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30歳過ぎて、NY留学した話 #8 -学生生活開始

学校が始まった。
学校は、マンハッタンにある語学学校。英語を勉強するだけの学校だ。
と、最初は思っていた。

クイーンズのウッドサイドからマンハッタンの地図下の方まで地下鉄で向かう。ドア to ドアで、所要時間約50分。

私が通っている間に、その学校はベネッセ・グループに買収され、ベルリッツ傘下となった。

ブランドストアがあるSOHOに比較的近く、セレブが多く住むトライベッカという地域だった。クリエイティブ系の会社も集まっている、そんな地域にある学校だった。

最初の数ヶ月は、レベルの低いクラスから始まった。同じクラスには、トルコ人、台湾人、中国人、ベトナム人、日本人など英語を学ぶために来たものや、大学などの次の進路のための準備として来ていた。

最初は、文法や表現方法を学んだり、ドキュメンタリービデオをみて自分の意見をまとめて発表するなど、基礎的なものを学んだ。

毎月一回テストがあり、そのテストをクリアすると、上のクラスに上がれた。クラスは全部で12段階に分かれており、入学時のテストでどのクラスからスタートするかが決められた。私はレベル7からスタートした。

クラス分けが終わり、毎日同じクラスメートに会う。そうすると、彼らが初めての友人となった。学校帰りに飲みに行ったり、セントラルパークに日向ぼっこをしに行ったりと、時間はあったので優雅に過ごしていた。

英語は、難しいものがあった。分からないというよりも、自分の英語のレベルとクラスの子の英語のレベルを比べてしまう。自分の英語の出来なさ加減に恥ずかしいという思いも感じていた。

ただ、時間が経つに連れて、自分の英語の勉強方法が確立していっていることも感じていた。仕事をしている時は、パソコンでのタイピングが基本なので、ノートを久しぶりに広げ、沢山の単語を書き上げたのも非常に新鮮だった。

時が経つに連れて数ヶ月、生活にも慣れて生きていた。語学学校のレベルも最終クラスに行きついていた。そして、そのクラスは、他とは異なり急にレベルが上がった気がした。

偉人のスピーチをピックアップしその内容を説明したり、New York Timesの記事を読み意見をまとめてくるなど、それまで教科書ベースで進んでいた授業から、その時のアメリカの情勢を交えた話なども含まれ、非常に難しかった。特に当時は、2016年のアメリカ大統領選前からトランプ大統領誕生の最中。講師も、当時のアメリカ政治やヘルスケアシステム、銃社会の問題点を詳細に説明してくれ、非常に興味深かった。また、同時にその問題に対する自分自身の意見や、各国の状況の説明を求められたりした。こちらも、私の英語力ではすごく難しかったのだがあ、「自分の意見を言う」という訓練になり、その後の自分の糧になったと感じる。

私は、その時の講師であったクレイグ・ステファンさんに非常に感謝している。彼の授業は、私がリベラルアーツを中心とした日本では受けないようなものであったし、語学を学んでいるというよりも、中・高で学ぶような内容だった。彼のおかげで、アメリカの政治や歴史に興味が出始め、自分の英語への探究心もさらに深まった。結局私は最終レベルのクラスに3ヶ月ほどいた。それは、このクレイグから多くのものを学びたいという思いの現れだった。

この語学学校を修了し、クレイグのクラスを去る際、彼は彼が作った本にメッセージ入れて、プレゼントしてくれた。最後に、この本も紹介しておく。

新装版 オバケの英語 【CD付き】
詳細情報: https://www.amazon.co.jp/dp/4800236924/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_25RY7YXXQVJB8C08FN6Z