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『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』江里子さんと美穂さんの癒し系エッセイ!「ゴッドタン」ファン必読の小説も収録!

ただただ、癒された……。

お笑い芸人の阿佐ヶ谷姉妹。本当の姉妹ではないけれど、姉妹として活動する、叶姉妹スタイルのお2人。

今回は、そんなお2人が、ウェブマガジン「幻冬舎Plus」にて連載していたエッセイ集『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』をご紹介します。

テレビで拝見する空気感そのままで、タイトル通り、のほほんとした癒し系エッセイです。のんびりお茶休憩をしているような気分になれる1冊。


交代でつづられる、阿佐ヶ谷での日常


阿佐ヶ谷姉妹という名前の通り、数十年、阿佐ヶ谷で暮らし続けているお2人。エッセイでは、阿佐ヶ谷での日々の暮らしを、お2人が交代制でつづられています。

全体を通して良いなと思ったのは、お2人が目の前でおしゃべりされているかのような、飾らない等身大の文章。

よい意味で、芸能人らしい華やかさが感じられないというか、ご近所にいる人のよいおばさま方の語り口調というか。そんな雰囲気が感じ取れて、とにかくマイナスな雰囲気が一切ない。読んでてチクチクしない。これ大切。

ちなみに、小説も2作品収録されています。深夜に放送されている「ゴッドタン」という番組の企画で作られた、ミニコント的なものをベースにした作品で、こちらも面白い。

以前ご紹介したお笑い芸人、Aマッソ加納愛子さんのエッセイ『イルカも泳ぐわい。』でもコントベースの小説があったし、こういうアンソロジーでないかな。芸人さんのコントから生まれた短編集、みたいなの。

「阿佐ヶ谷愛」を感じるエピソードがいっぱい。ほろりとくるお話も


いまは、アパートの隣り合った部屋を借りて生活しているお2人。ですが、もともとは6畳1間で一緒に暮らしていたそう。

で、現在の居住スタイルに落ち着くまでの引っ越しエピソードも載っているのですが、それが面白くて。「これだ!」と見つけた阿佐ヶ谷のアパートに、ひとつ引っかかることがあってやめたそうなのですが。

そちらの建物の名前が、「レジ●ンス荻窪」。
荻窪?阿佐ヶ谷姉妹なのに、おぎくぼ?住所は確かに阿佐ヶ谷なのに。(中略)もしも、私達がこちらに住む事になったとしたら、「阿佐ヶ谷姉妹です!」と自己紹介する度に(でも……住んでいるのはレジ●ンス荻窪ですけどね)、と心の中でつぶやいてしまいそう。

ほかにも、「阿佐ヶ谷って、人情に溢れた街だな」って思わせられるエピソードがいっぱい。お2人を通じて、阿佐ヶ谷の人たちを好きになる、素敵なエッセイでした。

低カロリーで読めるので、気軽に読書をしたいときにおすすめです。お2人のまとう空気感が、そのまま文章ににじみ出ていて、優しい1冊。


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