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子供と一緒に怒りを乗り越える

「なんで私には虫を捕まえてくれないの!」

「飛ぶ虫じゃなくて地面を歩く虫じゃないと嫌だ!」

子供たちと虫取りをしていると、小学生のお姉ちゃんが

ものすごく不機嫌になってしまいました。

お姉ちゃんは、虫を見つけるのも捕まえるのも

いつも弟に負けてしまいます。

弟がトンボやコメツキムシを捕まえて喜んでいるのを見て

自分も欲しくなったようです。

娘のためにカミキリムシを捕まえたのですが

すぐに飛ぼうとしてしまい、虫かごの中で暴れまわっています。

それが気に入らないようです。

近所を歩き回って探しますが、見つかるのはどれも飛んでしまう虫ばかり。

「嫌ならダンゴムシでいいじゃん」と言ったのですが

理想の虫ではないようで、余計に不機嫌になりました。

仕方がないので、あきらめて家に帰ることにしました。


娘の怒りは収まりません。

とにかく虫を捕まえてこいと、床を転げ回って暴れます。

またか…と思いながら、床を転げ回る娘を見ていると

ため息が出てきます。

「自分で捕まえてこい!」とか「あきらめろ!」とか言いたいのですが

言っても効果はないのは分かっています。

それでもどうしようもない状況は続きます。

いよいよ我慢できずに

「そんなことで怒らない!」

と口走ってしまいました。

すると娘は大泣きしながら

「どうしたらいいか分からない!」と叫んで暴れます。


娘のその一言に

私は少し冷静になりました。

怒りをどうしたらいいか

本当に分からないのかもしれません。


今までのやり方では、きっと同じことの繰り返しです。

何か変えなきゃいけないと思い

床に転げ回っている小学生の娘を抱きかかえて

「虫を捕まえることはお父さんはできないから、一緒に我慢しよっか」

大きな娘を抱きかかえたまま椅子に座り、膝の上に乗せました。


最初は膝の上で暴れていた娘が

だんだん落ち着いてくるのが分かりました。

多分話を聞けるだろうと思ったタイミングで

怒りが通り過ぎたことを一緒に確かめました。

表情を見ると——落ち着いている時の娘の顔です。

嵐が過ぎ去ってほっとしました。

そのまましばらく抱っこしてnoteを一緒に見ました。


人間は怒るように作られているので

「怒るな!」というのは、実行できないアドバイスです。

大人なら取り繕うくらいはできますが

小学生の娘には意味すら分からなかったと思います。

怒りは、通り過ぎるのを待つ必要があります。

小学生の娘は、まだそれが一人では難しかったのだと思います。

体は大きくなってきても

心はまだ、小さなあの頃の娘のままです。

娘の怒りを拒否するのではなく

一緒に乗り越えることが今は必要なのだと分かりました。


誰かに怒りで抑え込まれたり、拒否される体験よりも

乗り越えられた、という体験が大事なのではないかと思います。

今日の出来事はもしかすると偶然かもしれません。

それでも、これからの選択肢に気づけた出来事でした。






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