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モビリティトレーニングの実践 MOB 6 クロール(7種目)~QOMを求めて~


クロール

ここで行うクロールは 四つん這いになって床をはう動き、赤ちゃんのはいはい です。上肢下肢で上体を支えながら 上肢下肢を動かし前後・左右に進んでいきます。四つん這いで顔を上げて前を見て動くことは バランスも養い 体幹の活動性も高めてくれます。体幹がしっかりすると上肢下肢をスムーズに動かすことができるようになり バランスのコントロールにも効果が表れます。スポーツに限らずに日常生活でも見られる 2 つの違う動きを同時に行う協応運動にもつながります。左右違う動きをする 違う部位を同時に使う といった動作がスムーズに行えることは QOM=動作の質の向上にもつながります。

・クロールは 肩甲骨・骨盤に対して負荷を与えることができ上肢・下肢・体幹の連動をつくりやすいメリットがあります。

基本姿勢 1

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・上肢と下肢(大腿)は床に対して垂直です。

・肩甲骨は外転し(引き出し) 前腕上部は外旋します。

・顔は上げて前を見ます(床を見て頭部を下に落とさないようにします)

・お腹を軽く引っ込めて腹圧を高めます。

・両下腿は床につけ 足関節は伸ばします。(動作中 足趾は使いません)

*初期はこの姿勢から行って下さい。

基本姿勢 2

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・上肢と下肢(大腿)は床に対して垂直です。

・肩甲骨は外転し(引き出し) 前腕上部は外旋します。

・顔は上げて前を見ます。(床を見て頭部を下に落とさないようにします)

・お腹を軽く引っ込めて腹圧を高めます。

・両下腿は床に平行になるように 足関節を立て足趾で床をつかみます。(動作中 下腿は床に対して平行に動きます) 

*通常はこの姿勢で行います。

クロール(ベーシック前後)

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・基本姿勢 2 からスタートです。この姿勢を保持したまま前に進みます。バランスを崩さないように歩幅を均一にして歩きます。(斜対歩=対角の前上肢と後ろ下肢が同時に動く)歩きだしは脚から動き出すイメージです。

・下肢は下腿を床に平行にして(膝の角度を変えずに)股関節での屈曲動作で下肢を前方に動かします。この動きに合わせて 対角の上肢も前方に動かします。(肘を伸ばして前腕上部を外旋します)他方の対角の上肢下肢も同様に動かします。

・この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩 前に歩いたら基本姿勢を保持したまま 後ろに進みます。バランスを崩さないように歩幅を均一にして歩きます。

・支持側の上肢で床をしっかり押しながら(肩甲骨の上方回旋を感じて下さい)他方の上肢を動かし床につきます。対角の下肢はその動きに合わせて股関節から動かして床につきます。他方の対角の上肢下肢も同様に動かします。10 ~ 12 歩 歩きます。

*動作中特に 前歩きでは 股関節の屈曲動作 後ろ歩きでは 肩甲骨の上方回旋を意識して下さい。

クロール(ベーシック左右)

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・基本姿勢 2 からスタートです。この姿勢を保持したまま右に進みます。バランスを崩さないように歩幅を均一にして歩きます。歩き出しは脚から動き出すイメージです。

・下肢は下腿を床に平行にして 股関節での外転動作で下肢を右に動かします。この動きに合わせて 外転した下肢と対角にある上肢は もう一方の上肢を交差して床に手つきます。

・支持側の下肢上肢を右に動かして 基本姿勢 2 に戻ります。この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩 右に歩いたら 同様に左に歩きます。

クロール(ワイド前後)

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・しゃがみこみ姿勢になります。(詳細は MOB 1 スキルトレーニングで紹介しています)

・その姿勢を保持したまま 両上肢を床につきます。(前腕上部は外旋位です)背中と床を平行に保ちます。

・MOB 5 コアトレーニングで前歩きを紹介していますので ここでは後ろ歩きを紹介します。支持側の上肢で床をしっかり押しながら(肩甲骨の上方回旋を感じて下さい)他方の上肢を動かして床につきます。対角の下肢もその動きに合わせて股関節から動かして床につきます。(膝の角度は変えずに歩きます)他方の対角の上肢下肢も同様に動かします。この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩 歩きます。

*動作中特に 肩甲骨の上方回旋を意識して下さい。

クロール(ワイド左右)

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・しゃがみこみ姿勢から両上肢を床につけます。(前腕上部は外旋位です)背中と床を平行に保ちます。

・この姿勢を保持したまま右に進みます。バランスを崩さないように歩幅を均一にして歩きます。歩き出しは脚から動き出すイメージです。

・股関節の外転動作で下肢を右に送ります。この動きに合わせて 外転した下肢と対角にある上肢は もう一方の上肢を交差して床に手をつきます。

・支持側の下肢上肢を右に動かして スタート姿勢に戻ります。この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩右に歩いたら 同様に左に歩きます。

リーチクロール

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・MOB 4 スキルトレーニングで前歩きを紹介していますので ここでは後ろ歩きを紹介します。床に膝をついたボックス姿勢からスタートです。

・対角にある上肢下肢を伸ばします。上肢下肢は上に引き上げるというより上下に引き伸ばすイメージです。(肘 膝はしっかり伸ばします)

・支持側の上肢で床を押しながら 伸ばした上肢を床につきます。対角の下肢もその動きに合わせて股関節から動かし床につきます。他方の対角の上肢下肢は上下に引き伸ばすように動かします。

この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩 歩きます。(斜対歩)

*支持側の上肢の前腕上部は外旋します。

ストーレートラインクロール

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・基本姿勢 2 から 両下肢・両上肢を合わせます。一直線上を歩くイメージです。バランスを崩さないように歩幅を均一にして歩きます。(斜対歩)

・下肢は下腿を床に平行にして 股関節の屈曲動作で下肢を前方に送ります。この動きに合わせて 対角の上肢も前方に送ります。(肘を伸ばして前腕上部を外旋します)他方の対角の上肢下肢も同様に動かします。

・この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩 前に歩いたらスタート姿勢に戻り 後ろに進みます。

・支持側の上肢で床をしっかり押しながら 他方の上肢を動かし床につきます。対角の下肢もその動きに合わせて股関節から動かして床につきます。他方の対角の上肢下肢も同様に動かします。10 ~ 12 歩 歩きます。

テーブルクロール

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・体育座りをします。両上肢は床につけ上体を支えます。(腰は反らずに肩甲骨を内転します)股関節での屈曲(ヒンジ)を意識して大腿部と腹部を近づけます。上肢は前腕上部を外旋位に保ちます。

・上肢下肢で身体を支えてお尻を床から引き上げます。股関節の伸展 肩甲骨の内転を行ってテーブルを作ります。上肢は指先を外側に向け 肘をしっかり伸ばします。

・支持側の上肢で床を押しながら 他方の上肢を前に動かします。下肢はその動きに合わせて膝を伸ばし床につきます。(足部は床を滑らせません)肩から膝までを床と平行に保ちながら前に進みます。バランスを崩さないように歩幅を均一にして歩きます。他方の対角の上肢下肢も同様に動かします。(斜対歩)この動作を繰り返し行い 10 ~ 12 歩 歩きます。

*動作中 上肢は前腕上部を外旋位に保ちます。


モビリティトレーニングの実践 MOB 7 アニマルウォーク(7種目)   ~QOMを求めて~ に進みます!

「ちょっとやってみようかな、マネしてみようかな」というところからカラダの使い方に興味をもってもらえれば嬉しいです。