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ヨルダンで感じたことと疑問点@障害児支援について

こんばんは、くまがいです。中東ヨルダンで障害児支援分野の協力隊をしており、3週間前にヨルダンから日本に一時帰国しているものです。感染症問題が安定したら、多分きっと戻れる予定です。今回の写真も記事とは全く関係ない、ヨルダンの市場です。笑

今週から来週にかけて、「先輩隊員から活動についてお話を聞く・大学教授から隊員活動のフィードバックを受ける・職場の児童分野見学・ボランティアに行く」などをしたいと考えています。青森県はまだ感染経路不明の感染者が出ていませんが、他県を見ているとそれも時間の経過とともに変わっていく可能性が高いからです。勿論、現状においても感染リスクはあるのでオンラインでできることはオンラインでできるようにします。

それに際して、ヨルダン滞在中に感じた疑問点をクリアにしなければ、時間を割いてくださる相手方に失礼なことに加えて、自分自身の学びが浅くなってしまうと思います。なので、今回はヨルダンで障害児者支援に関して自分がわからなかったこと、勉強の必要性を感じたことを掘り下げていきます。

障害児教育って何をすればいいの? 

ヨルダンの障害児者支援・教育制度について

身もふたもない質問に感じる方もいるので、まずはこの疑問を持った背景をご説明します。ヨルダンでの私の配属先は、”知的障害能力訓練センター”のような意味合いをもつ通所施設で、先生方は児童一人一人に対しての計画を作成して、指導に当たっています。日本では学校に通ったあとに放課後等デイサービスなどを利用する方も多いのですが、ヨルダンでは私の配属先の形態の施設に、朝〜昼までいてその後はずっと家にいます。ところで、日本では学校も放課後等デイサービスも教育的な面を持っていますが、特別指導要領という教育指針がある点から見ると学校の方が教育的要素が強いように感じます。また、家庭も勿論社会的な意味での教育的要素があります。ですがヨルダンでは、学校がないため私の配属先のような施設が国語・算数や情緒教育、社会規範の教育など広い意味での教育を担う役割があると思います。そして1日のなかで授業がある時間はおよそ4時間です。また、6〜17歳くらいの年齢の児童の中で重度の障害を持たない方が利用しますが、様々な理由で突然施設を利用しなくなることもよくあります。ヨルダンでは児童を対象とした施設の利用年齢を過ぎた場合、利用できる施設がほとんどありません。そのため退所後は能力があれば畑仕事など家の手伝いを、手伝いができなれば家にいるだけと聞きます。

→前置きが長くなりましたが、そういった状況で何を優先して教育すればいいのだろうという疑問に答えを出せずにいます。情緒教育、国語、算数、社会規範、遊び、余暇活動、作業訓練などなどやったほうが良さそうなことは沢山ありますが、考えなしに教えていいものだろうかと悩みながら私は活動していました。

派遣先での私の仕事内容

ちなみに、私は自閉症支援方法の伝達という要請内容で派遣されています。なので、派遣先では週2日自閉症児の支援、週3日はリハビリルーム内で作業訓練や数の理解やアラビア文字の理解など基礎的な学習の支援をしていました。ほぼ派遣先の希望通りの活動をしている私ですが、先ほど書いたようなことからもっと優先して行うべきがあるのではないかとも悩んでいるという状況です。

幼児期に必要な教育とは?

かなり私見に基づいているのですが、ヨルダンの障害児は比較的文字や数字の基礎的な理解をしていない割合が日本より高いように感じていました。勿論、日本にもそういった方がいますし、文字や数字が理解できていないからといってコミュニケーションができなかったり、不幸せになるということは全くないと思っています。ただ、もし私が感じている割合の高さが正しいとしてその背景にある理由は何か? また、ヨルダンでは障害を理由に幼稚園や保育園を利用できないケースが沢山あるようですが、幼児期に教育を受けれなかったことがどのように影響するのか、幼児期に獲得しておくべき技能とその指導方法を知りたいと思っています。

社会や文化に合わせた福祉とは?

国が変われば合理的な配慮も変わる?

「障害児教育って何をすればいいの?」のところでも書きましたが、ヨルダンでは障害者を対象とした就労支援施設はほとんどありません。このことについて先輩隊員からは「それにはヨルダンの失業率が高いことや、障害者は無理に働かなくて良いと考えられていることが関係しているのではないか」という意見をいただきました。私は日本人的な感覚から「労働の権利と義務教育がないなんて!」とかなりネガティブな見方をしていましたが、労働の権利がないのではなく無理にはたらく必要がないという配慮である、経済的な観点から障害者の労働を保証するのが難しいといった考え方をするとそれを頭ごなしに批判するのは正しくないのではないかと考えるようになりました。ただ、障害者が働かないことについて周りが「配慮である」と考えていてもヨルダンにいる障害者の方の中には働きたいけど働かせてもらえない方がいるのは想像に固くありません。

日本でもヨルダンでも目指すべきは3方よし

私は日本で就労支援の仕事をしていたので、就労支援についてはどの国でも三方よしを目指すべきなんだなと日本との共通点を感じた部分でもあります。「障害がある方が仕事をすることで損をする人がでた場合、敵対関係になり邪魔をされることがあるから、就労支援で目指すべきは障害者にとっても地域の人にとっても良い三方よしだ」と教えてもらったことがあります。書いていて気がつきましたが、この部分については疑問というより教えてくださった方に報告したいな背中を教えてもらいたいなという気持ちですね。(自己解決)ヨルダンでも三方よしなプランを考えて、就労支援に携われたらいいな。

環境の構造化の導入から定着までの流れは?

自閉症の方の障害特性に合わせて過ごしやすい環境にすることを環境の構造化なんて、障害児者支援分野ではよく言うのですが、私は成人の方の就労支援をしてきたので「環境が構造化された状態に慣れている方への支援」はしたことがあるのですが、「構造化された環境が初めての児童に、構造化の支援を導入すること」はしたことがありません。ヨルダンでは、構造化された環境で過ごしたことがある児童は少ないので、導入と定着の方法を知ることは私にとって死活問題なのです。

最後に

障害児教育ですべきこと、幼児期に必要な教育、社会や文化に合わせた福祉、環境の構造化の導入から定着、の4つについて疑問に思った背景と詳細について書きました。書いていくうちにクリアになった部分もあったのは収穫でした。短時間のうちに書き出したものなので新たな疑問点などが出てきた時は追記していきます。

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