塩人(しおんちゅ)
「塩人というのは、猿人の変換間違いか?」
こんなメッセージが来たからすぐに返事した。「違います。塩人は、しおんちゅです」
数日後、私はしおんちゅに会えるかと沖縄に。塩人とは「沖縄の海を伝えるため」と聞いた。
私は沖縄のビーチの前にいる。「世界どこにでも同じ濃度の塩分が海中にあるのに、場所でこうも雰囲気が違うってね」当たり前だけど不思議に思う。
私はビーチにしゃがみ込む。ちょうど波が押し寄せてきた。ありきたりだけど私は波の海水に手を浸してなめる。「しょっぱい」沖縄の海は美しい。
塩人になりたい人がこの地に移住すると聞いたが、私も移住したくなってしまうほどだ。
「でも、無理か」私は立ち上がる。私が塩人になると言ったらまだ猿人と勘違いして「猿のように原始的な生活をするのか」と言われそうというのは冗談だが、たまに来るから楽しいと思う。
私が去った後もいつものように塩を含んだ波が押し寄せる。まるで塩人を待つかのように。
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