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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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#最近の学び

最近の学び 第992話・10.13

「あんなに本を読まない萌姉ちゃんが、読書始めたのか」伊豆大樹は姉が、読書の秋を楽しんでい…

全身麻酔 第629話・10.13

「この感覚がないのって。やっぱり気持ち悪いわ」美里は歯医者から戻ってきた。歯の治療で受け…

伊万里と有田 第627話・10.11

「先生、やはり伊万里は焼き物の町ですね。橋にまで陶器が乗っています」ここは佐賀県伊万里市…

600年の雪辱を果たすべく  第600話・9.14

「み、皇子がわざわざ、斑鳩からこの住吉津までお越しになられるとは!」これは西暦607年、現…

古墳の様子が見たくて 第527話・7.3

「ここまでしか行けないのって。本当に何も見えないじゃないか」  原沢孝明は、大阪府堺市に…

古神道・三輪明神を前に 6.23

「先生間もなく、三輪駅です」ここは奈良県桜井市。奈良盆地の南東付近である。自称歴史研究家…

Total lunar eclipse

 「予報では明日は雨か。なら水やりは良いわね」  私真理恵は、コスモスファームという小さな農園を営んでいる。同棲している彼一郎は、大学で常勤講師の仕事。将来哲学の研究者として教授になるべく頑張っているの。そして時間があるときは、私の農園を手伝ってくれる。今日も朝に、彼はスーツ姿で大学に行った。   いつもなら夕方か夜に帰ってくる。そして帰ってきたら、私の畑の上空に広がる夜空を眺めるの。そのあと望遠鏡を眺めながらふたりだけの小さな天体観測が日課。  でも今日は違った。お昼に突

修道院で作られてる麦酒

「今、雄琴温泉の取材? ああ滋賀のね。何、明日の夜に戻ってくる。信二わかった。お土産楽し…

逆鉾を引き抜く男

「もう少しだ。まだ歩けるか」「大丈夫です。もう一息ですね」  ここは九州の高千穂峰。実は…

ゴミ屋の娘が憲法を学ぶ

「何よ! ゴミ屋の記念日って」「結愛、そんなに怒るなよ。明日5月3日は『ごみの日』ってち…

新しいコールドテーブルで起きたこと

「どう、先週納入したのちゃんと動いてる」スキンヘッドで頭頂部が蛍光灯に反射した男が、小さ…

広南従四位白象

「昨日4月27日は世界バクの日。おかげでバクを見に多くの客が来てくれた。さて今日4月28…

諏訪湖の夜景と星空

「本当なら夏の花火大会のときに来ればよかったんだろうな」「そんなことないわ。花火よりも自…

鬱? イライラからの脱却 ~癒しのひとときを求めて~

「なんとなくイライラする。何だろう一体。こうのんびりと癒されたいなあ」吉岡はそう言ってため息をつく。最近どうも状態が悪い。理由がはっきりしないが、どうも苛立っているようだ。根本的な原因がわからない。  かといって健康面で悪いわけではなかった。特に便秘とかそういうこともなく、毎日快便と言ってもいい状態。食欲も十分だ。ということは精神的な面で良くないのかもしれない。と言っても不眠症ではなかった。なぜならば布団に入ったらものの十数分もすれば、記憶が無くなる。つまりよく眠れているの