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【感想】そして誰もいなくなった ①|アガサ・クリスティー
とりあえずアガサ・クリスティー作品を片っ端から読んでいくことにした私。
なぜそんなことをしているのか、自己紹介を兼ねた詳しい経緯はこちらからどうぞ。
「オリエント急行の殺人」の次に読んだのが、「そして誰もいなくなった」だった。
アガサクリスティが自薦したベストテンをとりあえず読ることにした。
ちなみに「オリエント急行の殺人」もベストテンの中に入っているらしい。
あらすじ
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く……
そして不気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!
強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。
兵隊島と呼ばれる孤島に手紙で招待された十人がマザーグースの童謡の歌詞の通りに殺されていって、島には誰もいなくなってしまう。
結局犯人は誰なんだというお話。
どんな童謡なのか?
古今東西、童謡は不気味なものが多い気がする。
そして、この作品に出てくる童謡も不気味で意味がわからない。
小さな兵隊さんが十人、ご飯を食べにいったら一人がのどをつまらせて、残りは九人
小さな兵隊さんが九人、夜ふかししたら一人が寝ぼうして、残りは八人
小さな兵隊さんが八人、デヴォンを旅したら一人がそこに住むって言って、残りは七人
小さな兵隊さんが七人、まき割りしたら一人が自分を真っ二つに割って、残りは六人
小さな兵隊さんが六人、ハチの巣をいたずらしたら一人がハチに刺されて、残りは五人
小さな兵隊さんが五人、法律を志したら一人が大法官府に入って、残りは四人
小さな兵隊さんが四人、一人がくん製のニシンにのまれて、残りは三人
小さな兵隊さんが三人、動物園を歩いたら一人が大きなクマにだきしめられて、残りは二人
小さな兵隊さんが二人、ひなたに座ったら一人が焼けこげになって、残りは一人
小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら自分で首をくくって、そして誰もいなくなった
この作品のために作った歌というわけではなく、もともとマザーグースにある歌なのだそうだ。
マザーグースってよくわからない歌詞が多い気がする。(ハンプティダンプティ)
兵隊島に集められた十人は何の共通点もなさそうに思えるのだが、実は過去に人を死に追いやっている(多くは間接的に)。
その裁きを受けさせるために彼らは兵隊島に集められたのだった。
島に集められた十人とその罪
ロレンス・ウォーグレイブ…元判事。陪審員を誘導し、エドワード・シートンを死刑にした。
ヴェラ・クレイソーン…体育教師。教え子のシリル・ハミルトンが海で溺れたのを見殺しにした。
フィリップ・ロンバート…元陸軍大尉。アフリカの奥地で道に迷い、部下である部族民二十一名を見捨てて、飢え死にさせた。
エミリー・ブレント…老婦人。使用人の娘が妊娠したことで激怒し、娘を解雇する。娘はそれを苦に自殺する。
ジョン・マッカーサー…退役軍人。妻の愛人で自分の部下のリッチモンドに危険な任務を行わせる。その結果、リッチモンドは戦死する。
エドワード・アームストロング…医師。飲酒した状態で手術を行った結果、患者が死亡する。
アンソニー・マーストン…青年。スピード超過による交通事故で子供二人を轢き殺した。
ウィリアム・ブロア…元警部。偽証して無罪の人間を有罪にでっち上げ、刑務所送りにする。その人は刑務所で死亡する。
トマス・ロジャーズ…執事。主人であるブレイディーのために医者を呼ばず、見殺しにした。
エセル…執事の妻。ブレイディーを見殺しにした。
正直、マッカーサーは他の人ほど悪くないんじゃないと思う。
自分の妻が部下と浮気してたら腹立つし、わざと危ない任務に行かせるくらい、誰でもやると思うの。(普通はやらないんだろうか?)
それで100%死ぬかどうかだってわからないし、殺されなければいけないほどに責められることなのかと思った。
十人は歌詞の通りの方法で一人ずつ殺されていく。
兵隊島は船がなければ行き来できず、外界と隔絶している。
犯人は絶対にこの島の中にいるはずなのに、誰なのかわからない。
殺されていく人数が増えるにつれ、集められた者たちは互いに犯人ではないのかと疑心暗鬼になる。
しかし、犯人が誰かわからないまま最後の一人も死んでしまう。
というお話。
結局犯人はこの中にいるのだけれど、私はまた当てられなかった。
そして動機がサイコパス味を感じさせるものだった。
他の9人は、そんなことに巻き込まないでくれと言いたくなるだろう。(まあ大体悪いやつなので仕方ないのだろうか。)
ネタバレありの感想は次回書こうと思う。
つづく
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