人以上いる生徒さんが、教室に好きな時間に入れ替わり立ち替わりします。大騒ぎするような子もいました。だから、どうしても静かにさせなきゃという気持ちだけが強かったのですね。

ある時、ふと、これ要らないかも、と気づいて、もう貼ってありませんが、気付くと言わなくても良くなったなと感じたのです。

静かにさせようなんて思わなくて良かった。
ただ自分の勉強ができるように、子どもを認め、出来ない原因を分析し、必要な課題解決をしようとする姿勢の先生が居ることで、子どもが伸び伸びと頑張り始めます。

そうお伝えすると、親が頑張るべきと思われる方がいらっしゃいますが、そういうわけではありません。どうやったら、教室で学ぶようになるのか?教室に有って、お家に無いものは?という発想。近すぎず、遠すぎず、見守っていること、頑張ったら自分が一番分かっていること、悔しいときもそう。
だから、多くを求めすぎず、着実に能力を伸ばせているか?と教室では静かに分析しています。

頑張るのは子ども自身です。
自分で自分のことと思って頑張れるような子に育てていきたいですね。ほとんどの場合、周りの大人が頑張りすぎると逆の方向に行ってしまいます。子どもは自分で自分を育てる能力を持っているんですよ。その力が発揮できないとしたら、それは周りが頑張りすぎて、周りに依存している関係性になっているという証拠です。

見つけてあげてください。子どものキラキラする瞬間を。できたよ!と笑顔で大人に目線を向けてくる、その喜びに共感してあげてください。大げさな誉め言葉も、叱る言葉も要らないんです。ただ、その瞬間を見つけて、一緒に喜ぶことです。

~同業の皆様、私の発する文章は私に属しており、許諾なく、再利用されないでくださいね~切磋琢磨する仲間であることを願います。東郷


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