「自分って、生きててもいいんだ!」と思えるようになった塾講師時代
今回は、20代前半で塾講師をしていたときに、自分の実体験を雑談するようになったら多くの生徒から感謝され、「自分って、生きててもいいんだ!」と思えるようになった、という記事です。
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前回の記事のとおり、私は「まあ、よし!」という言葉がきっかけで、少しずつ自分のことが好きになっていきました。
ですが、まだまだ自信を持つには程遠い精神状態でした。
大学卒業後、学習塾に勤務していた時期がありました。
その塾は、いわゆる「個別指導塾」と呼ばれるタイプで、1人の講師が3人程度の生徒を巡回して指導するスタイルでした。
「個別指導」自体は、大学時代にアルバイトで経験していたのですが、都会と田舎(地元)とでは環境が大きく異なります。
特に、大学受験生の場合、私の地元では「高3の夏から本格的に受験勉強を始める」のがアタリマエでした。
そのような高校3年生を相手に、それまでは直面したことのなかった次のような声に直面しました。
・そもそも、受験勉強って、何すればいいの?
・何でこんな教科を勉強しなくちゃならないの?
・受験勉強に身が入らないんだけど…
塾教材の疑問点を解説するだけ、というそれまでのやり方では、生徒が聞く耳を持ってくれないのです。
そこで、私なりに解決策を考えてみました。
生徒たちに、受験勉強に取り組むことの価値について、一から伝えればいいのだろうか?
でも、ありきたりなことを伝えても、響かないんじゃないだろうか?
だったら、自分の実体験を伝えてみよう!
…と考え、意識して雑談を組み込み、自分自身の言葉で語るようにしました。
雑談の中で特に熱弁することになったのは、
・私にとっての受験勉強のモチベーションは、「大学に行ったら素敵な出会いが待っているぞ!(←「恋人ができるぞ!」という意味)」という、はかなくもろい期待だった
・大学のゼミで英語論文を読む機会があり、それまでの英語の勉強が役に立った、というような、私自身にとっての各教科を勉強する理由
・大学時代の失恋話(前回の記事以外にも、数えきれないほどの失恋が…)
…という内容でした。
すると、生徒たちの反応が、一気に良くなったのです!
「受験勉強、頑張ってみます!」「英語の勉強、やる気が出ました!」「先生、失恋してばっかりじゃん!」
…などと生徒から言われ、本来の仕事である学習指導もしっかり聞いてくれるようになりました。
そのおかげで、塾内でも人気の講師になることができました。
生徒が講師を指名するシステムではなかったのですが、「熊三郎先生でお願いします!」という声を、数多くいただきました。
生徒から感謝される、私。
あ、自分って、生きててもいいんだ!
初めて、心の底から、そう思うことができました。
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人は、互いに支え合い、助け合わなければ生きることができません。
今、この記事を編集しているパソコンにしても、私が一から自力で作り上げることなどできません。
それならば、だれかのために、私にできることを精一杯しよう。
その代わり、私にできないことは、だれかの力を借りよう。
〈ありのままの自分〉を、私自身が受け入れることは、そんなに簡単なことではありませんでした。
でも、周囲の人たちが〈ありのままの自分〉を受け入れてくれたから、「自分は自分のままでいい」と思えるようになりました。
「生きる意味」って、もしかしたら、他人の力を借りることではじめてわかるのかもしれません。
自分にできることで、だれかを幸せにするお手伝いをする。
だれかの力を借りて、自分も幸せになる。
そんな相互依存関係の中で、だれかのために何かをすることが、私にとっての「生きる意味」です。
お互いが「だれかのために何かをする」関係ができれば、お互いに幸せを感じることができると思います。
…あのときの生徒さんたち、元気にしているでしょうか…
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