拘束され声が出ない

「おい、助けてくれ」助けを呼ぼうと叫んでも誰も聞こえない。
それもその筈だ。自身の声が自分でも聞こえない。
「音のない世界なのか」そんな気がする。見た目はごく普通にある住宅地だ。ときおり人が歩いていから、その都度声を荒げるがそれが聞こえない。

　いったいどうなっているの？戸惑うがどうすることもできないのだ。ただ言えることは体が拘束されており自由に動けない状況。
　大きな人が背負ったカバンに固定されていて、もがいても何も変わらないし声に出しても全く反応がない。いったいこの後どうなるのだ。

「というようなことをコイツが叫んでいたらどうする」と、彼が私のカバンについていたクマのぬいぐるみで遊んでいる。
　私はそんな無邪気な彼が好き。

#小説 #短編小説 #300字小説
#スキしてみて #拘束され声が出ない
#原稿用紙一枚 #noteのつづけ方