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03 飛び込んだ革の世界で…自分に必要だったオリジナルとは

九州にテディベア好きは居ないんじゃないかなぁ?
と悩んでいたハンドメイド初期の数年間、ワタシは迷走していたのです。。

こんにちは、
福岡でぬいぐるみ作家をしています、ぬい撮り大好きくまこです。
ハンドメイドイベントやHPで作品を発表しています。

よろず作家の哀しみ

ハンドメイドを始めてすぐの頃、ただただ好きという情熱だけでワタシはテディベアを作っていました。
が、ベアだけでは作家として続けていくのが難しく、幼稚園児のレッスンバッグや体操服入れなど、手当たり次第に売れそうな物を作るよろず作家でもあったのです。

しかし、裁縫を極めているバッグ作家には縫製技術ではかなわないし、
ファッションリーダーのアクセサリー作家には流行のセンスではかなわない。

器用に広く浅く好きなものを好き勝手に作っていても、「作れたから」と自己満足な作品をイベントで並べていても、誰も買ってくれはしないのです。
明らかに売れていく数が少ないのを目の当たりにするのです。

好きなものを作ること売れるものを作ることの違いに気が付いて打ちのめされた時でした。

売れる自分さがし

手縫いもミシンもそんなに得意じゃなくても作れる作品って他にないかなぁ?

そんな都合の良い事を考えていた時に、雑貨屋さんで革のカードケースを見かけました。
「両脇をまっすぐ2本縫っただけ、ホックを一つ付けただけで裏地も無し、これ簡単じゃない?しかもいいお値段!!」
ってもう、今考えるとあのときのワタシの目はきっとドルマーク💲だったでしょうね(笑)

まさかこんな険しいイバラの道に迷い込むとは夢にも思わず、勢いだけでハギレ革を購入。
革細工の道へ飛び込んでいました。

独学という迷路

10年ほど前は、まだまだレザークラフトの解説本は少なく、本屋さんで見つかるのは年配の方向きの革を染めて彫り込むレザーカービングや、バイク乗りさん向けの男前なヌメ革細工の長財布などの本ばかり。
雑貨系女子が好きそうなお洒落でシンプルテイストの本などは皆無でした。

実物を観察したり、図書館でちょっとでも革について書かれている本を閲覧したり、ネットで道具を取り寄せたり、よく分からないままに硬化剤やCMC、ミンクオイルやイリス、コバスーパーなどの薬剤もムダに買い漁る。。
独学で基礎を学ぶのはなかなかの苦労と出費と失敗の連続…深い深い迷路でした。

向いてないんだよなぁ

試行錯誤しながら試作品の形はなんとなく出来てきたけれど、縫い目があきらかに下手くそ。

そういえば、革細工の主流は手縫いなんだよなぁ。。
レザークラフトってぇのは、2本の針で目を整えながら丁寧に神経質にひと針ひと針縫うもの…しまった、ワタシは面倒くさがりの省略好き。対極に位置するニンゲンだったわ(汗)

結局、手縫いは諦めてミシン縫いで何とかしようと思い至るのですが、もちろん使いこなせるかどうかも分からないミシンに数十万も投資する予算も勇気もないわけで。。

某ネットオークションで「革も縫えます、20番太糸使えます」と書かれている一行の文字に賭けて(笑)何台かの中古ミシンを購入する事になります。

場数を踏んだおかげさまで、オークション出品者の良し悪しを見極めるのが得意になりました(笑)

テディベアを思い出し

たくさん作る事で少しずつ腕は上がって行き、カードケース、コインパース、ペンケース、キーカバーなどいろんな革小物を作れるようになりました。

それなりに、気に入ってくれるお客さまも増え、「テディベアが売れなくても革作家としてやっていけるかなぁ?」と思い始めるようにもなりました。

そんな時、ネットで募集していた百貨店イベントに参加する事が決まったのです。

初めての百貨店イベントで、胸に百貨店の名札を付けての接客もドキドキする初体験でした。
そこは、今までの1日だけのハンドメイドイベントとは全く違う空間で、全く違う客層だったのです。

従来は、並べられたテディベアに「なんでぬいぐるみがこんなに高いのよ?」とピシャリと抗議された事すらもあったのに、百貨店で出会うお客様は「あら?お安いのね」と、気持ちよく購入して下さるのです。感動。

出展場所が違えば客層はガラリと変わるのですね。

そのころには、革小物9割テディベア1割にまで商品割合を減らしてしまっていましたが、またテディベアを作りたい気持ちが復活してきたのです。

テディベアと革細工をつなぐ作品


しかし、大問題がありました。
商品を並べるとモフモフや花柄のテディベアハードなイメージの革細工はブース内で真っ二つ、お店のイメージがバラバラです。小さなブースなのに。。

せっかく革細工という武器を手に入れたのだから、あれもこれもkumakichiらしいと言われるような作品になって欲しいのです。
ブース内で浮かないモノ…
テディベアっぽい革細工は出来ないか?と模索し始めました。


ベア型のコインパース?
ベア型のバッグ?

どれも検索すれば近しいものがヒットするありきたりなモチーフでした。

その頃少し作り始めていた、がま口を仕上げていた時に閃いたのです!
この口金の下のくにょっと曲がってる角度。テディベアの耳を付ける角度に近い…ていうかピッタリ。
耳付けたらクマになるんじゃね?
底も丸くしたらクマになるんじゃね??

さいわい、「がま口」「クマ」で画像検索しても、当時ヒットしたものはがま口の手前に耳を縫い付けているものが数点、口金と革の折り目に耳を挟んでいる形は無くオリジナルだったのです。

そして自信を持って完成したのが、本革のがま口
「クマ好きさんのがま口」なのです。



のちに、「パンダ好きさんのがま口」も完成します♪

この「クマ好きさん」シリーズは、おかげさまで我がストアの定番アイテム主力商品となり、現在はコレ以外の革小物を全部廃盤にしてしまいました。
…もう、カードケースもコインパースも作っていません。他所のお店でご購入ください。

さらに、もう一方のテディベア側でも模索は続きます。
テディベアに革細工を取り入れる事は出来ないか?

そんなドール革小物のお話はまた次の機会に。。


04 テディベア側にも革を?それってゼロから作り直し地獄では??


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