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人間とはよくできた生き物だ|第2話 君には失礼だけど吐き出したら楽になった

前回のお話はこちらから

昼食は会社近くのタバコが吸えるパスタ屋さんに入った。


いつもなら、食べる前に1本。


食べ終わってから2〜3本は吸うのだけれど、その時はタバコに火をつけては消し、またつけてを繰り返し合計7本もムダにしてしまった。


(風邪かな。風邪のときのタバコはまずいな)


とりあえず今日を乗り越えれば週末だ。


とは言えやはり調子は悪く、オーダーしたミートソースパスタも半分以上残してしまった。


粗めにひかれたひき肉とコクのあるトマトソース。


細いけれどしっかりとした歯ごたえのあるパスタ。


ピリリとした黒こしょうも最高においしいパスタなのだが、どうにもこうにも受け付けなかった。


(あぁ、だるいだるいだるい)


そう思いながら席を立った…あたりまでは覚えていた。


*****


『オエェ』


聞こえた瞬間口から真っ赤なものが飛び出して来た。


「あらあら、しんどいかな。ここに出して」


誰かがそう言いながらバケツを差し出してくれた。


背中もさすってくれているようだ。


とにかく私はムカムカとして、胃の中のものをすべ吐き出してしまいたかった。


『オエェ。。。ボッ、ボエェ』


涙が溢れ、喉が焼けるように痛かった。


『ボエ。。。』


ひとしきり吐き出し、少しだけ楽になった。


「はい、これで口をゆすいで。水もこのバケツに出しちゃって」


その人は水の入ったコップを差し出してくれた。


「ずびばぜん。何から何ばでありがとうございばす」


涙と鼻水と吐瀉物でべちゃべちゃになりながらお礼を言い、口をゆすいだ。


「はい、これも使ってね」


真っ白く清潔そうな腕にタオルがかけられていた。


そこで初めてこの人が女性だと気付き、顔を見上げた。


「あっ、ありがとうございます。」


とても白く美しい女性だった。


しかし、安いキャバクラのイベントのような、ナースのコスプレをしていた


「じゃぁ、先生を呼んでくるわね。待ってて」


(えっ、本物のナース?)


改めて周囲を見回すと確かにこじんまりとはしているが、ここは病院らしかった。


「はい、こんにちは。きみはね。。。」

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つづき










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