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反るべきか、反らざるべきか。それが問題だ

反るべきか、反らざるべきか。それが問題だわ デート中だというのに、木島優花は突然悩みだした。そんなことも知らずにトイレから太田健太が戻ってきた。

「どうしたんだ浮かない顔をして?」「うん、大したことない」と、作り笑顔になった優花は何事もなかったように健太の手を握る。「さて、この後どうしよう」街を歩きながら健太は悩んだ。時刻は午後3時を過たところ。ランチを食べ終えてそのままドリンクを飲んで過ごしたので、カフェで休憩という状況ではない。今日は夕方から優花が見たいという映画鑑賞の予定だが、その時間まで2時間余りと時間が中途半端。

 健太が悩んでいると、「ねえ、中途半端な時間があるなら、ジムに行かない」優花に意外なことを言われ戸惑う健太。「ジム。急にどうした?」「じ、実は」優花は急にうつむくと恥ずかしそうに小声になる。「もしかしたら反り腰かもしれないの」「反り腰?何それ!」「ちょっと、声が大きい」優花にたしなめられ、健太は声をつぐむ。「どうも骨盤が前に傾いていて腰が反っているみたいなの」

 健太は優花の下半身を見た。だが健太には優花の腰が反っているようには見えない。「うーん、そういわれても俺にはわからない」「いいの、私調べたら腹筋が弱いのが原因で、短時間でもジムにあるマシンで腹筋を鍛えれば治るってわかったのよ」健太は首をかしげる。「それで2時間ほどジムに行きたいと」優花は大きくうなずく。「わかった、じゃあ行こう。ジムってどこにあるんだ」

 健太はスマホを取り出す。ここから最も近いジムを探してみる。「おい、ここからだと30分くらい先のところにあるぞ。とういうことは往復1時間かかるし」「そっか急だもんね」優花は一瞬空を見上げ残念そう。「いや、まてよ」

 健太は何かを見つけた。「ここ行こう」と、優花と歩いて5分の所にあったのは公園。「これで腹筋も反りもできる」と健太は公園内に無数にある健康遊具を指さした。

(本文800字・句読点も含む)

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