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マッチングアプリでヤリモクに遭遇した話②

ヤリモク男との対面の日がやってきた。

前回のお話はこちらから。

※全5話の予定です。



会う前にアプリでLINEの交換をして、主要駅で待ち合わせとなった。

🚹「行くお店は行き当たりばったり作戦を策略中です( ̄▽ ̄)」

夜ご飯を食べに行く予定だったのだが、どこへ行くかは決めず目についたお店に行くことになった。

集合時刻5分前に待ち合わせ場所に着いた。
ヤリモク男らしき人はどこにもいない。

🧸「到着しました!〇〇の服を着ています。」

18時。集合時刻になったが、相変わらずそれらしき男は見当たらない。
もしやすっぽかされた?と思っていると電話がかかってきた。

🚹「今どこにいるのー?」
🧸「〇〇改札を出てすぐのところです。」
🚹「俺外出てたわ。そっち行くね。」

電話を片手に背の高い男がやってきた。

🚹「くまのさん?」

男は写真で見るよりも幾分か老けた印象だった。
写真よりも日焼けしていて、肌がパサパサしているからだろうか?
写真詐欺とは言わないけれど、写真から2割減という感じだった。
そして何よりも私がびっくりしたのは声だった。

顔と声がミスマッチすぎる!

カスカスとした、芸能人で言うと長州力さんのような声だった。
(※長州さんの声がダメだということではないので、あしからず。)
その男はCV.中村悠一みたいな見た目だった。
「大丈夫 僕最強だから」とか言いそうな感じなのに。
見た目と声にギャップがありすぎた。
私は重度の声フェチなので、勝手に期待して、勝手にがっかりした。
勝手に期待した自分が悪いのだけど、すごく残念だ。

これは本当にアプリの弊害だと思う。
イケメン=イケボではないのに、頭で勝手にCVを当ててしまう呪い。
現実世界には悪声のイケメンだっているのよね。当たり前だけど。
私は声がいい人が好きなので、アプリの人と実際に会ってみてがっかりすることが非常に多かった。
他の人はどうなのかなと思うけれど、どうなんだろう?

内心がっかりしつつも、いい人かもしれないしと自分に言い聞かせた。

🚹「俺、くまのさんのことなんて呼べばいい?くまのさん?くまのちゃん?くまの?」

🧸「お好きな呼び方で大丈夫ですよー。私はなんて呼べばいいですか?〇〇(名字)さん?それとも▲▲(名前)さん?ヤリモク(アプリでやり取りしていた名前)さん?」

🚹「うーん。そうだねぇ」







🚹「ダーリンって呼んで🩷




………。

………………。


………………………ダメだ。


はっきり言って苦手なタイプ。
ノリがいい人は好きなのかもしれないけど、私は本当に無理。
超絶イケメンの石油王とかに言われても「きもっ!!」って思うはず。
言われたことないけど。(そもそもイケメンの石油王と会ったこともないけど。)

会ったばっかりだけど、もうすでに私は帰りたかった。


「ご飯食べたら、即帰ろう。そしてお前と会うことは二度とないだろう。」と思いつつも、ぎぎぎぎぎ、と無理やり引き攣った笑顔をつくった。


駅からお店に移動する間にも、ヤリモク男はしきりに話しかけてきた。
ほんっとーに適当でチャラい男だった。

🚹「くまのさんすっごい美人だよねー」
🚹「かわいいねー」



……お言葉を返すようですが、私の顔、目から上しか見えてませんよね?
(マスクしてるからね。)
雑に褒められても全然嬉しくない。
そしてノリがやっぱり苦手だ。

🚹「コロナで行きつけのお店、結構潰れちゃっててさー」
🚹「とりあえずこの中なら何かしら食べるところはあるでしょ」

そう言って、駅チカの商業施設に入った。

レストランフロアでエスカレーターを降りた。
エスカレーターの前には中華のレストランとエスニック系のレストランがあった。

🚹「どっちがいい?」
🧸「特に食べられないものはないので、どちらでも大丈夫です」
🚹「じゃあこっちのお店に行こうか」

と言って、右手の店を指した。
エスニック料理の店だった。

食事編へつづく。

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