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オンラインだから…を言い訳にしない。新卒研修企画振り返り

こんにちは。フォーデジット・HRの藤川です。普段は採用活動をメインに行なっていますが、新卒研修などオンボーディングも担当しています。

今年もデザイナー職、ディレクター職、デベロッパー職で4名の新卒社員が入社してくれました。フォーデジットでは毎年約1ヶ月間の新卒研修を行なっています。例年通り昨年末頃から企画を進め、新しいメンバーを自信を持って迎える、充実の研修プランを組んでいました。しかし新型コロナウイルスの感染拡大により全社員が在宅勤務へ、新卒研修も全てオンライン対応に…。

急遽の変更と未知の取り組みで四苦八苦しながらも、先日無事に終了した初めてのオンライン新卒研修を振り返りたいと思います。

オンライン研修が決定するまで

研修の企画は昨年末から練り始め、今年は海外支社を巡りながらミッションをこなす研修を予定していました。社員に内容を話すと「私もいきたい!」「今年の新卒ずるい!」と言われるような、私たちにとってもチャレンジングでわくわくする研修企画でした。

しかし、2月頃から新型コロナウイルスの感染が世界中で急拡大。航空券や宿泊場所を抑える直前の3月上旬、海外研修を断念しました。

それでも国内でできる研修を!と無人島研修や山奥でのキャンプ、宿坊など、若干迷走しながら研修内容を探りましたが、3月中旬を過ぎると移動自粛が要請され断念…。徐々に在宅勤務への切り替えが進んでいたフォーデジットも、3月下旬には全社員が原則として出社禁止に。新卒社員も入社と同時に在宅勤務となり、ここで研修のオンライン化が正式決定しました。

オンラインへの切り替えが決まってからは、とにかく毎日確認と調整。計画した研修をオンラインでできるように調整したり、メンターなど研修を担当する社員と段取りを確認したり、新卒社員たちの自宅の作業環境を確認したり……この時期はバタバタしすぎていて、ほとんど記憶がありません。

研修スタート

そんなバタバタの中、スタートした新卒研修。今年は大きく分けて4つのタームで研修を企画しました。

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1. 座学研修:会社を知る
まずは会社のこと、事業のこと、業界のことを知ってもらうための、座学で研修をスタートしました。
- フォーデジットについて
- フォーデジットの各事業について
- デジタルデザインの歴史
- キャリアデザインについて

2. チーム研修:一体感をつくる
次に4人でのチーム研修に取り組んでもらいました。課題は「フォーデジットでどう成長していきたいか、フォーデジットをどう変えていくか。」具体的なストーリーをたて発表してもらいまいした。
- 一人ひとりの将来のストーリーをたてる
- チームで共有し、発表形式に落とし込む

3. Webサイト制作研修:ものづくりの観点を得る
ものづくりを体感する個人研修です。Webサイトを1人で1つ作り上げます。期間は6日間、最終日に発表してもらいました。
- 企画・設計・デザイン・実装 全ての工程を自分で行う
- ブラウザで見られる状態に仕上げること
- Webサイトの内容は問わない

4. 職種別研修:足元を固める
メンターとなる先輩社員の監督のもと、職種ごとの課題をこなします。最終日に研修のまとめを1人ずつ発表してもらいました。
- ディレクター:制作工程を学ぶ職種別インタビュー、業界単語テストなど
- デザイナー:Webサイトトレース、バナー制作、文字組み制作など
- ディベロッパー:実装課題など

振り返ると1ヶ月があっという間でした。初めての状況に四苦八苦しながらも、それぞれが工夫し改善していくことで、徐々にオンライン研修のコツを掴んでいくことができたと思います。

やって良かった3つの「しくみ」

オンボーディングのコミュニケーションはそれでなくても難しいです。直接顔を合わせることができない在宅勤務となれば尚更です。今回のオンライン研修では、以下のようなコミュニケーションのしくみをセットしました。

● 常時ミーティング接続(初期段階がベター)
チーム課題の4日間は、新卒社員の4人と私で常時(10:00〜19:00)ミーティングツールを接続していました。
常時接続を始めた1日目に、明確な変化を感じました。それまで新卒同士にあった遠慮や緊張が薄まり、ぐっと距離が近づいたんです。リモートとはいえ常に相手の顔が見える状態にしたことで、同じ空間に一緒にいるような感覚になり、話しかけやすくコミュニケーションが活発になりました。

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● 日報を全社員チャットルームに投稿
新卒社員が日報を投稿するチャットルームに、なるべくたくさんの社員に参加してもらいました。
内容は「今日やったこと」「今日の学び」「明日に向けて」。コメントやスタンプなどのリアクションはモチベーションにつながりますし、社内のメンバーも研修の取り組みや、新卒社員の人となりを知ることできます。双方にとって良い場になったと思います。

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● 10分オンライン朝会
毎朝オンラインミーティングを開き、その日やることをひとりずつ発表してもらいました。
研修期間は個別作業が多く、さらに在宅勤務となると、孤立感を感じてしまうこともあると思います。短い時間ですが朝一に顔を合わせて、コミュニケーションを取るようにしました。表情や声のトーンからもその日のコンディションがわかり、元気ないかな?という子には声をかけてみたり、サポートのきっかけにもなりました。

「研修外」の空気も視野に入れる

苦労したのは、研修外の空気づくりです。オフィスでは自然に発生するコミュニケーションが、オンラインでは難しいと気づきました。

● 研修外のコミュニケーション
メンターなど研修を担当した社員とのコミュニケーションは問題ありませんでした。しかし、それ以外の社内メンバーと話す機会をほとんど作れなかったのは残念でした。

「疑問や相談があれば、誰に話しかけてもいいよ!本人に直接チャットしても良いし、誰に聞けばいいかわからない場合は、相談にのるので教えてね!」と伝えていたものの、顔も名前もほぼわからないメンバーに声をかけるのは、ハードルが高かったようです。このハードルの高さを、当初は私自身が感じ取れていませんでした。

オフィスでは隣の席の先輩に話しかけたり、フリースペースでの雑談など、カジュアルなコミュニケーションが自然に発生しています。オンラインでは、かなり自発的にいかないとコミュニケーションが取れません。今思うと、先輩社員とのランチやカジュアルに話す場を、こちらから設定してあげるべきでした。

● 緊張感・空気感
緊張感が全く無かった訳ではないですが、会社で仕事をすると感じる空気感・ピリッと感は自宅作業だと感じることが難しいなと思いました。

同じ空間にいると、先輩社員の仕事に取り組む姿勢や言葉遣いなど、見て学んだり盗んだりできると思うのですが、リモートだとその姿を見てもらうことができません。逆に研修を担当したメンター側も、困っていそう・煮詰まっていそう・時間通りに終わりそうなど、同じ空間にいたら感じ取れることが見えずに、苦労したと言っていました。

またPCの不具合や作業環境の問題など、在宅勤務で起こる問題は例に漏れず研修中も発生します。社内ツールに慣れていない新卒社員にリモートで指示することは、かなり難易度が高く苦労しました。

オンラインだから…を言い訳にしない

オンラインでできることは限られているように見えましたが、やってみたら色々できるぞ!とわかったのが、今回のオンライン研修で一番の発見でした。

「大学の同期と新卒研修について話したんですが、同期はオンラインになったことで研修がぬるいと言ってました。僕は毎日ヒーヒー言いなら研修を受けているので、大変だけど少しずつでも成長できてるのかなと思い、ありがたいです!」

研修終盤の1on1で、新卒社員の1人が言ってくれたことです。
オンライン化が決定した時に、オンラインでできることから研修内容を考え直すのではなく、元々考えていた研修をどうやったらオンラインでできるかという方針で進めたのが結果として良かったと思います。(単純に考え直す時間がなかったのもありますが…)オンラインだから…を前提に考えていたら、できることの範囲を無意識に狭めてしまい、ヒーヒー言う研修はできていなかったかもしれません。

新卒社員だけでなく私もヒーヒー言いながらチャレンジしたオンライン研修。制限を設けずにまずはやってみる!ということの大切さに改めて気づけた貴重な経験となりました。

新卒のみんなは大変だったと思うけれど、いきなり世界がこんな状況になることは今後なかなか無いと思うので、この経験をネタにするぐらいポジティブに活かし、大きく成長していってほしいと思います!


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