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日本の景観~首都高撤去への想い~

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!


先日、
日経新聞の記事より
『日本橋の青空復活まで18年 首都高速道路が現場公開』
という記事が掲載されていたので、
解説したします。

記事の概要は、
東京の日本橋上空にかかる首都高の高架橋を撤去し、
首都高を地下化するプロジェクトが進んでいて、
18年後の2040年には、77年ぶりに日本橋上空に青空が復活するとのこと。

東京の日本橋には「日本国道路元標」が設定されており、
国道のスタート地点になっています。
「すべての道は日本橋に続く」みたいな感じですね。
日本橋には「日本」という国の名前がついていることもあり、
代表する場所、意味ある場所であるべきと考えている人が多いと思います。

そんな日本橋の上に、
1964年東京オリンピックに向けて、
都市の交通を整えるために高速道路が設けられました。
オリンピック前年に日本橋上空に首都高が開通し、
現在もその役目を担ってきております。


建築業界では、
日本の都市は景観が保たれていないとの声が多く
景観が悪いからパリのようなきれいな都市と比べても
見劣りするとの声が多くありました。

今回話題に挙げられているのは、
日本橋の上空に首都高が走っていて、
日本橋と河川を含めた景観を害しているとの声から、
首都高を撤去して地下化する計画に至りました。

景観というのは建物や道路の集合体が、
街並みを形成し景観となります。

良い景観を形成するためには、
都市設計や、
建物の形態・色彩的制限が必要になります。

ただ、
東京の歴史を振り返ると、
関東大震災や東京大空襲により、
東京は焼け野原になっているので、
六本木が「六本の木」しかなかったように、
もともと残っている建物が少ないということもあります。

江戸時代までさかのぼると
「火事と喧嘩は江戸の華」なんて言葉があるように、
江戸の町では火事が頻発しいったん火事が起きると
木と紙(障子)でできた建物は簡単に燃え広がってしまい
町ごとなくなってしまうのです。

日本で古い建物が残っているといっても、
神社仏閣、倉や城ぐらいです。
それは、一般的には使われないような太い柱を用いたり、
その柱が漆喰でおおわれていたりするので、
耐火性能があるからです。


戦火を逃れてた京都には、
世界最古の木造建築の法隆寺が残されていますが、
神社仏閣でさえも残すことがハードルが高いので、
木造でしかも町屋が残っているのは奇跡に近いです。

街は建物の集合体なので、
良い建物が残らないと良い街並みが形成できないということになります。

ヨーロッパのように石でできた建物で、
地震もない国とは異なり、
建物の造りや地震などの災害国ということをふまえても
日本で建物を残すのは難しいことなのです。

そんな歴史的、地理的背景がある中で、
現状の日本橋周辺の景観を見て
「景観が悪い」
「なんで日本橋の上に作ったんだ」と
批判をすることは簡単ですが、
その当時の先人たちからすると、
住む家をつくることや
オリンピックを開催するために都市を整備することなど、
目の前のことで
先を見ることもままならなかったのではないかと思っています。

江戸以降150年余り、
欧米列強に立ち向かうために街に電気をともし、
石造り、レンガ造りの建物を勉強し街を形成してきました。
そんな中、
関東大震災で街は壊滅状態。
以降復興をしてきたのにも関わらず、
今度は本土爆撃で焼け野原になった第二次世界大戦、
高度経済成長を遂げやっとここまで来たという感じではないでしょうか。

私としては
そんな背景をしっかりと知ってほしいとの想いがあります。

今回の首都高地下化に関しては、
景観を良くする方向で動いているし、
運よくそれを実行できる財力のある東京であることを加味すると、
賛同しております。

今の世の中、
お金がないと作り変えることも困難で、
さらにお金がないと、
作り変えたものがチープで
景観を良くしたかどうかわからなくなってしまいます。

財政的、経済的な状況を踏まえても、
日本橋の景観が良くなることは今後の投資には良い計画だと思います。

ただ、
いろんな状況があり歴史的な背景があるなかで
首都高が出来上がってきており、
「首都高がなくなってよかったね」ではなく、
その歴史的背景も含めて、
この地下化を受け止めてほしいと願ってブログを書きました。


下の画像が過去のものになる前に、
貼り付けておくこととします。

日本橋

※グーグルマップより


これはこれで、
プロジェクトX的な先人たちの汗と涙が詰まっていそうで、
なくなってしまうと思うと少しノスタルジーを感じております。

先人たちをただ批判するだけじゃなく、
その時代を乗り越えてきたという尊敬の念も忘れずに
次の時代につないでいけたらと思います。

現在、
首都高の地下化のために尽力されている
建設会社や職人の方々の安全をお祈りするとともに
日本橋周辺が観光名所の一つとなり賑わいを取り戻すことを
楽しみにしております。

今後も建築や不動産に役立つ情報を
投稿していきますので、
少しでも参考になった方は、
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