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ヒマワリへ

 ヒマワリへ向かって歩くのは、伊豆萌と蒲生久美子のふたり。このふたりは職場の先輩と後輩で、プライベートでは同棲している間柄。お揃いの麦わら帽をかぶっている。

「久美子さん、確かもう少しだったはずです」萌に先導されるようについていく久美子は疲れた表情を見せる。「ねえ、萌ちゃん、こんな暑い日にわざわざ行くことないじゃない」そう言いながらハンカチを顔に当てる。萌も額に汗をかいているが、目標がすぐ近いとみて必死で探した。

「あ、あ、ありました!」萌が大声を出す。久美子が萌のその先を見ると確かに黄色い塊の一角が見える。「あ、き、綺麗ね」久美子も少しずつ全貌が見えてきたヒマワリを見て気分が高揚した。

「やったあ!今年も見られたわ」いち早くヒマワリの前に到着した萌はほぼ同じ高さに揃い、同じ方向を向いているひまわり群を見上げて満足顔。

「すごい!萌ちゃんありがとう」遅れた久美子もようやく笑顔になると萌の手を優しく握る。

こちらの企画に参加してみました。

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