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子育ての答え合わせ 漫画『お別れホスピタル』の記事を読んで

2,3日前からツイッタのタイムラインに時々登場していた記事、漫画『お別れホスピタル』(第16話)。辛くて心にくる記事でしたが、一度はスルーしたものの、何度かその記事のツイートを目にするうちに、やっぱり自分が感じたことを書き留めておこうと思いました。

(読んでいて、認知症になっていなくても、治療の方針は本人ではなく、家族が決めるものなのかな?……という疑問が湧きましたが、ターミナルケアの知識は私にはないので、そこはスルーします)

この記事に寄せた感想で一番多いのが、酷い息子への非難。
親の年金で生活している無職の子どもが多いことは、他のニュースや記事でも何度か見たことがあるので、こういったことは現実としてたくさんあるのだろうなと思います。
そうはいっても、この息子の態度や物言いは酷いし辛いです。

お見舞いには来ない。
お金がもったいないから肺炎の治療はしなくていい。
でも死なせないでくれ。(年金がもらえなくなるから)

息子想いの母は、そんな息子の気持ちに気づきながらも、息子のために、一日でも長く生きようと毎日がんばります。

確かに「酷い息子だ」という意見が多くなるのはわかります。
私も読みながらそう思いました。
しかし、「酷い息子」に育ててしまったのは、この母親であることもまた真実なのですよね。(息子が生まれてすぐに離婚し、母子家庭だったと書いてあるので「母親」という表現を使っています。本来なら両親)
私がこの記事で一番怖いなと思ったのはこの部分です。

この親子が長い年月、どんな関わり方をして、どんな人生を歩んできたかなんて、この看護師さんにはわかりません。けれど、この記事はあくまで看護師さん目線で書かれています。(息子がパチンコをしている絵が入ってますが、これは本当なのか想像なのか……そこもよくわかりませんが)
つまり、看護師さんの脚色なんですよね。

もしかしたら、今はとても息子想いの母に見えていても、息子にとったらお見舞いにも行きたくない、酷い母親だったのかもしれません。
母親はそのことを十分に理解し反省していたから、せめて最期は息子のために、と頑張ったのかもしれません。
そしてこれは、私の脚色です。

本当のことは、この親子にしかわかりません。

親が歳をとって弱くなってから、子どもが親に対してとる行動。それが子育ての答え合わせだと思うのです。
(念の為書いておきますが、私は、子どもたちが年老いた親の面倒をみるべきとは全く思っておらず、子どもは自分の人生を生きてほしいと願う派です)

お見舞いに来ない。親に酷い態度をとる。それは、この親子がそのような関係しか築いてこれなかった結果なのでは、と思うのです。

この記事の感想に、息子と同じような立場の方が寄せたコメントで「こうなりたくないから自分は頑張る」とか「親にこんな辛い思いはさせたくない」と書いている人たちは、そういう関係を親と築けているから、逆にこういう結末にはならないと思います。

だから私は、自分が弱くなった時に、死ぬ時に、人生の答え合わせがくると、今から覚悟しています。それが辛い現実だったら……つまりそういうことなんだと思います。
怖いけど、自分が築いてきたものなので、受け止めなければ、と思うのです。

……怖いけど。……怖いね。

(ちなみに私は、延命処置はしないで欲しい派です。できるだけ人に迷惑をかけずに逝きたいなぁ)


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