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やわらかくひらかれて

12月の京都はけぜわしい。

夜でも繁華街には人手が多く、笑い声や不意に混じる外国語などが、私の耳元に入る前にすり抜けて後ろに通り過ぎていく。行き交う人々の隙間をぬって、目的地をスマホのGoogleマップで確認する。もう少しで到着するはずだ。

私は昨年と同じく冬の京都に来ていた。

通信制の大学のスクーリングに参加するために訪れた京都で、滅多にお会いできない関西地区住まいのnoterさんたちに、それぞれにお声をかけてみた。

その中の1人が、この日お会いしようとしていた
秋峰さんだ。

彼女はお花の先生である。

彼女とは、いつ頃からか行き来をさせてもらうようになったのだろう。はっきりとは覚えていないが、コメントのやり取りからだったと記憶している。

瑞々しいお花の写真。
どれもこれも生き生きとしている。
彼女が載せているのはそれだけではなくて
彼女の軸となるようななぞり書きが書かれている。

なぞっているのだと思う。

それはどれも同じ線ではなく、毎回違うラインを描いてはいるのだが、根幹にある思いは揺るぎない世界があって、そしてほんの少しの問いかけで終わる。

私の世界はこうでした。

お花も今日はこのように在りました。

あなたはどう在りますか?、と。

続ければ
来年の今日
3年後の今日
5年後の今日
10年後の今日
確実に手に入ってるものがあります

そしてそれは
今日から始めた人には
絶対に手に入らないもの
敵わないもの

「手に入れる」より

待っているもの。
いつもそこにある植物たち。

反射的な判断ではなく
コスパも悪い
けれども確かな長い長い道のり。

それは人と人との間に置かれている植物があるから。ことばでは伝わらないものを彼女は様々な人にお渡ししているのだ。


なんてことを感じながらですが、会話は非常にフラットに気さくに、時には脱線もしながら、それはそれは軽やかなやりとりが行われました。

なかでも「怒ってばかりいると(眉間に皺がよって)ブスになる」ということばが衝撃で。

「ブスがさらにブスになる!」
と言い始めたので、そんなことはないことをお伝えして(すらりとしていて品があるお姉さまで、私と同世代と間違われてもおかしくはないレベルです、はい)

「歳を重ねると美人とかそういうものじゃなくてね、
顔つきにでるんです。」

顔つき....やべぇ、今からでもなんか気をつけられるかなぁと思いながら、日々接している高齢者の方たちのお顔立ちが不意に思い浮かぶ。
まあ、確かにそうだなと思う。


一軒目は立ち飲み屋で。

次は座りながら

久しぶりにお酒を飲みました。
お酒は普段からやらないんですよ。
でも、ここは飲んどこう!と思って秋峰さんと同じものを頂きました(黒ビールはおいしいことを発見)

立ち飲み屋さんは人生2回目。前回は神戸で、OT全国学会後に先輩と行きました。

「こっち(関西)の人は一つのお店に長居はしないんですよ。とんとんと軽く飲んで次に行きます」

と、言われて、そういえば前回も西の地域だったなと思い出す私。

しかし、彼女は根っからの関西人ではないので、この件も含めてカルチャーショックが色々とあった話を教えてくれた。

生まれた場所、途中で住んでいた場所、出会った人々。だんだんと秋峰さんの色が伝わってくる時間。

私にも色々とご質問をして頂いたが、かなり頓珍漢な答えをしていたかもなという...思い返しても反省ばかり。でも、まあ、それも込みですみません、といつも周りの人には思っている。

あと「くまさんはもっと線が細い感じの印象でした」と言われた。


え、えーと


これからもしかして私にお会いする方もおられるかもなので、伝えておきたいのですが

私は決して線は細くはない。

むしろ太め。

(そして体もでかい)

(だってあだ名がくまですから、そもそも)



noteの話になる。
彼女がnoteを続ける意義
私がnoteを続ける意義

2人とも違う思いがある。

ゆるやかに続けられたらいいなと願う。

2軒目を出て

秋峰さんが私に配慮してくださって
当日提案してくれたこと。

それは私が昨年訪れたビストロに今から行ってみようというものであった。

えーいいんですか!

お酒がまわってきた私は道がよくわかっていない。
頼りなくふらふらとしながら秋峰さんの後をついていく。
刻々と夜はふけてきている。


私はさすがにお酒が入らなくなったので昨年と同じペリエを頼んだ。
昨年頼んだ白子は在庫がないと店長に言われる。

ああ、変わらずテキパキとしていて、プロフェッショナルで、そしてあたたかい。

思わず私は「昨年も来させてもらって、また来るって約束したから来ました」と伝えていた。
彼はフライパンをふるったり作業をしながら「なんとなく覚えてますよ」と返してくれた。

秋峰さんにカウンターのあの奥の席で本を読んでいたんですとお伝えする。

その奥の席に座っていた女性は、突如、店長や店員からお花のプレゼントを渡されていた。

「えー!うれしい!」と女性はほころぶ。

店長は「当店に年10回以上いらした方はお誕生日をお祝いすることになっています」と笑顔で伝えた。
「そういや、昨日はうちの店の周年記念だったんですよ」という情報も添えて。

みんなでぱちぱちと拍手をする。
私と秋峰さんも拍手をした。

彼女にお土産を頂いた。

包んでいた紙をまとめていたゴムについていた雪の結晶は「紐を通して、飾ったりできます」とのこと。私のうちのスチール棚に合うかもしれないと私は真っ先に思い浮かべる。


本体は箸置だった。

かたいけど
やわらかい

可塑性があって不思議な金属である

箸でなくてもいいらしく、お香を試しに乗せてみる。

「イケバナは決して高尚なものではない」
と秋峰さんはおっしゃっていた。

植物と共に生きること。
それは敷居の高いものでもなくて
かたくもない。

もっとやわらかで
お花のように
ひらかれているものであると

ご本人が自身の姿をもって伝えてくれた気もしている。

楽しい時間をありがとうございました。

今度はおすすめの漢字ミュージアムにも行ってみたいと思います。

あと草月流の自由なイケバナ体験をさせてもらうまで。

それまでお元気でお過ごしください。

いけばな教室
へなうさ工房:甲子園球場そば
090-8214-8739
8739sshuho(@)gmail.com

追伸:生「なのなの」は可愛かったです。


あと、実は本日の記事はこちらのもつにこみさんの企画にも参加しております。
投稿内容の一例で
今年出会ったnoteクリエイター
と書かれていたので、こちらをアドベントカレンダーに収納させてください。

よろしくお願いします。

最後の23日が今の時点では空いてますので、興味のある方は読んで参加してみてくださいね。

それではまた。

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