徒然雲 春されば
ここ数日雨が降ったり曇りだったりとパッとしない天気続き。
この前の日曜日もそんな曇り空だったが、用事を済ませがてら少し散歩をした。
久々に訪れたのが久米寺。
こちらは以前に一度記事にしているが、なかなか謎と言いますか開基など不明な点も多いが、伝承で見るとかなり興味深い内容の創建の背景がある。
開基が聖徳太子の弟来目皇子と伝わっているのです。
また、空海が当寺の東塔において真言宗の根本経典の1つである『大日経』を感得(発見)したとされているのも興味深い。
そんな白鳳の時代創建とされる古刹、以前も書いているので今回はサクッとご紹介。
橿原神宮のすぐ隣といえる場所にある。
ワタシはこちらの仁王門のお二方の表情が好きですね。
今でこそこじんまりとした境内だが、かつては大寺院だったとのこと。
こちらも季節で様々な花が美しいお寺。
雨が降ってきたので本堂で雨宿りしていると、近所にお住まいらしき方々が
通りがかりに立ち寄って、パッとお参りして通りぬけていく様子を何人か見かけた。
そしてご年配のお姉さん方も、ここで「あら、お久しぶり、どうしてた?」と声かけながら献灯していた。
小雨になったので線路の向こう側の神宮さんへも寄らせていただくことに。
山門の反対、北側へ抜けてすぐの近鉄南大阪線の線路を渡る。
橿原神宮の参道の途中に合流する。
日曜日とあって参拝者がたくさん来ていた。
いつもの深田池。
ワタシが奈良で見る池でもかなり上位に好きな池の一つ。
ここから眺める葛城山、金剛山が美しい。
今日もカモたちが賑やかに鳴きながら、あっちにこっちに泳ぐのを横目に
全く微動だにせず、己の世界に入り込んで天を仰ぐカメ。
何思う・・・
梅に松に亀に、なんだか縁起の良さそうなものをたくさん観ながらの散歩だった。
畑の真ん中にポツンと咲く梅の花が好みだが、ちょっと年季の入った鄙びた民家の庭先に観る梅もなんとも侘しさと趣があり良いですね。
それで、先日の万葉文化館の壁に飾ってあった歌を思い出した。
春さればまづ咲くやどの梅の花独り見つつや春日暮らさむ
山上憶良
切ないですな。
春さればまづ咲く梅を、細雨ふる古都でながめた・・・
そんな大和の早い春をあるいた。
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