【初企画】「さいごに何食べたい?」のあとがきとみなさまへの感謝をよせて
人生会議を身近にしたいという気持ちから始まった今回の企画。
はじめて立ち上げた企画にたくさんの方が参加してくださいました。
みなさまへこの場をかりて、感謝のことばをお伝えしたいと思います。
本当にありがとうございました。
企画がどのような広がりをみせたのか少し振り返ってみたいと思います。
1.企画の振り返り
【開催期間】
2021年12月12日~2022年1月9日までの約1か月でした。
【参加者数】
70人の方にご参加いただきました。(30日現在+4名追加の方がいます。)
びっくりしました。びっくりしすぎて穴があったら思わず隠れてしまいたいです。そして冬眠したいです....(関係ないですね)
こんなにたくさんの方に参加いただけるとは、始めた時には思ってもみなかったのです。そして、同じ質問を投げかけたはずなのに、そこには、ひとりひとりの想いがあって、食に対する価値観もあって、色々な人生があって、生きることや死ぬことにたくさんたくさんみなさんが真剣に....時にはユニークに.....考えて取り組んで下さったことを思うだけで、私はとても幸せです。
参加して下さった記事たちは、私の企画マガジンに入れてあるのですが「あれ?自分のが入っていないぞ」とか「書いたけどくまがコメント欄に来ていないなぁ」という方がいらっしゃいましたら、教えて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。(ご自身であえて入れなくてよいですよという方もいらっしゃいました。ご了承ください。数にはいれてあります。あと、まだ書いている途中の方がおそらくいらっしゃいます。お待ちしていますので、完成したら教えて下さいね。)
【さいごに食べたい物】
おにぎりが1位になりました。
そして白米が2位。
やっぱり日本に住んでいるとお米が恋しくなるし、これぞ私たちの原点なのでしょうね。うちの息子さんもおにぎりが大好きだし、白米をおかずに白米を食べられる猛者です。
【さいごは最後?最期?】
この点にふれているかたもけっこういらっしゃいました。
シチュエーションによって食べるものも変わってきますよね。
私はあえて「さいご」とひらがな表記にしました。
みなさんに解釈を委ねたかったのです。
おかげさまで「最後」の方も「最期」の方も様々で、バラエティ豊かに綴って下さいました。
【場所】
最期の方はやはり病院や施設をイメージしている方も多いような印象を持ちました。
私は医療福祉職として、今まで学んできたことから、これからの看取りは「自宅」になる方が徐々に増えていくと予測しています。それは「家で死にたい」というご希望を持つ方がその夢を少しずつ叶えられる風潮に業界自体が動いてきていること。そして、残念ながら少子高齢化によるマンパワーや資源の不足により、病院や施設も働く人材の確保が難しくなり、徐々に入院設備が縮小傾向になる事が予測されます。
ちょっと余談でしたね。すみません。
【食べたことがあるもの、ないもの、食べられないもの、食べないという選択】
食べたことがあるもの。
食べたことがあるものは思い出がついてきます。
それはどんな思い出でしょう。
小さい頃の誰かが丹精こめて作ってくれたもの
あるいは買ってきてくれたお土産
学生の頃のお弁当
大人になってたしなんだもの
誰かに食べさせたくて自分が作っているもの
つらい時によりそってくれたもの
楽しい時を一緒に過ごしたもの
ちょっとした贅沢品
いつも自分とともにいてくれるもの
自分といったらこれ!というアイデンティティを感じるもの
また、食べたことがないものを食べてみたいというチャレンジや未来への希望
もう食べられないもの
それは制限があったり
もう作ってくれる人がいなかったり
食べられない理由も様々です。
あえて食べないという選択
受け取らない勇気もありました。
【誰と?】
明記されていない方もいましたが、一人で食べているイメージの方もいましたし、誰かと食べているイメージの方もいました。
誰かとは
愛する人
大切な存在
もう会えない人
いつも一緒にいる人
その人にとってのスペシャルな人が登場することが多かったですね。
さいごのメニューよりもむしろ「誰と過ごしたいかの方が重要」とおっしゃる方もいらっしゃいました。その通りだと私も思いました。
2.ふりかえってみて
ひとつだけ紹介をさせて下さい。
最近、NHKで放送されていたものをたまたま見る機会がありまして、見ながら今回の企画の事を思いだしていました。
山形県鶴岡市の旅館に、特別な料理を作り出す延味克士さんという料理人さんがいらっしゃいます。さまざまな食材を「えん下食」に生まれ変わらせるスゴ技の持ち主です。
この方が「たけのこ」をえん下食で再現している様子を見たのですが、とても試行錯誤されていて....風味や形など何回も試作を重ねていました。
そしてできたのが「孟宗汁」
これは、亡くなった奥様が昔作っていた孟宗汁を再び食べてみたいという施設の利用者さんのオーダーに応えて延味さんが作成したものでした。
利用者さんは嚥下の障害をお持ちでしたが、延味さんの孟宗汁に、思わず笑顔がこぼれていました。
詳しくは記事をご覧になって下さい。さいごまで食べられるように延味さんのように支援している方たちが世の中にはたくさんいます。
なぜさいごまで食べさせたいのでしょうか。
食べることは活力につながります。
食べることは楽しみにもなります。
食で繋いでいるものは人と人との関係性です。
そして毎日の食のやり取りは、愛情のやり取りだと私は思っています。
愛を受け取る側、渡す側が、食事を通じてあたたかい気持ちを感じています。
それは毎日習慣的に行われて
経験してきたからこそ
ひとそれぞれの営みに繋がります。
そしてそのひと自身の価値観がそこに存在しています。
もちろん「食」を受け取らない決意もそうです。
今回は「食」をテーマにさいごを考えてきましたが、さいごを考えるにはどんな切り口だっていいと思います。
さいごを考えることは大切な人とどう過ごすか
人としてどう在りたいかを考えるきっかけになります。
そしていつ来るかわからないさいごに向けてというよりは
毎日の営みの中で
一瞬一瞬を大切に生きることが
当たり前のようだけど
とても重要であることを
この企画を通じて学ばせてもらいました。
みなさまと楽しく歩んできた1か月間
無事に走り切りました事をご報告して
記事の終わりの挨拶とさせて頂きます。
今回「くまの企画だから...」と普段企画に参加しない方たちも参加して下さいました。そしてはじめましての方もたくさんいらっしゃいました。ご縁ができたことは大変光栄に思っております。もちろん私の記事の常連さんの方たちの底力にも圧倒されました。
そして、書いて下さった方たち、コメントをして下さった方たち、貴重なお時間を使って参加して頂き感謝しています。読んで下さった方たちもさいごまで見守って下さりありがとうございました。
3.参加者の記事です
サポートは読んでくれただけで充分です。あなたの資源はぜひ他のことにお使い下さい。それでもいただけるのであれば、私も他の方に渡していきたいです。