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熊谷・街・妄想ワークショップ2021 最終日

10月からスタートした今年のワークショップもスケジュール上では今回が最終回。今年のワークショップは「星川を日常的に楽しむには何をしたら良い?!」をメインにテーマに進めてきました。

星川夜市が開催されれば毎回1000人近い来場者が訪れるこの通りも、日常ではほとんど人がいません。車通りは割と激しく、残念ながら子どもたちが普段遊ぶような場所ではありません。

しかし、道は綺麗に舗装されているし、東屋があったり、親水広場があったり…ポテンシャルはあるはず。居心地が良く、日常的に人々が訪れる場所にするにはどうしたら良いのか。そんなテーマをもとに今年も多くのワークショップ参加者が積極的な議論を展開しながらここまで辿り着きました。前回までを少し振り返りながら最終日の様子をお届けいたします。

前回までの振り返り

ワークショップ1日目 
ワークショップ2日目 1/2
ワークショップ2日目 2/2
ワークショップ3日目 1/2
ワークショップ3日目 2/2
※上記リンクから過去の記事確認できます。

1日目
1日目は「エリアの快適度を図る調査」からスタート。参加者が全6組に分かれて対象エリアの星川通りともう一つの周辺の道を調査しました。

調査項目は、大きく分けて、建物やベンチなどのハードの環境を測る指標と、空間の快適性や魅力について測る指標、そして歩いている人や佇んでいる人、おしゃべりをしている人など、人の行動について測る指標の3つで行われました。最終的な社会実験に向けて、また星川通りについて考えていく上でも数値や可視化することで参加者にとっては重要な回になったのではないかと感じます。(→調査結果

2日目
2日目はまず、情報共有からスタート。大宮で行われた社会実験のイベントの様子をシェア。イベントではありますが同じ県内の社会実験は刺激になっていた様子でした。

そして事務局から発表で最終的に対象エリアで実証実験を3ヶ月行うことに決定。対象となるエリアで車の速度を落とす仕掛けをし、車と人に優しい道のあり方を模索できないかと、シェアードストリートという考え方で道を含めて実験してみようというのが目的です。

情報共有した後は3つのテーマにて3班に分かれてブレストを行いました。
「親水広場」
「シェアードストリート」
「東屋」

社会実験に向けてそれぞれの班でテーマを決め、星川を日常的に使っていくためのアクションを考え始める回となりました。

3日目
3日目はまず事務局からの情報提供と、話し合う上で必要な考え方やゴールを提示。より具体的にアクションを起こしていくためにはどのようにしたら良いかを全員で確認しました。

その後はゲストレクチャーへ。パブリックスペースやストリートの研究で有名な東京大学 大学院新領域創成科学研究科特任助教の三浦 詩乃さんにレクチャーをしていただきました。プレイスメイキングや、シェアードストリートの事例を踏まえて非常に貴重な情報を提供していただきました。(→内容はこちら)参加者も多くの学びがあり、議論をより具体的に進めるきっかけとなったように感じます。

その後はまた各班に分かれてブレスト。前回よりも、もっと具体性を持って、ターゲットを考え、4回目からの実行できるアクションを練っていく作業を行いました。

そして、最終日を迎える前に事務局から大切な連絡。

星川の実証実験は最終日以降の3ヶ月で実施へ

本来であれば最終日から実際に実証実験を動かしていくことを目的としていたこのワークショップ。その予定で警察など関係所管に事前協議をしながら計画を進め、3ヶ月程度の社会実験は問題なく行える予定でしたが、申請の許可であったり、星川周辺の店舗様へのご協力のお願い、今回使わせていただけることになった駐車場のオーナー様との話し合いなどを含めて最終日にギリギリ間に合わず、12/11からの3ヶ月で実施することにまとまりました。

時期は少しずれ込んだにせよ、実際に星川通りを使って実験を行えるようになりました!これはこのお願いを快く受けてくださった関係各所、周辺の皆様、ご協力くださる全て方のおかげです。そんな皆様のためにもこの実験を本当に有意義なものにしていかなくてはいけないと事務局も参加者も身が引き締まったように感じます。

そして一旦ワークショップ最終日

上記であったように、最終日以降に実験はスタート。
それでも全4回のワークショップは一旦最終日です。最終日は実証実験で行うアクションをより具体的に詰めていく作業を中心に行いました。

当日のスケジュール

13:00 - 13:10   イントロダクション
13:10 - 13:30      星川に移動、折り畳み椅子・テーブルのしまい方           
        収納所などをみんなで検討
        子どもの遊戯を置いてみて、増やした方が良いか
        どこに置いたら良いかを検討
13:30 - 15:30     各班に分かれての作業
15:30 - 16:00     各班の発表

イントロダクション

まずは事務局からの説明でスタート。現在各班ごとハード面の話し合いは進んでいる中で、全体としてメインターゲットをはっきりと「お子様連れ」として設定していくことを提案しました。そして、そのような人たちは何があったら快適に過ごせるのか、どんな仕組みがあったら楽しく過ごせるのかをきちんと掘り下げることで、星川が日常的に楽しく過ごせることへとつながっていきます。

では、具体的にどういうことを考えるのか?
今回はニューヨークにブライアントパークの事例を参考に星川を1つの公園を見立てて、椅子やテーブル、遊戯を設置してみることに。

星川にて椅子・テーブル・遊戯を設置してみる

実際に参加者全員で星川へ移動し、椅子・テーブル・遊戯を設置。どのように置いたら快適に過ごせるのか、使用してもらいたい人々を思い浮かべながら考えていきます。

・ただ置くだけでは人には使ってもらえない。
・冬になるのでブランケットが必要?
・近隣のカフェでコーヒーを買ったらブランケットを貸し出してくれて星川で使用できる。
・夜はライトアップしたら良さそう。車から見るのではなくてそこを利用してくれる人のための明かりを考えた方が良い。
・簡単なカードゲーム置いてみる。
・子どもが遊べる設備があれば、お母さんたちは椅子に座ってお茶できる?

実際に置いてみるとやはり感じ方も変わってくるみたいです。自分が使うことはもちろん、星川に来てくれる人が使ってくれることを想像しながら積極的に話し合いが行われていました。

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続いて各班の活動・発表へ

シェアード班

シェアード班は今回大きく分けて2つの作業を行いました。まずは先程設置してみた椅子とテーブルを沿道に設置してみること。東屋班・親水広場班を含め、トータルで過ごしやすいシェアードストリートにするべく実験的に設置を行いました。実際に座ってみるととても居心地が良く、落ち着きました。こちらは継続してより良い形を検討していきます。

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2つ目は↑の写真にある駐車場についてです。今回の実証実験期間中、駐車場オーナーである藤間様のご協力をいただき、一部のスペースを活用させていただけることになりました。ではどのような使い方をすれば、星川にくる方々に楽しんでもらえるスペースになるのか。この日はこの項目を議論し、形作っていく作業となりました。

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発表
みんなで絵を描きながら、ターゲットであるお子様連れが日常的に楽しめるような空間づくりを考えていきます。そして結果としてできたイメージ図がこちらです。全体を人工芝ベースにし、プレイロットということで滑り台を設置。ここにも椅子・テーブルを設置することで保護者が休めるスペースを設けます。またパレットとコンパネを用いて子どもたちのお絵かきゾーンを作成。また、星川で遊んでもらう上で大切な仮設トイレも2つ設置予定。
最後に、安全にも配慮して駐車場スペースとその他で段差を作り、境界線を示す予定です。実験期間中たくさん遊んでもらえそうな空間になりそうです。

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東屋班

続いて東屋班。こちらは前回までに1つは東屋の整備、ライトアップ。2つ目は整備した東屋を日常的に使ってもらう為に「星川ダイニング計画」と題し食をテーマとしての活用をあげていました。この日は2つ目の「星川ダイニング計画」をメインに活動を行いました。

星川を食を通じて日常的に使ってもらうために、
・シェアカフェ含む近隣の飲食店で注文したものを東屋で食べる
・自分たちで開発したノンアルコールビールを飲める場所にする
・星川ランチと称したメニューをWEBで閲覧できるようにして、東屋で注文

など多くのアイディアがありますが、今回は1つ目の「近隣の飲食店で注文したものを東屋で食べる」を実際に東屋班で実施しました。

この日はワークショップのメイン会場であるシェアカフェエイエイオーの火曜日を担当している「どなべごはん梅松」さんにご協力いただき、土鍋で炊いたごはんをランチボックスに詰め、周辺の飲食店でおかずを買って、自分だけの星川弁当を作っていました。

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皆さんそれぞれの個性が出たお弁当が出来上がり、東屋で美味しくいただいていました。この取り組みが日常的にできたら近隣の飲食店もたくさん楽しめますね。非常に良い風景です。

今後の実験期間中に東屋班は東屋を使った食のイベントを通して賑わいを生み出していきたいと考えているとのことです。

1/15(土)
子どもクラフトマルシェ
東屋、両側広場、親水広場、駐車場で子ども向けワークショップでランタンづくりを行います。
2/11(土)
星川ビールを作ってビールパーティー
子どもたちにはクラフトコーラを作って、一緒に楽しみます。

親水広場班

親水広場班は前回までの話し合いを通して、「人を呼び寄せるコンテンツ」「人が滞留するコンテンツ」の2つの軸を考えてきました。具体的には両サイドの壁を綺麗にして、そこにメッセージやエールを送るボードを設置することと、殺風景な水辺に色をつけて綺麗な空間にしていくこと。

この日は実際に、親水広場の壁面の清掃と、飛び石にテープで色をつけていく作業を開始しました。

壁面の清掃をみんなで行います。

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そして飛び石をカラフルなテープで綺麗に彩っていきます。

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完成したのがこちら。色が入ることで雰囲気全然違いますね。子どもが遊べる空間を意識して可愛いイラストも配置されています。

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実証実験期間はここからさらに進化していくことを考えると今後が楽しみです。

星川行こうよプロジェクト

最後にこの実証実験を「星川行こうよプロジェクト」と名付けて実施していくことに決まりました。イベントとして盛り上がるのではなく、日常的にこの星川が賑わいを見せ、人々が楽しんで創っていくための実験です。ここからの3ヶ月たくさんの方々にご協力いただきながら進めてまいります。ぜひ遊びにきてください。(下記リンクからインスタもチェックできます)

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そして3ヶ月間実験を行う中で、実際に自分たちで集まってどう使っていくのかを確認しながら進めていかないといけません。ということで下記日程で自分たちで使いながらアップデートしていく予定となりました。

12/11(土)
 1/15(土) 
2/12(土)

こうして当初予定していた10月からワークショップの4回は終了となりましたが、ここからが実証実験のスタートになります。こちらのレポートもしばらく続きます。今後の実験中の報告もお楽しみください。


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